アメリカ西部の旅 4
 (5月26日)


ホースシューベントとアンテロープキャニオンは、私には馴染みがなかったが、最近は大人気なのだという。有名なグランドキャニオンとモニュメントバレーの中間地点、アリゾナ州のペイジという町に近い。左地図参照。

ブライアンは「ホースシューベントは、SNSで写真を見た人が行くようになり、急に観光地になった。みやげ物屋もないし、道路標識も分かりにくいけど入場料は取られないよ」と話した。

日本でもSNSのおかげで思わぬ場所が大人気になることがあるが、同じようなものだ。コロラド川が馬蹄形に蛇行しているのでこの名がついた。

バスを降りてから歩きにくい砂地を30分ほど歩かなければならないが、蛇行した川の水の美しさと周囲の岩石がかもしだす神秘的な光景に、あちこちから歓声があがった。


 
コロラド川が馬蹄形に蛇行している
 
柵がないので怖い 自己責任で見学


アンテロープ・キャニオンは、出発前から楽しみにしていた。おもしろい写真が撮影できるというので、期待していた。CMにもよく使われている。ナバホ・ネイションというアメリカから独立している区域にあり、アメリカの国立公園にはなっていない。観光もナバホの管理下にあり、勝手には行動できない。

 
アンテロープキャニオンの入り口  PHOTO TOURS とある


 
みやげ物を売っているナバホ族の女性  みなさん体格がいい

受付で順番待ちをしている時に奇妙なことに気づいた。日本人グループは、上着と帽子とマスクで重装備。「砂が上から落ちてくることもあるので」と添乗員からくどいほど注意されたからだ。私たち夫婦は少々衣服が汚れたってどういうことない。暑いのに上着やマスクなどつけられるかと反抗していたが、ほとんどの方は重装備。

でも欧米人のグループは短パンにノースリーブだ。もちろんマスクなどしていない。ブライアンに「なぜ私たちだけこんな格好しなけりゃならないの。ブライアンの意見?」「とんでもない、僕は言わないよ。僕はこういう日本人の自主性のなさをなんとかして打ち破ってやりたいんだ。日本人はなぜマスクをしているんだと他のガイドに聞かれたから、みんな伝染病にかかっているんだよと答えたのさ」

参加しているのは、60代から70代。戦後の貧しさや不潔さを経験してきた世代だから、砂がもし口に入ったとしてもたいしたことがない。旅行会社の大げさな注意にはいつものことだがうんざりする。自己責任という大人の対応が欲しい。
受付からジープに分乗してガタガタ道を20分ほど走り、キャニオンの入り口に着いた。
このキャニオンは砂岩の侵食でできた地層である。長さ400m、深さ40m、幅8mのキャニオン。こ雨がほとんど降らないが、モンスーンの時期に降る雨水が鉄砲水のように狭い通路を流れることによって、独特の岩の通路が作られた。

 
アンテロープキャニオンの入り口
 
入り口付近は太陽がよく入る


内部は混んでいて、行き帰りの観光客がすれ違うのも大変だが、ナバホ族のガイド2人が上手に誘導してくれた。岩の隙間から太陽光が入り込むことによって、地層の輝きが増す。PHOTO TOURS とうたっているだけに、ガイドは写真撮影になれていて、おとしどころを知っている。いろいろな種類のカメラを迷いもせずに、シャッターを押していた。
いちおう写真を趣味にしている私は、ガイドには頼まなかった。何十枚も撮ったうちの6枚をどうぞ。


                                                  (2016年9月2日 記)

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