アメリカ西部の旅8(最終回) サンディエゴ(5月28日) ラスベガスから長時間のバス移動でサンディエゴに着いた。バスが渋滞したので、すでに夕方。歩き回った港周辺は港特有の青さはなかった。 街の見物が目的ではなく、日本まで帰る空港がサンディエゴなのだ。ロスアンゼルスやサンフランシスコに比べ観光という面では不便だから、航空代金が安いのかもしれない。 サンディエゴの観光は港周辺だけだった。軍艦が浮かんでいて、ここが海軍の基地だと知った。
サンディエゴはスペイン領のメキシコに属していた。米墨戦争の結果、アメリカが獲得し1850年にカリフォルニア州の一部になった。だからカリフォルニアのいちばん南、メキシコとの国境にある。隣接しているメキシコのティファナには、40年前に買い物に行った。革製品などが格安だった記憶がある。 モルモン教 旅の間に何度も耳にした宗教はモルモン教だ。バスで走っているときに「あれがモルモン教独特の教会だ」と指差してくれたけど、写真は撮りそこなった。ネットでモルモン教の中心地ユタ州のソレトレイクの教会(左)を見たが、バスの車窓から見た白い教会と同じようなものだった。 ガイドのブライアンのお母さんが熱心な信者。彼は信者ではないと言うが、コーヒーや酒など癖になるものは飲まない、タバコも吸わないと公言しているので、信者のようなものだろう。 日本のテレビ界で一昔前にケント・デリカットやケント・ギルバートが一世を風靡したが、彼らはモルモン教の宣教師だった。 ブライアンは「モルモン教は1830年にジョセフ・スミスが創始。プロテスタントに近い。アメリカには約800もの宗教があるが、その中で信者数は6番目。ユダヤ教徒とほぼ同数だよ」と説明した。 ユタ州の約90%がモルモン教徒だという。私はソルトレイクには行ったことがないが、人口のほとんどがモルモン信者地はどんな雰囲気なのだろう。「ユタ州には黒人はいるの」と聞いたら「ほとんどいない。80%以上が白人、13%がヒスパニック、2%がアジア人。日系の収容所があったから日本人も多いよ」とのこと。黒人が多い南部の州との違いを肌で感じてみたい。 収容所があった事とは無関係だと思うが、彼の最初の奥さんは日本人。2度目の奥さんも日本人。その彼女とも離婚して小学生2人は彼が親権を持っている。でも子ども達はしょっちゅう母親のところにも行っていて、今年の夏休みは母のふるさと日本で過ごすそうだ。あっけらかんとしたものだ。 もともとブライアンは大学生のときに学費稼ぎに日本に来て、大学で学んだ日本語に磨きをかけた。その後も日本で会計関係の仕事をしていただけに、並みの日本人以上に日本語の語彙が豊富だ。 今回の旅でいちばん印象に残ったのはブライアンの口から出る「アメリカの素顔」だった。話が豊富で面白い人だった。もちろん彼の考えはアメリカ人の一部にすぎないのだが。 「ユタ州は過ごしやすいよ。カリフォルニアやニューヨークでは年収が1000万円ないと暮らしにくいが、ユタでは400万もあれば十分。人種差別もないし犯罪も少ない。環境もいい。ボランティアのネットワークもある」と満足げ。 写真撮影(左)や説明などガイドの仕事も手を抜かず、食事時の飲み物サービスもするので「添乗員は楽だね。何もしない」という声が出た。万一アメリカに再訪するチャンスがあったら彼の車で個人旅行をしたい。費用はいかほどなのだろうか。 (2018年11月2日 記) 感想・要望をどうぞ→ アメリカ西部の旅1へ ホームへ |