続・亭主在宅症候群 (北山田だより164号ー2001年11月ーからの抜粋と
                           掲示板に寄せられたご意見)

 亭主在宅症候群には、「たより」に掲載した時にも、今回HPにアップした際にも、本音と思われる感想がたくさん寄せられました。独り占めするのは勿体ないので、公開します。長めですが、最後までお読み下さいね。

 それぞれ立場の違う方の感想を、まとめてあります。★は男性、☆は女性。今回は、私の「ブツブツひとりごと」は、最後の締めの数行だけです。

私と同世代の女性

☆ 「ウン、ウン、ソウ、ソウ」と大きく頷きながら読みました。同感 !!

☆ わが家ではニアミスを避ける工夫を。夫が外出する貴重なひとときは、私は家に。

☆ 私の気持ちを代弁してくれてありがとう。一度大声で言ってみたかったあー。

☆ わが家も「定年後の亭主とのつきあい方が最大の課題で、老後の幸せを左右すると思っています。亭主に「してあげる意識」を「してもらう意識」に変えないと、ストレスがたまるだけです。家事分担をしていくこ事と、別々な趣味を持って違う場所で楽しむ事が、夫婦円満の秘訣では?

 夫婦としての長い歴史を大切に、ベテラン主婦の力量を発揮して自分の生活を楽しむ工夫をしています。逃れられない現実には、前向きに賢く対処していかねば、道は開けませんからね

☆ わが家は真っ最中です。でもこういう愚痴を言い合ったり、ちょっと違った方向からの意見を聞くと気持ちがスッと軽くなることがあります。言わないでお腹を膨らませていないで、誰かに発散するだけでいいのです。

☆ わが家のほやほや在宅亭主。63歳まで40年間、仕事一筋だったので、一休みだそうです。私は一休みなどしてもらいたくないけど・・。二人の生活時間のサイクルが違うので、必要な時以外別行動です。

☆ 義姉は、夫の退職を喜んでいます。いままで三ちゃん(じいちゃん、ばあちゃん、かあちゃん)農業でしたが、手伝ってもらえるようになったからです。

☆  まさしく、亭主達者で留守がいい!そのものですね。最近ゆっくり電話でおしゃべりができないのよーって言う人結構多いのよ。それとか、夫がいるときに外出し、夫が外出する日には家にいるの!なんていう猛者もいたりして・・。げに、哀れなるはおのこなりけり〜? 

 でもねー、あなたより数年門松を多く、くぐったものとして言わせてもらえば、私の友人の中には既にご主人に逝かれた人もあり、矢張り、女性の強気発言は、まだまだ若く元気だからこそ言えることと思いますよ〜。ふふ・・殊勝な事言ってますが、わが身を省みれば・・・、ご想像にお任せよ。

☆ わが家のご主人様は未だお仕事に行っててくれておりますが、帰宅時間は定刻。土曜、日曜も在宅と、若かりし頃とは別人の生活です。其れで困ったのが彼の愚痴や不満をもろにぶつけられる時間が増えた事と、私の自由時間が無くなったことです。でも、定年のご主人を持つお友達の話を聞くと<私は未だ幸せ>と思ってしまいます。

 未亡人になるのは考えただけでも寂しくて厭ですね。かといって毎日が休日だとこちらが参ってしまいそうです。「ご主人の教育をちゃんとしなかったからよ」と老後を楽しんでいる友達から言われますが、今更遅すぎますねえー。

☆ わが街も、新興住宅として開発されてから、30年近く経ちました。働きバチだった男性達は、皆定年になり、朝の犬の散歩にぞろぞろ、ラジオ体操の会も出来ています。そして、奥様たちは、お出かけもちょっと、遠慮しなければならない人もおり、逆にイライラしている人もいる様子。少しずつ、料理なども仕込んでいる人もいる。
 わたしは、まだ勤めているし、亭主が健康でないから、愚痴もいえないけど、自分なりに好きなことやつている方ほうだと思う。

10歳ほど年下の女性

☆ つくづく女に生まれてよかったと思う時代です。「天敵を持たぬ妻たち昼下がりの茶房に語る舌乾くまで」。この短歌の作者を覚えていないのですが、読んだ時に苦笑してしまいました。作者も女性です。私はいつも思っています。自分が男だったら、今の時代、反乱をおこしてやる!!!と。

☆ 実家の父は、今年80歳ですが、2〜3年前から仕事を減らし、辞めるのかと思ったら、仕事を取ると何ももなくなっちゃうからと、この7月に自分の事務所は閉じたものの、他の人の事務所に参加して毎日出勤しています。これは、やはり母にとって、家にいられると煩わしいのも大きな理由だと思います。

 姑は、実家の母よりずっと従順な妻ですが、舅が在宅でないと時は「いまお父様がいらっしゃらないから」と、電話をくれたりします。舅は、実家の父より家庭的で、仲の良い夫婦ですが、それでも家にいないと、姑はホッとするようです。私たち夫婦はどうなるのかなあ。


10歳ほど年下の男性

★ 俺も定年を迎えてしもたら、そんな風に思われるのかな。亡くなった父もいつも母と一緒にどこかに行きたがってた。母はそれを結構うとましく思ってたように思う。一人になっても母は、いつも忙しく動き回ってるもんね。成長期の日本を支えてきた男たちは哀れやね。

 バブルがはじけて成長しいひん世の中になって、その中でがんばってる俺らは、父の時代の男とは違うかな。何だかヒジョーに考えさせられました。

在宅亭主予備軍の男性

★ 私はいまのところまだ会社勤めをしていますが、「毎日が日曜日」が近くやってきます。昔から、夫婦には役割分担があり、それぞれが「山へ柴刈り」と「川へ洗濯」に行って、お互いにうまくやっていたところ、ある日、山へ行く仕事がなくなり、しかし洗濯の仕事はなくならない。そすると夫婦の力のバランスがくずれるわけです。

