アテネオリンピック記念
短歌で綴るアテネとエーゲ海

 春の記憶

 アテネオリンピック目前の今、ギリシャ各地が紹介される機会も多く、4年前の旅を思い出しています。

 右は、短歌新聞社から平成16年1月に出版された歌集の表紙。短歌をたしなんでいる方は、「三宅奈緒子」という名前をご存知でしょう。女性で初めて「アララギ」の選者になり、82歳の今も「新アララギ」の重鎮として、忙しくしていらっしゃいます。

 高校2・3年時の担任でしたが、私たちが卒業後数年して、東京の女子学院に移りました。高校3年時のクラスは、宿泊をともなうクラス会をするほど仲がよく、先生も参加してくださいます。私が幹事だった6月の箱根クラス会にも、皆と同じ小田原駅に集合。「同窓会はしょっちゅうあるけれど、泊るのはこのクラスだけよ」と馴染んでくださっていることもあり、私たちは、図々しくも仲間みたいな感覚でいます。

 4番目の歌集「春の記憶」には、平成元年から13年までの810首が収められています。平成8年の項に、「エーゲ海行」た題した21首がありました。私とほとんど同じ島を巡っていることもあり、「そうそう」と頷きながら読みました。

 「ツアーでもこんなに見える海外の旅」を最初に綴ったのは「ギリシャ・エーゲ海の旅」でした。HPデビューだったので、写真の入れ具合がわからず、1ページに1から2枚。見ていただきたい写真がたくさん余っていることもあり、先生の短歌にあう写真をアップすることにしました。もちろん、掲載の許可はいただいています。

 イメージぴったりの写真がすべて揃っていないので、短歌本来の味が失われるかもしれませんが、これもご愛敬と見てくだされば幸いです。「ギリシャ・エーゲ海の旅」と1枚だけ同じ写真ですが、他は全部違います。

エーゲ海行T

  
    黄落のロンドンよりただに南下して
       機の下はるかに光るエーゲ海

 
 真夏は、北国と南国の違いをさほど感じませんが、秋は顕著ですね。秋のロンドンから南下すると、エーゲ海の光がまぶしかったことでしょう。私は機上から撮っていないので、絵はがきを借りました。夕日がきれいなことで有名なスーニオン岬です。

 スーニオン岬に行くオプショナルツアーがありましたが、参加しませんでした。真夏の場合は、ツアー催行時間内に太陽は沈まないのです。「かんかん照りで情緒がなかった」と、行った人は怒るやらがっかりするやら。
 
  そらかぎる低き岩山白く照り
     アテネの街に秋日みちたり


 2枚続けて絵はがきですが、ギリシャの山は、緑が少ないように思いました。右の遠くに見える白い山は、雪ではありません。

 ピレウス港の全景。
 
  
    ま昼まの甲板のうへ白き卓に
       紺のパラソルに人らさざめく


    海わたる夫の旅も無かりしと
       風打つ天幕の下にわがゐる


 私の場合のエーゲ海クルーズは4泊5日。ミコノス島→トルコのエフェソス→パトモス島→ロードス島→クレタ島→サントリーニ島のコースでした。

 島に降りて観光する以外は、すべて船内で過ごしました。白き卓、パラソル、さざめく人々、みんな目にした光景です。

 乗船客は欧米人がほとんどでしたが、甲板に出て甲羅干しをしたり、プールで泳いだり、南国の太陽を楽しんでいました。私は、ここまで来て泳ぐ気はないので、のんびり見物。
 
 出でし港も島々も影おぼろとなり
    流れ流るる碧き海潮


 右写真は、アテネの近郊ピレウスを出港直後に写したもの。「影おぼろ」とまではいきませんが、だんだん陸から離れていきました。

 手前はギリシャ国旗。3日目はギリシャデーという船長主催のパーティーがあり、国旗にちなんだ青と白の衣服を身につけねばなりませんでした。

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