スリランカの旅6(最終回)
 

2015年9月2日(水)3日(木)-10日目11日目

11時半の出発まで、ほぼ半日がフリータイムだ。ホテルから徒歩1分の鉄道駅(左)に行ってみた。

駅名はホテル名と同じマウント・ラヴィニアである。ホテルのために作った駅のようだ。駅の作りは日本とそっくり。日本の田舎駅は今もこんな雰囲気を残している。日本とスリランカが似ているというより、両方ともイギリスの鉄道の影響を受けているからだろう。

マティスさんは「鉄道を引いたのも紅茶の栽培を指導してくれたのもイギリス。植民地時代は嫌なこともあったと思うが、イギリスのおかげで発展したこともたくさんあります」とイギリスに感謝している。どこぞの国のように反日を幼少時から吹き込むような反英教育は受けなかったのだと思う。

ここのプライベートビーチは2日目の朝に散歩したニゴンボのビーチより垢抜けしているが、早いせいか人がいない。常に写真になりそうなショットを探している私には物足りないビーチだ。仮のステージを組み立てている人がいたので「何を作っているの」と聞いたら10時過ぎからここで結婚式をすると言う。

又来ることを約束して、ホテルに戻った。なんとホテルのロビーや庭は結婚のカップルや付添の人であふれていた。専属カメラマンの求めに応じてカメラに納まっている。あるカップルに聞いたところ「ここは高いので、披露宴は別な所でする。今は記念写真を撮影してる」ということだ。花嫁は白いドレスではなく、ベージュ色。想像するに白いドレスは寺詣りの時の正装なので、区別しているのではなかろうか。

 
ホテルのロビーで記念撮影
 
ホテルの敷地で記念撮影



ビーチに戻って結婚式を遠巻きに眺めた。参列している人は「これが普通のスリランカの結婚式」と教えてくれたが、式をリードしているのはどうみても坊さんではない。白い胴衣を着ている。後でマティスさんに写真を見せて聞いたら「ああこの人は占星師です。スリランカでは結婚の相手も星占いで決めるからね」と言う。「籍は木曜日に入れますが、パーティは土日にします。満月の日だと酒が飲めないのでパーティをしません」と説明は続く。今日は木曜でもないし土日でもない。撮影日和なのだろうか。

 
ビーチで結婚式 占星師が立ち合い
 
結婚式に出ていた美少女



このホテルのロビーだけで4組のカップルや家族がいたが、誰もが着飾っていて裕福そうだ。特に女の子はおそろいのベージュ色のワンピースを着ていてキュート。どの階層の人なのかよく分からないのが残念と言えば残念だった。スリランカにもカースト制はあるが、インドのように厳格ではないらしい。でもタミル人やイスラム人は一般的に下に見られている。

ホテルを出てコロンボ市内(スリランカの旅1の地図参照)に向かった。昼食後、国立博物館へ。今まで回ってきた遺跡の写真や出土品が展示されていて、きちんとした説明を聞きながらゆっくり回りたかった。マティスさんは「これも見ましたね。ここも行きましたね」で終わってしまうから物足りない。私が印象に残ったのは、キャンディ時代の玉座。王権が想像できる豪華なものだ。ココナツで作られた道具やアクセサリーの展示も興味深かった。ココナツは実はもちろん葉も樹木もすべて利用する。以前ならココナツ製の道具を買ったと思うが今は何もいらない。

 
象牙製品
 
ココナツの実で作った製品

キャンディ時代の王座

 

次はコロンボ駅前に広がるペター地区を歩いた。靴や鞄や衣類を売る小さな商店街が続く。混み合っているし埃っぽいし、先頭はどんどん行ってしまうので品物を吟味する気にもなれない。活気を肌で感じる事はできた。

次はこの国の首都を車窓見学。行政上の首都はコロンボではなく、スリー・ジャヤワルダナプラという絶対に覚えられない地名。スリランカでは5年毎の総選挙が終わったばかりで、今日は初登庁の日だったので周辺は車で混雑していた。湖の中に議事堂がある。防衛のためにはいいかもしれない。統一国民党(緑)とスリランカ自由党(青)の2大政党があり、選挙では緑の国民党が勝利した。選挙選の名残か、スリランカに着いた日から緑や青の旗をたくさん見かけた。支持する場合は自宅にも旗を飾ったりするそうだ。この国は民主的なのかもしれない。

ゴチャゴチャした所を自由に歩き回るのが好きなので、昨日の宿泊はコロンボ市内にして欲しかったが、お任せコースを選ぶ自分が悪い。コロンボ見学は実におざなりで終わり、次は高速道路北上してニゴンボに向かった。時計まわりでスリランカをほぼ1周してきた旅は、1日目の宿泊地ニゴンボスリランカの旅1の地図参照)に戻ってきた。


 
ニゴンボ漁港のモニュメント

 
果物は豊富

 暑い国なのでサンダル屋は多い


干し魚の山積み
 

ここは漁業の町でもありキリスト教徒が多く住む町。教会が多いのでリトルローマとも呼ばれるらしいが、ローマの片鱗もない。中に入った教会もオランダの新教の教会。運河があるとはいえ、コロンボと同じゴチャゴチャした町だ。トウクトウクやオートバイが行き交い活気はある。市場に並んでいる果物も野菜も豊富だ。漁業の町だけに魚の種類も多い。エビを山盛りで売っていたが、ツアー中は一度もエビ料理に出会えなかった。宗教上の理由があるのかもしれない。

スリランカ人の寿命は女性が79歳、男性が75歳。後進国にしては高いのではないだろうか。食べ物が豊富なのが一因かもしれない。国立の病院が無料なので医者にかかりやすいこともあるだろう。

早い夕食後、空港に向かった。

コロンボ発(23時30分)→スリランカ航空で成田着(9月3日(木)11時50分)

         (2017年3月2日 記)

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