北京の旅 6
天安門広場と故宮

 2年に1度と決めた「歩く会」海外の旅が、たまたま「中華人民共和国建国50周年の国慶節」にあたってしまいました。10月1日成田発で旅程を組みましたが、「名所が閉鎖になるおそれ」の情報を得て、半月ほど延期。それでも天安門広場には、50周年の名残の赤い横断幕がかかり、お祭りムード一色。街は、化粧直しが終わったばかりの清潔さと、ちぐはぐさを兼ね備えていました。

 天安門広場には何度も足を運びました。朝と昼と夕方と違う顔を見せながらも、それぞれが魅力的で、規模の大きさに圧倒されっぱなし。100万人が集会できる広場は、もちろん世界一の広さです。

 建物の壁面を染めながら、急速に落ちていく夕陽の大きかったこと。感動を写真に撮りましたが、ISO100のフィルムしか持っていなかったので、ご覧のとおりのまずい出来映え。雰囲気だけでも味わってください。

 「天安門」に面しているから天安門広場と呼ばれていますが、門そのものに登る人はわずか。私たちは、「登上天安門城楼 特発此証」なる証書をもらい、式典2週間後の門の上に立ちました。1949年10月1日、毛沢東、周恩来、宋慶齢(宋家の3姉妹の次女・孫文夫人)らが中華人民共和国成立を、高らかに誇らしげに宣言した所。革命に成功した上層部と、広場を埋めつくした人民の一体感と熱気が伝わってくるかのようでした。

 天安門広場は、革命成功の晴れやかな舞台だけでなく、中国現代史のエポックには必ず登場しています。1966年の紅衛兵大集会、1989年の民主化要求運動家に対する武力鎮圧・・。戦車で威圧した10年前の「天安門事件」の恐ろしい場面を、いやでも思い出してしまいました。私たちが何度も目にした映像を、中国の人達は見ていないそうです。今に至っても。

 天安門の奥に、今は故宮博物院と呼ばれている明や清時代の皇帝の住まい、紫禁城があります。北京で半日しか時間がとれない場合でも、故宮だけは・・の名所。面積は72万u、部屋数は約9000。

 道をへだてた景山公園の頂上から全体を見渡すと、オレンジ色の甍が幾重にも重なり、その広さと均整のとれた建物の美しさに感嘆するしかありません。博物院の中を歩くだけでは、水堀や壁で囲まれていることに気づきませんが、上から眺めると、堀・城壁・建物が一体になっていて壮観。

 博物院の中はたっぷり2時間の見学。前回も今回も説明を聞き流していたので、詳細は覚えていませんが、こんなに広い宮殿は見たことがありません。でも展示品は、台北の故宮に比べ見劣り。台湾に逃げた蒋介石が、良い物は持ち出してしまったからです。紫禁城をいろどる野外の動物彫刻でもごらんください。獅子と龍、鶴、亀はそこかしこ。











 


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