アメリカ西部の旅  


2018年5月22日(火)〜30日(水) 


ハリウッドとヨセミテ公園 
マリポサグローブとキングスキャニオン国立公園とセコイア国立公園
ルート66
ホースシューベントとアンテロープキャニオン
モニュメントバレーとナバホ・ネイション
グランドキャニオン
ラスベガス
サンディエゴとモルモン教


アメリカ西部の旅 1 
 
40年ほど前の夏、1ヶ月ほどカリフォルニア州のサンフランシスコに近いナパという田舎町に滞在していたことがある。今はワインの名所として日本でも知られているが、当時はその名を知る人は少なかった。パイロットの義弟がそこで訓練生の教官をしていた。初めてのアメリカだったし、印象に残ることは多々あったが、義弟の車で行ったヨセミテ公園には再訪したい気持ちを持ち続けていた。

そのヨセミテの写真が、旅行会社が送ってきた新聞紙大のパンフレットに大きく載っているではないか。旅のタイトルは「アメリカ大西部感動の旅−4つの国立公園と7つの絶景めぐり-」だった。4年前に行ったアメリカ横断の訪問地と3分の1ぐらいはだぶるけれど、夫が見ていないヨセミテを自慢したい気持ちもあって参加することにした。4年前の旅では旅程も詳細に残しているので、今回は簡単に書くつもりだ。訪問順。

ハリウッドとヨセミテ公園

ハリウッド(5月22日)

物心がついた頃、映画といえばハリウッドだった。いっときは外国映画ならなんでも見たいという時期があり、ハリウッドスターの名前はたくさん知っている。そのスターの手形と足型があるハリウッドへの憧れは強かった。でも4年前に訪れたそこは、夢見ていたのとは違い「こんなものか」と思った。でも200人以上のモニュメントがあるから、じっくり見れば面白いに違いないが、前回も今回もハリウッド滞在はわずか1時間、見学場所もほぼ同じだから惰性で前回と同じような写真を写した。

足型があるチャイニーズ・シアター前の広場は相変わらず混雑している。ミッキーマウスや映画の主人公のぬいぐるみが歩いている。足型手形の敷石以外に、路上にスターの名が入った星型もある。マイケルジャクソンなどお目当てのスターの名を見つけて、いとしそうに嬉しそうになでている若者もいて50年前の自分を見ているようだった。

 
いまだに人気があるマリリンモンロー(1962年没)

 
華やかだったエリザベステーラー(2011年没)
 
ミッキーやミニーもお散歩

 
マイケルジャクソンの星型の前で

チャイニーズ・シアターだが中国人が建てたわけではない。外観が中国風ということから呼ばれている。アカデミー賞授賞式も行われたことがあり、映画の初演が上映される劇場だ。今のアカデミー賞受賞はドルビーシアターで行われる。ドルビーシアターは、隣にあるハリウッド&ハイランドという複合アミューズメントシアターの一角にある。中を見たかったけれどガイドツアーでしか見られないし、時間もない。

 
チャイニーズシアター 中国人とは無関係

 
ハリウッド&ハイランドという複合施設
 
HOLLY WOODの白い文字 ハリウッドの人気スポット

ハイランドの広場の噴水


山腹にあるHOLLY WOODの字が見えるのは、このハイランドの3階からだ。ウイークデーの昼間なのに、ここも大勢の観光客であふれていた。

ふと沸いた疑問「なぜハリウッドが映画産業の中心になったのだろう」をガイドのブライアンに聞いてみた。「最初にハリウッドにスタジオができたのは1911年。その年にいくつもできたようだよ。当時のアメリカ経済の中心は東海岸。でも東海岸の天気は映画撮影に適してない。今のようにフィルムの感度がよくないから、気候のよいカリフォルニアに移ってきたわけ」と答えは明快だった。ハリウッドにスタジオが初めてできてから100年しか経ってないのだ。

ヨセミテ公園(5月23日)

アメリカには国立公園が59もある。今回の旅ではそのうちの4ヶ所を訪ねる。ブライアンは、「入場者がいちばん多いのは、グレートスモーキー・マウンテンズ、2位がグランドキャニオン、3位がヨセミテです。グレートスモーキーは日本人に知られていませんが、東部にあります。人口が多い地域にあるので訪れる人が多い。人気度ではグランドキャニオンとヨセミテがダントツ」と説明してくれた。

日本の国立公園は入園料を取らないが、アメリカでは入園料が必要だ(左)。だから訪問者の数が把握できる。ツアーバスの場合は人数をガイドが申告する。ブライアンは「中国人は人数を誤魔化すんだよ。日本のバスは疑われないけど」と、中国人観光客に辟易しているようだ。

40年前にヨセミテに行った時、景観にひかれたのはもちろんだが、日本のようにけばけばしい広告やランダムに建っているホテルやみやげ物屋がないことが心底羨ましかった。もちろんゴミも散らばっていない。馬に乗っている専門のレンジャーもいた。凛としていてカッコいいなと思った。こういうスタンスは今も健在で自然景観の維持につとめ、たとえ木が倒れてもそのままにしておくそうだ。レストランや売店や教会も許可を得た施設だけ。色合いも茶色や緑色が主体で自然に溶け込んでいる。

前日の天気予報では「雨ときどき雷」。景色を見るのが目的なのに天気が悪かったらどうしようもないと暗い気持ちになったが、結果的には快晴とはいかないが、降られることはなかった。アメリカの天気予報の精度はこんなものだ。



バスがトンネルを抜けると視界が開けた。公園の絶景を一望できるトンネルビューという展望台。花崗岩の一枚岩では世界最大のエルキャピタン(2307m)やブライダルベール滝。しぶきが花嫁のベールのように広がっているからの命名だ。遠くにハーフドームも見える。


上の写真はグレーシャーポイントで40年前に撮ったハーフドーム。今回は行ってない。左から私、母、娘。

 
ヨセミテの説明を一生懸命してくれたガイドのブライアン
太っていることを気にしている


 ハーフドームとマーセド川をスケッチ
絵のグループでコロラド州から来ている
 
2段になっているヨセミテ滝
 
40年前に水遊びしたマーセド川 左にいるのが息子

昼食をはさんでヨセミテ滝やハーフドームを遠目に見ながら散策したが、パンフレットに載っている動物・鳥を目にすることはなかった。観光客がぞろぞろ歩いているところには出てこない。40年前に来たときはロッジに泊まり、妹一家や父母ともども川遊びやハイキングやバーベキューをした。子どもたちには良い思い出を残してやれたかなと思う。
    (2018年7月16日 記)

感想・要望をどうぞ→
次(マリポサグローブとキングスキャニオン国立公園とセコイア国立公園)へ
ホームへ