ギリシャ・エーゲ海の船旅 2
お馴染みのギリシア文字
 

 アテネの空港到着後、見慣れぬ文字のはんらんに少々びっくり。写真でおわかりのように、道路標識は二種の文字を標記しています。日本で漢字とローマ字を併記するようなものですね。ギリシアについては、2500年前の文明華やかりし頃の知識しかなく、現在の様子をまったく知らなかったこともあり、文字の違いにまずカルチャーショックを受けてしまいました。

 ギリシア人がフェニキアから文字を借用したのはBC9世紀頃で、ローマ字の起源にもなっています。アルファベットなる呼び名も、ギリシャ文字のα(アルファー)β(ベータ)から。アルファベットを生んだ国が、今や世界の共通文字化しているローマ字と違う文字を使っていることが、なんとも不思議です。
 
 具体例を少々。すべての文字が違うわけではありません。アテネはAΘHNA,オリンピアはスパルタはΣΠAPTH,マラトンはMAPAΘΩNのごとく、ところどころに見慣れぬ文字が入ります。でもこれも、よく見るとお馴染みのものばかりですよ。Λ(ラムダ)やΣ(シグマ)は、三菱の乗用車につけられていたことがあります。Λの方向を変えた文字がLで、Σをくずした文字がSだ・・の説明になるほど。

 ややこしいのはPとRの区別です。ギリシア文字のピーは誰もが知っている円周率π(小文字)・Π(大文字)。ギリシア文字のアールはP。スパルタとマラトンに含まれているPなる文字は、ギリシアではアールです。知らない文字ならともかく、長年インプットされているPをアールと読むなんて、困ってしまいますね。お間違えのないように。

 Ωは言うまでもなく、あこがれの時計オメガの商標。オームの法則でも覚えました。地理で使われるデルタ記号もギリシア文字Δ。変形してDに。
 このように、一見すると今のローマ字と違いますが、よくみるとお馴染み。そして私達の生活にも何気なく入り込んでいるのです。

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