イギリスの旅7 
 ロンドン その1

2014年8月18日(月)-13日目

今日は一日中フリータイム。私たちと一人参加の女性をのぞく全員が、添乗員と一緒にバッキンガム宮殿の内部見学に行った。宮殿内部を見学できるのは夏の間の1ヶ月だけだ。この時期だけの公開といっても、宮殿は同じようなものなので私達はパス。

私も夫もロンドンは4度目。特に21年前にロンドンだけに1週間滞在していたので、有名なスポットはめぐっている。「どこに行こうか」と少し考え込んでしまった。

自由に歩き回るには地下鉄の切符が便利だ。「マーブルアーチ」の駅で一日乗車券を買った。ロンドンの地下鉄のエスカレーターは東京など関東圏とは反対で右側に立つ。あちこちに「stand on the right 」の表示があった。日本の地下鉄には表示はないのに、いつの間に関東では左側に立っている。鉄道会社が決めたのではないという。どうしてこんなことになってしまったのだろう。いっそのこと、日本でも全国で統一してもらいたい。

まずは一度も乗ったことがないテムズ川クルーズをすることにして「ウオータールー駅」で下車。駅のそばにかかるウオータールー橋は映画「哀愁」の舞台で、映画の原題もウオータールー橋だった。この映画も大好きだったので、初めてロンドンを訪れた30年前に見に行ったが、あまりにも味気ない橋でがっかりしたものだ。

目の前にロンドンアイがそびえる桟橋から乗った。ロンドンアイは高さ135mの観覧車。ミレニアムの時に出来たロンドンの新名所で人気がある。全部ガラス張りなので視界が広いそうだ。左写真はウオータールー橋(WATERLOO  BRIDGE)とロンドンアイ

クルーズはタワーブリッジまで行くのがほとんだが、短すぎるのでグリニッジまで行くことにした。グリニッジ自体は21年前に行ったので見なくてもいいのだが、途中の景観を見たかった。

嬉しい事に、この船にも日本語のガイドがあった。規模が大きいとも思えないクルーズにも、親切なものが用意されている。観光国イギリスに感心してしまった。

パリのセーヌ川クルーズに比べると、橋や建物などに美しさを感じない。そもそも、誰が見てもロンドンよりパリのほうが垢抜けした街なのだから、クルーズ船からの景色とてパリの方がいいに決まっている。

出発地の国会議事堂、ウェストミンスター寺院、セントポール大聖堂、シェークスピア・グローブ座、大火記念塔、ロンドン塔などが主な建物である。シェークスピアのグローブ座には行ってない。当時のままを復元したというから、せめて建物だけでもゆっくり見ればよかった。


セントポール大聖堂
 
シェークスピアのグローブ座
 

ロンドン塔


歴史的建造物に混じって、2002年のロンドン市庁舎、2013年のシャード、2004年のガーキンなど、ガラス張りのモダン建築も見える(左)。

シャードは尖塔型の建物。72階からの見晴は素晴らしいらしいが、時間がない。最初はどうやってフリータイムを過ごそうかと迷ったのに、いくらでも見物する所はあった。延泊すればよかったと今になって思うも遅い。

ウェストミンスター橋、ハンガーフォード橋、ウオータールー橋、ブラックファイヤー橋を過ぎると200年に開通したミレニアム橋がある。通っている人がよく見える透き通った橋。ここも渡りたかった。

サザーク橋、ロンドン橋を過ぎると、テムズ川でもっとも有名なタワーブリッジ。1894年に完成した。船が重要な交通機関だった頃には、1日に50回ぐらい跳ね上がっていたとか。今では週に3回ぐらいしか開かないそうだ。私はいちどもが跳ね上がった橋を見ていない。

グリニッジの桟橋から次の船に乗ってすぐ引き返すこともできたが、せっかくだからグリニッジの町をぶらつくことにした。桟橋を降りるとすぐカティー・サーク号がある。1869年に建造され、当時としては世界最速だったが、1954年から博物館になっている。王立海軍学校や国立海洋博物館は素通りして、旧天文台を目指す。

「こんなに坂を上がったかなあ」と21年前を振り返るが、まったく覚えてない。人間の記憶力ほどあやふやなものはない。高台にあるだけに天文台からの眺めが素晴らしい。コンサートなどをするドームも目の前に見えた。これもミレニアムの時に完成。

 
当時は世界最速だった
カティー・サーク号


グリニッジ天文台の
世界の標準時計
 

東西を分ける子午線
記念写真を撮る中国人母子

 

以前は子午線の線が引いてある場所に、自由に入れた。私も右足を東半球に、左足を西半球において写真を撮った。ところが、今は8ポンドも取る。バカバカしいので入場はやめて、柵の間から子午線で大げさなポーズをとっている中国人母子をカメラにおさめた。

グリニッジから戻り、ビッグベンのところで降りた。朝クルーズ船に乗り込む頃は、ほとんど人がいなかったが、自由に歩けないほど人で埋まっている。ロンドンの住人は不愉快に思っているんだろうな。でも観光で潤うことはいいことだから喜んでいるのかなあ。

21年前の1週間の滞在は、夫が現役で真夏のこの時期だったが、こんなに混んでなかった。中国・韓国・東南アジア・アラブの人々に観光旅行をする余裕が出来たということだろう。

次は地下鉄を乗り継ぎキングス・クロス駅に行った。あとで知ったのだが、この駅は「ハリーポッター」のホグワーツ特急が出発する駅。小説の中では9番線と10番線の煉瓦の支柱に飛び込むと特急が出発する。9番、10番線は実在しないので構内に「プラットフォーム9と3/4番線」のプレートを作ったそうだ。せっかくこの駅で降りたのに見損なった。

この駅は大英博物館付属の大英図書館(左)に近い。図書館の中のギャラリーにお宝がある。マグナ・カルタの原本(実際は別部屋にあり展示はコピーだった)、グーテンベルク印刷の聖書、ビートルズの自筆原稿などがすぐ目の前で見ることができた。歴史の教科書の挿絵の本物を見る幸せ。ただしお宝ルームは撮影禁止だった。ここのカフェで軽い昼食。

         (2016年2月16日 記)



感想・要望をどうぞ→
次(ロンドンの旅その2)へ
イギリスの旅1へ
ホームへ