ギリシア・エーゲ海の船旅

                <
2000年8月13日〜20日>

 1 青い景観・ エーゲアンスピリット号
 2 お馴染みのギリシア文字
 3 ミコノス島・トルコのクシャダス
 4 パトモス島・ロードス島
 5 クレタ島・サントリーニ島
 6 パルテノン神殿
 7 ギリシアはヨーロッパ? ・ ギリシア正教 ・ ギリシアにはルネサンスがなかった

ギリシャ・エーゲ海の船旅 1
青い景観
 
                                                     

 参加したツアーのキャッチコピーは「あこがれのエーゲ海クルーズ」。ギリシア本土の観光はアテネだけで、あとは洋上の旅でした。クルーズにあこがれていたわけではなく、ギリシアを知るにはエーゲ海の島々、特にクレタ島とロードス島を見なければの思いが以前からあり、島巡りの旅とあいなりました。日本の島は、隠岐島へ後醍醐天皇が、佐渡島へ順徳天皇・日蓮・世阿弥が流されたように、「島流し」と深い関係があり、なにやら寂しい印象はぬぐえません。

 エーゲ海の場合は、豊富な遺跡とため息が出るほどの景観が相まって「あこがれの・・」にふさわしい島巡りになりました。教会の青い屋根、雲一つない紺碧の空、深い群青色の海、青い窓枠と青いドア、レストランの青い椅子・・。ギリシアの国を色で表現するならば、「青・青・青」。

エーゲアンスピリット号

 客船と聞いてまず思い浮かべるのは、タイタニック号やクイーンエリザベス号でしょうか。乗船したエーゲアンスピリット号は1万8000トン。タイタニック号の14万トン、クイーンエリザベス号のおよそ7万トンと比べ、いかに貧弱かおわかりでしょう。学生時代に造船所で研修をしたことがある夫が、「何十年も前の工法で造った船だ」と断定するほどの年代物でした。去年の秋にエーゲ海で転覆事故がありましたが、さもありなん。こんなわけでクルーズ船本体は、あこがれからほど遠いものでしたが、まずは内部をご案内。

 パンフレットにある「海の見える快適な船室」もいささか誇大広告。海は汚れた小さな丸窓からほんの少々見えるだけでした。シャワー、トイレ、電話、ラジオは付いているものの専用デッキなし。これでも上から2番目にランクされている部屋で、いちばん上等な部屋も同じような作り。船底に近い添乗員さんの部屋などは、まるでタコ部屋。ヨーロッパの金持ちはとうてい乗るまいと思える庶民的な船でした。

 とは言うものの、乗客800名が5日間を過ごせるだけの設備は整っています。レストラン、映画館、カジノ、美容室、ラウンジ、ギフトショップ、ディスコ、フォトショップ、プール、医務室など。船内で退屈しないように、エアロビクス、ダンス、ゲーム、音楽会、映画会などが目白押し。観光がメインな私達は、昼間は参加する暇がありませんが、夜の催しはディナーを兼ねているので、参加しないことには食事にありつけないのです。

 2日目の夜はギリシャデー。「ギリシャの国旗にちなんだ青と白の服装を用意するように」と出発前に言われました。私は国旗そっくりのスカーフを巻き、夫は白と青のストライプのシャツを着てなんとかごまかし。同行の方もワンピース、ネクタイ、シャツ、ハンカチなどに青と白を用い、ギリシア国旗に敬意を払った次第です。ブルージーンズに白いTシャツというお手軽青と白ですませた若者も大勢いました。

 3日目は船長主催のパーティ。「フォーマルな服装で」と指定されました。チラと思い浮かべたのが、フリルのついたロングドレスですが、慣れないものを旅先で着るなど真っ平と、ちょっと長めのワンピースで代行。夫はごくカジュアルなスーツ。二人ともフォーマルにはほど遠い服装でしたが、タキシードや胸の空いたロングドレス着用者はチラホラで、拍子抜けしてしまいました。クルーズ船のグレードの違いかもしれませんが、想像していたよりはるかに気楽な船旅だったのです。

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