八戸のえんぶり祭りと青森屋の旅 5(最終回)
 

2020年2月20日(木)-3日目

13時50分に青森屋行のバスが出発した。雪がところどころ残る田舎道を走ること40分で到着。星野リゾートは高級と言われているが、つぶれかけた宿を再生したものは、それほどでもない。ここも三沢の古牧温泉という一軒宿を買い取って、2005年に開業した。

旅行雑誌に、ねぶたが温泉に浮かんでいる写真が載っていたので、さしたる目的もなしに、一泊することにした。青森屋がある三沢は古くは南部藩の地。ねぶたは津軽藩の青森や弘前の行事だ。南部藩と津軽藩は仲がよくなかったと聞く。嘘か真がこの感情は今でも残っているそうだ。なのに、ねぶたが館内にも庭にも置いてあった。灯りが入ると迫力があって、いい風情なのだが、なぜねぶた?の謎は残ったままだ。

 
渡り廊下を飾る金魚ねぶた

 
渡り廊下を飾る八幡馬の絵

「浮見堂の前にあるねぶたに灯りが入るときれいですよ。暗くなったら散歩してください」の勧めで人工的な湖の周囲を一周してみた。屋根や周囲に雪が残っている浮見堂とねぶたのコラボは一見の価値があった(下の写真)。

露天風呂に浮かぶねぶも風情があった。こうしてみると「なぜねぶた?」の疑問などどうでもよくなってきた。それに、宿の名前が青森屋。青森といえば「ねぶた」なのだから。

                                     <三沢の星野リゾート青森屋泊>

2月21日(金)-4日目

今日の予定は何もない。チェックアウトは12時なので朝の温泉を楽しみ、朝食をゆっくり食べ、津軽弁でのラジオ体操にも参加した。それでもまだ時間がある。何もしない旅は慣れていないのだが、持参した文庫本を読むなどゆったりと過ごした。囲炉裏サロンはだれでもくつろげる。コーヒーなど数種の飲み物や本も置いてあり、いかにものリゾートの宿だった。

午後はきのうの夜に歩いた公園を一周した。南部の曲がり屋や古民家や回廊を見たり、ポニーや馬の牧場ものぞいてみた。湖も建物も青森屋開業の時に作られたものだが、手入れも行き届いていて、子ども連れのリピーターが多いのも分かるような気がした。


 津軽三味線以外にスコップ三味線の演奏も
 
青森屋の入り口 西大門

 
浮見堂 ねぶたは夕刻に設置するらしい
 
広い園内にある渋沢大門

青森屋発15時発のバスで八戸駅へ。

八戸発15時6時16分 →はやぶさ30号→東京着 19時4分 。

東京駅到着が退社時間と重なるので、ラッシュに揉まれることを覚悟していたが、京浜東北線も大井町線も空いていた。新型コロナウイルスの影響で、時差出勤やテレワークが実施されているのだろ。青森県ではまだ患者が出ていない。それもあって、八戸も三沢でもマスク姿はほとんどいなかった。東京に戻ったとたん、マスク姿ばかりだった。私も夫もマスク姿になった。

    (2020年9月16日 記)

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