ギリシャ・エーゲ海の船旅 5
クレタ島

クルーズ4日目朝の上陸は、エーゲ海最大の島クレタ。ヨーロッパ最古のミノア文明を生んだ島です。パリジェンヌと呼ばれる壁画をご覧下さい。今から4000年も前に描かれたなんて皆様信じられます?これより古いエジプトの絵画とは明らかに違うし、続くギリシア文明の絵画とも異なる画風。高校時代に教科書のグラビアで見た時から、ギリシアに行くなら「パリジェンヌ」と思い続けてきました。

 この壁画があったクノッソス宮殿跡だけは見逃すまいと決めていたので、幸せな一日になりました。迷宮と呼ばれる宮殿は1000以上もの部屋が複雑に入り組んでいて、わけがわかりませんが、規模の大きさだけは一目瞭然。「パリジェンヌ」「百合の王子」など至宝の壁画の数々は、島の中心都市イラクリオの博物館に展示されています。他の島から発掘された遺物はアテネの博物館に所蔵されていますが、クレタのものだけはクレタでしか見られないのです。

 栄華を誇ったミノア文明は、BC1400年頃に滅ぼされ、伝説になっていました。イギリス人エヴァンスが宮殿を発掘したのは、ほんの100年前のこと。100年前の人が知らなかった情報は、歴史分野に限ってみても数え切れないほどあります。あまりの情報量の多さに、あせる気持ちも起こりますが、真実を知る喜びも大きいですね。

サントリーニ島

 最後の上陸はサントリーニ島。何度も繰り返された噴火と地震で、かつて丸かった島も今は三日月形になっています。島の大部分が沈没していることから、消えた謎の大陸、アトランティスという説もありますが確証なし。船が上陸する側は断崖絶壁になっていて、断崖の細い道を登っていくバスは、今思い出しても冷や冷やもの。ガイドが冒頭で「絶対安全ですよ」と強調するほどの危険地区を走るのです。運転手が心臓麻痺でも起こしたらイチコロだなと思いながらも、私は絶景を楽しんでいました。

発掘中の遺跡見物は時間がないのでパスして、夕日のきれいなイアの街に向かいました。道路も壁もすべて白く塗られ、民宿や店の玄関先には花の入った大きな瓶。ひたすら観光客にロマンチックな夕日を楽しんでもらおうという意図が感じられる所。金もうけのためであろうと、これだけ美とロマンに満ちた空間を作り上げている島の人に脱帽です。帰国後に気づいたのですが、イアの海に沈む夕日ををバックにしたTVCMの多いこと。私もここだけでフィルムを2本使いました。しばらく滞在できる幸運に恵まれたならば、サントリーニ島に再上陸したい!!

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