 自分自身の近い将来を考えますと、結婚以来、ほとんど経験していない炊事や洗濯が急に出来るとは思えません。そうはいっても、努力しなければならないことはわかっています。

「期待される在宅亭主像」のモデルはどこかにおられませんか。藤沢周平の小説の三屋清左右衛門は、藩の用人を勤めて退役、隠居生活に入りますが、現役の頃からの人脈から問題解決の相談や処理が舞い込んで、充実した老後生活を送る様子が描かれています。

 やはり退職しても、自分固有の仕事(ボランティアでも)が持てればいい。夫婦は四六時中一緒ではなく、お互いに違った活動分野を持ち、別々のスケジュールで動きたい。趣味も別々で、お互いの侵さない世界を持つ。たまに映画や旅行にいく。家事もしかるべく分担する。お互いのコミュニケーションを密にするなど、過ごし方のメニューは、いろいろ考えられそうです。

 しかし一方では、もう仕事や活動など考えず、プライドを捨てて好きなことをすればいいのにと悪魔の声が聞こえてきます。どちらが本音か自分自身わかりません。いずれにしても賢明な奥様方、どうか亭主在宅に、一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げる次第です。

★ 「亭主在宅症候群」を拝読。亭主族の「ものの哀れ」を感じ、世の奥様方に一言申し上げざるを得ません。「結婚当初の、仕事も家庭も大事にしようの志はどこへやら、厳しいノルマ社会の荒波にもまれ、家庭は二の次でした」は、まさにその通り。確かに「仕事!仕事!」と言っていれば大手を振って過ごせた安易さがあったことは、どの亭主族も少しは気持ちの中に持っていることと思います。

 あーあ、それにしても、自分達がしっかりコミュニティを作りあげていると言うことで、「濡れ落ち葉」「粗大ゴミ」は、酷すぎやしませんか。

 そこで小生から提案があります。世の奥様達にも「主婦の定年」があることを自覚して貰いたいのです。ご主人の定年が奥様の定年」として、今まで作り上げてきたコミュニティを継続するのではなく、見直すのです。それぞれの夫婦の関係によって、奥様のコミュニティを継続できる方もあれば、仕切なおして、作り直さざるを得ない方もいることになります。

 妻が夫の収入の半分を当然の権利として主張するなら、夫の定年と同時に、妻の今までの生活習慣を精算することは、至極当たり前です。そうすれば、自分の城を侵されたなどとは、思い至らないと思うのです。夫たるものも、妻の城を侵すつもりはありません。

★ いつも一緒にいらあれて嫌気がさすのは奥さんだけではありません。亭主在宅症候群は、主婦在宅症候群でもあるのです

在宅亭主の男性

★ 「在宅亭主症候群」ドキツとして読ませてもらいました。小生も、3月から在宅亭主の身となりました。女房の留守中に掛かってくる電話は苦手です。「どちらに行かれてますか?」
できれば留守電にしておきたいです。

 毎日在宅。自由な時間、中々いいですよ。傷んできた家の修繕・庭の手入れ・平日テニス・・・・それに「旅行」が混まない平日に楽しめるんですから。”感性や体の動きが保てる年代”も、あと5〜10年位と思うと毎日が貴重な時間です。
       
★ 「亭主在宅症候群」拝読。仰るとおりで、異論ございません。当方は昨年、3ヶ月近くイタリアで新婚の時にも経験のないダブルベッドの生活。それ以来すっかりペースが狂ったのか、お互い忙しく別行動に終始。少なくとも小生には、奥方のスケジュールはよく分からない状態です

★ 退職後の身の振り方をただいま研究中。文章内容に思いあたることおおありです。しかしいろいろな過ごし方や考え方があってもいいのにと、なにか独自の創造をしてみたい気持ちでもあります。

★我が家もまさに、奥様は「外様」で、今や全く攻守所を換えて・・と言うところです。掃除洗濯は、ともかく、餌が問題ですが、その気になれば、料理習って「美味いもの作り」などとも思いますが、PCライフで「やりたいこと山積み」・・かくして、インスタント食品の数々、乾麺のゆで方のみ自信がついた近況です。

 最後は?一人・・とは言え、「人は勝手なもの」・・そのことを潜在的に??意識して、今から自衛・・と言えなくも無い。

 要は、今までのペースを崩さない・・ことが肝要かと・・ならば、亭主が生活パターンを変えざるを得ない、まさに「亭主受難時代」ではありますナ!!ならば、オス本来の「孤高を保って、且つ、心豊かな黄金時代をどう構築するか・・」挑戦し甲斐のあるテーマではあります。

ご主人を亡くされた女性

☆ 「亭主在宅症候群」はたしかに私もかつてはその通りでしたが、夫が亡くなった今は、たとえ寝たきりでもいいーずっと一緒に居たかったーというのが本音です。

「亭主在宅症候群なんて羨ましい。いないのは本当に寂しいものですよ。ご主人を大事にしてあげてください」。

 しょせん「亭主在宅症候群」は幸せ病、ぜいたく病、おのろけ病かもしれません。この話題の締めとしては、このコメントにつきますね。在宅亭主のみなさま、ご安心下さいませ。

 それにしても、在宅亭主、ならびに予備軍の殿方の遠慮深い、あきらめにも似た心境は、オバサン優位の世の趨勢をひしひしと感じているからでしょうか。お人柄でしょうか。こういうへりくだったご意見を読むと、邪険にできなくなりますねえ。ホントニ。


(2003年7月16日記)

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