チェンマイロングステイ その4 

ステイ中の過ごし方  

1回目のチェンマイ行の時、飛行機を待っている間に日本人シニア夫婦2組と話した。10年前から3ヶ月ステイしているそうだ。ちなみに、3ヶ月はヴィザを取れば滞在可能な期間。「そんなに長い事、何をするのですか、暇でしょう?」と突っ込みを入れた。「いやあ、何もしないのがいいんですよ」と言われてしまった。私と同世代の人たちに、目的がない生活スタイルが出来上がっていることに少し驚いた。  
 
ゴルフをほぼ毎日している人は多いようだ。日本よりずっと安くプレイできるし、終わってからがタイ式マッサージをしてもらう。極楽極楽なんだそうな。左はローヤル・チェンマイ・ゴルフリゾート(チェンマイのサイトより)

2度目のステイのときに、夫にゴルフを奨めてみたが「下手だから知らない人に混じってするのは気づまりだ」というので、ゴルフはしなかった。そのかわり、ゴルフよりは自信があるテニスラケットを持参したのだが、数少ないコートはホテルからかなり遠い。結局1度もラケットは使わなかった。近くにあればプレイしたと思う。

SちゃんやHさんの奥さんはゴルフもテニスもしないが、ホテルの部屋でフラフープをしたり、柔軟体操やラジオ体操をしている。Hさんのご主人は、近くの高級ホテル内にあるジムの3か月会員になって毎日通っている。私もジムに行きたいので見学させてもらったが、一日だけの料金は500B(2000円弱)。タイ国にしてはとても高いし、ジムの器具が西洋人向けでやたら大きくて筋肉を傷めてしまいそうなので、やめた。

本を読む時間はたっぷりある。Sちゃん達は、電化製品や本など嵩張るものをホテルに保管してもらえるので、スーツケースで運ばなくてもいい。本は段ボール箱にいっぱいあるので、私も段ボール図書館から借りて読んだ。

パソコンを持参すれば、無料で使えるのは有難かった。日本や世界のニュースを見たり、メールのチェック、撮ってきた写真を整理して要らない写真はすぐ削除、良い写真は保存した。ときどきは友人に写真をメールで送った。振り込みせねばならなかったが、ネット銀行からいとも簡単に送金で来た。HPの更新もした。

つまりネットは横浜の自宅と同じに出来る。なにがしかのお金を払えば、日本のテレビもパソコンで見ることが出来るらしく見ている人もいた。

チェンマイにはチェンマイ日本人会もあるが、Hさん夫妻とSちゃんはその会には入っていないでも彼らには、他のホテルやコンドミニアムに滞在中の日本人もときどき訪ねてくる。他に現地人との付き合いもある。特にタイ人と日本人のカップルの家には、毎週金曜日に遊びに行っている。Hさん夫妻はタイ語が達者なのでタイ人にも信頼があるのだ。

ホテルオーナーの次男の結婚式パーティーに出た写真も見せてもらった(左)。オーナーの息子は医者だが、父親のホテルでパーティーを開いた。Hさんグループはみんな招待されたというから、私もこの時に滞在していれば参加できたかもしれない。

先日、Sちゃんから次のようなメールが来た。「ホテルのメイドさんユーピンの25歳になる息子さん(コンピュータ関係の会社員)の、仏門に入るための得度式に招待を受け行ってきました。息子さんは15日間修行して、また仕事に復帰するそうです。タイを深く知るチャンスに恵まれました」。


           

 得度は剃髪して仏門に入ること。以前は若者は必ず仏門に入らねばならなかったが、最近は義務ではないという。でもユーピンの息子のように、短期間だけでも仏門に入る若者はたくさんいるらしい。左写真は、Sちゃんが得度式に出たときの様子。みんなでお祝いしている様子が伝わってくる。

こういう生活をしてこそ、現地に溶け込んでのステイだと思うが、タイ語の習得などいまさらできそうにない。でもタイ語の簡単会話ぐらいは覚えていかねば、タイに失礼だと悟った出来事があった。それはあとで書くつもり。

さて私たちはホテル以外では何をしていたか。1回目のステイの時は、まずチェンマイを知らねばならないので、ほぼ毎日歩きまわった。チェンマイは城壁に囲まれた古都である。歩き回ったおかげで、城壁の中の地図が書けるほどだ。

2回目のステイの時は、郊外のツアーに参加した。2人だけで、列車や高速バスにも乗った。なにかしらしていないと落ち着かないのは、貧乏性だからだろう。そしてステイ初心者だからだろう。

暑くないの?

タイと聞いて思い浮かぶのは「蒸し暑い国」ではなかろうか。でもチェンマイはバンコクより北にあるし、11月〜2月までは、暑すぎず寒すぎず。夜になれば上着が欲しい。私はプールに入る気はしなかったが、3月半ばまで滞在しているSちゃんやHさんは、泳ぐのだそうだ。

1回目ステイの直前に膝が痛くなったけれど、チェンマイに行って数日したら痛みが自然に消えた。医者が「老化現象だから仕方ない」と片付けた膝痛を、この気候が救ってくれたことになる。帰国後整形の医者にそのことを伝えたら「暖かいからね」と素人でも言えることをつぶやいた。

暑くないとはいえ、日差しは強い。歩き回れば汗をかく日もある。こんな日は、冬の日光に飢えている北ヨーロッパの人たちが、上半身裸になってくつろいでいた。(左)



学校で飲み食いできる

チェンマイの南にあるランパーンに鉄道に乗って行ってきた。駅から町の中心地まで歩いている時に「南邦育才学校」とタイ語以外に漢字表記のある学校を見つけた。たまたま校庭に大勢の子どもたちがいた。校庭でボール遊びをしているグループもあれば、輪になっておしゃべりしているグループもある。日本と同じ光景だが、大きな違いは子どもたちがジュースを飲んだりお菓子を食べていることだ。時計を見ると11時半ころ。昼食時間はすぐだと思われるのに、お菓子を食べていいのだろうか。

談笑している中学生に英語で話しかけたが、さっぱり通じない。英語は習っているはずなのに、「何歳か?」などのごく会話すら成り立たなかった。「言葉が通じなくても意思疎通ははかれる」とよく言われるが、そう簡単にはいかないものだ。


南邦育才学校 

 校庭では子どもたちが遊んでいた

校庭の隅でおしゃべりしながらお菓子を食べている 

午後4時頃の下校時刻に、道路沿いや広場に食べ物を売る屋台が何軒も出る。大勢の子どもたちが群がっておやつを買っていた(左)。ベンチに腰かけたり立ち食いしたり。「タイの子どもたちは、おやつを買うためのお金を学校に持ってくる」と本で読んだことがあるが、本当だった。

この辺りには複数の学校があるらしく、違う制服の子どもたちがいた。日本の学校では「買い食い、立ち食いなどもっての他」だが、タイでは放課後ばかりか学校でも食べている。なんておおらかな国なんだろう。この国には不登校やいじめはないのだろうか。 (2016年5月2日 記)


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