7回 青森のねぶた祭りは、日経が調査した「行ってみたい夏祭り」で1位だ。ちなみに2位は仙台七夕祭り、3位は徳島の阿波おどり、4位が弘前のねぷた祭り。 今年の4月に弘前を訪れた時に、「ねぷた村」で、ねぷたを見た。7月の青森は、本番の祭り2週間前で、ねぶた一色。東北に生まれ育ったのに、「ねぶた」も「ねぷた」も見たことがなかった。祭りに参加している一体感は味わえないが、飾りものだけでも、良しとせねば。 弘前の「ねぷた」は、扇形に、武者や昔話が描かれ、素朴で優しげな風情がある。 青森の「ねぶた」は、武者や動物の姿が勇壮である。そのものをかたどるので、複雑で手間がかかっている。 左の写真は、青森の「ねぶたの里」で撮ったもの。過去の受賞作品のひとつだが、針金で骨格を作り、紙を貼り、彩色してある。 かけ声も違うらしい。青森のは「ラッセーラー、ラッセーラ」、弘前は「 ヤーヤドー」。単に、「ぶ」と「ぷ」の違いだけではないのだ。弘前の人は「ねぷたに近寄れるから、弘前をお勧め」、青森の人は「そりゃ青森だよ」。たぶん両方とも良いのだろう。民衆に根付いた祭りに、優劣をつけるのは、ヘンだもんな。 さて、銅像めぐりの6回目は「ねぶた観音」。前回「棟方志功」の続きなので、7月18日。同行者はKちゃん。 夜の8時まで「ねぶたの里」が開いていると聞き、6時頃行ってみれば、人っ子ひとりいない。おまけに市内からだいぶ離れた山中にある。ねぶた会館では、運行の実演が見られるはずだが、終演時間はとうに終わっている。 Kちゃんと私は、その割に入場料が高い(630円)ことに唖然としてしまった。郊外ゆえに、バス代も往復740円もする。こんなことでメゲル私たちではないので、これを笑いの種にして、森閑としたヒバ林を散歩。「夕暮れの空がきれいだねえ」など、ねぶたに関係ないことをつぶやきながら。 「ねぶた観音」なるものを見つけたので、銅像ウオッチャーには、これだけでも無駄にならなかったわけだ。台座に、ねぶたが彫刻されているが、安易に観音様を作っても、お釈迦サマはお許し下さるのだろうか。 神様、観音様は、私たちを見捨てはしなかった。この時の損を帳消し出来る見学場所があった。青森埠頭に建つ21の「ねぶた小屋」である。 5月に小屋を作り、数ヶ月かけて、順に製作していくのだ。 19日の夜と、20日の昼に見学したが、写真はいずれも夜に撮ったもの。豆電球がともり、夜の方がきれいだ。 左上は、紙が貼り終わる前の段階。内部の豆電球と、針金が見える。右上のものは、すでに白い紙を張り終えている。 左は、ろう描きが終わり、黒い縁取り作業に大勢で取り組んでいる。 もちろん彩色に専念している小屋もあった。小屋によって、完成度がだいぶ違うが、この時点では、本番まで2週間以上。充分間に合うそうだ。 大型ねぶたを作る21の団体があるので、21の小屋がある。小屋ごとに、企業名や団体名がついている。 すべての小屋が、気持ちよく見せてくれるわけではない。拒否された企業を公表してもいいが、芸術家の気持ちも理解できる。止しておこう。 (2003年7月25日記) 私がいちばん気に入っているメルマガは、天才キットの「1日1枚 お散歩デジカメ」。キット氏はプロのカメラマンだが、おもちゃデジカメで撮った作品を、毎日配信している。読者写真を無料で講評する「投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー」も、7月半ばに登場した。 プロのカメラマンにけなしてもらえるなど、めったにないチャンス。「キットの気が変わらないうちに、講評してもらわなくっちゃ」と、制作中のねぶた・トラの写真(右上)を、21日に送った。10日遅れ(投稿写真がたまっているので、10日遅れは当然)の今日、7月30日のメルマガに、次のコメントが寄せられた。 お見事です、文句のつけようがありません。濃淡のグラデーションと、骨組みの針金が立体感を与えています。まだ彩色されておらず、眼玉も描いてない状態なので、余計に虎の迫力が強調されているように感じます。あえて一言述べるなら、ちょっとコントラストが柔らかすぎるように感じます。 けちょんけちょんにけなされていないのは、物足りなくもあり、嬉しくもあり、気持ち悪くもあり。メルマガは、天才キットのフォトギャラリーの中で、登録できる。デジカメ写真が上手になりたい人は、必見。 (2003年7月30日記) 感想を書いてくださると、嬉しいな→ 銅像めぐり1へ 次へ ホームへ |