雲南・北部ベトナム少数民族街道の旅 8(最終回)
 ハノイへ

2007年2月18日(日)-9日目

バンフォー村 昼食後、バックハーに近い花モン族の住む村・バンフォー村を訪れた。華やかな衣裳の花モン族にはサンデーマーケットで出会っているのでお馴染みだが、村を訪問すれば、素顔が見えるかもしれない。

 田や雑木林を囲むように山が連なり、その中に小さな学校もある(左)。田には水牛、庭には放し飼いの鶏がいる。春の花も咲いている。

 きのう訪れたカットカット村やターフィン村にはしつこい物売りがいたが、ここにはそんな人はいない。子供たちも小奇麗な民族衣装を着ていた。旧正月で学校に行かないからなのか、学校にもこの姿で行くのか、聞き逃してしまった。

かつてラオカイで公務員をしていたというホーさんの家を訪れた。ホーさんは、65歳の今は年金生活者。奥さんは知的な美人だが、めずらしく写真撮影を断られた。

 ホーさんは、とうもろこしで作った蒸留酒を振舞ってくれた。「飲まないと失礼ですよ」と言われたが、途中で酒が無くなったのでホッとした。夫が言うには喉が焼けるほど強い酒。話の種に、ホーさんが造った酒を買ってきた。酒の後は、楽器演奏と踊りで歓迎してくれた。観光客がしょっちゅう訪れるので、慣れているのだろう。
 
女の子 家族連れ ホーさん
村にいるときも民族衣裳。同行の小松喜晴さん撮影。 楽しそうな家族連れ。 元公務員のホーさん。

ラオカイ経由でサパに6時ころ戻った。   <サパのチャウロンホテル 泊>

2月19日(月)−10日目

サパの風景 今日はハノイまで380キロメートルを移動するので、朝7時半にホテルを出発した。左写真は、早朝にホテルのベランダから撮影。

 移動が長いので、ガイドのラムさんが、ベトナム事情の質問に答えてくれることになった。質問がたくさん出て盛り上がっている最中に、バスがストップしてしまった。

 韓国製のバスだ。日本のバスでなくてよかったようなものだが、夫によるとエンジンの故障というより、不純物の入ったガソリンを入れているせいではないかという。真相は言わないからわからない。理由はなんであれ、何度も何度もエンストした。山道が多いから登りになると、とまってしまう。オートバイや他のバスがスイスイ抜かしていくが、誰も助けようとしない。

 代わりのバスを回すように交渉したらしいが、正月で運転手がいないのだという。予定では、ハノイ手前にあるガイドのラムさんの家に寄ることになっていた。一般家庭を訪れるチャンスはめったにないので、楽しみにしていたが、駄目になってしまった。ハノイを散策する時間もなくなってしまった。

コーヒーセット

 それどころか、夜の飛行機に間に合わない恐れもある。ほとんどの人は「ハノイのホテルに泊まればいいじゃないか」と暢気なことを言っている。メンバーには、現役の勤め人も2人いるし、私とて20日中に返事をせねばならない用事がある。

 やっと小型のバス2台が到着した。皮肉なもので、合流したとたんエンストはしなくなった。2台のバスは無駄になった。

 予定を5時間も超えて、ハノイのレストランに夜の8時ころ到着。ベトナムの旅行会社の人がレストランで待っていた。お詫びの意味でベトナムコーヒーのセット(左)を各人にプレゼントしてくれたが、そんなことで誤魔化してもらいたくないやれやれの一日だった。

 雲南省の僻地・ベトナムの僻地をめぐるこのツアーには、ここぞという観光スポットはなく悪路も多かったが、バスの故障すら、後になれば旅の思い出になる。なにより、「やらせ」がまったくない道中が気に入った。

2月20日(火)-11日目

 ハノイ発(0時25分)→成田着(6時35分) ベトナムとの時差は2時間なので、フライト時間はわずか4時間。帰りは偏西風の影響で早い。(2008年6月2日 記)

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