フランスの旅 2 
 モンサンミシェル

2012年7月12日-2日目

車中で降り出した雨は、モンサンミッシェルに着いても降り止まない。ライトアップの夜景がきれいだ聞き、夕食後に雨の中を繰り出した。わずかな距離だが、暗闇の雨の中を歩く気にはなれない。シャトルバスが麓まで運んでくれた。

明日も見学することになっているが、夜は観光客が少ないし、雨に濡れた石畳も風情があり良い散歩になった。ライトアップは出し惜しみでもするかのように、ライトがあたる場所が少しずつ増える。光の具合が変わるので、とうとう夜の11時ころまで眺めていた。

城壁 石畳み モンサンミシェル夜景
 
坂道を登りながらふと後ろを
振り返ると海が見える

 
雨に濡れた
石畳も風情がある


夜11時頃の
モンサンミシェル全景

 

モンサンミッシェルに個人的には思い入れはなかったが、「行ってみたい世界遺産」のアンケートでは必ず上位に入る。でも「江ノ島のようなところよ」という人も数人いる。なるほど江ノ島に似ていないこともない。江ノ島も階段を上るに連れ次々と寺社がある。下の方にレストランや土産物屋が連なっている点も同じだ。

でも実際に訪れたモンサンミッシェルは、城砦に囲まれた修道院が気高くそびえ、トータルとして江の島より魅力がある。ここには修道院もあるし、イギリスとの100年戦争でも侵略されなかったほどの完璧な城砦もある。江ノ島と同じという感想を持った人は、ここの地区に泊まらずに、日帰りで訪れたからかもしれない。

<モンサンミッシェルのメルキュール泊>

7月13日(金)-3日目

昨日の雨が嘘のように晴れ上がった。でも天気予報によれば、今日も天気は安定せず晴天は15日以降だという。あとになってみると、この予報はあたっていた。

出発前にホテル付近を散歩して、昨夜とは一味違うモンサンミッシェルの遠景を眺めた。渚と教会と青空のコントラストが、今でも脳裏にある。


朝のモンサンミシェル モンサンミシェルの眼下 ステンドグラス
 
雨が降りやんだ
朝のモンサンミシェル
印象的な光景

 
眼下に見える渚
下を歩いているのは
巡礼者だろうか

 
修道院にあるステンドグラス
模様は香油の入れ物と
帆立貝


9時半から11時半まで、現地ガイドと一緒に見学した。モンサンミシェルの、モンは山、サンは聖、ミシェルはミカエルの意味なので、聖ミカエルの山ということになる。

「島の頂上に礼拝堂を作りなさい」と大天使ミカエルからお告げを受けたノルマンディーの大司教が、708年に礼拝堂を作ったことに始まる。修道院の頂上にミカエルの像があるのはこのためだ。15世紀後半に今の形になり、巡礼者がたくさん訪れるようになった。

「満潮時には島に行けない」と聞いたような気がしたが、それは100年以上前の話であって、1870年に道路を作ってからは満潮も干潮も関係ない。自然現象を損なうような道路はよくないということで、現在は橋を建設中だ。

階段を登っていくと、修道院の入口に着く。ここからは有料なので昨夜は引き返した。修道院自体は、あちこちで見ているのと変わりはないが、海や対岸がこんなにもきれいに見える修道院はめったにない。昔の巡礼者は引き潮の時をねらって、歩いて到達したのだと思う。感激の度合いが違うだろう。

昼食は名物のオムレツ(左)。お腹をすかした巡礼者に振舞おうと1個の卵から巨大なオムレツを作り上げたことが始まりだという。どう考えても安上がりの食事だ。泡ばかりのオムレツなど1回食べればたくさんだ。

トウール駅午後はトイレ休憩をはさみ、4時間以上バスに乗って、トゥールフランスの旅1の地図参照)に移動。疲れをとるには心地よいお昼寝タイムだ。トゥールのホテルに到着後、夕食まで2時間ほど自由時間があった。

街をぶらついていたら鉄道の駅があった。ヨーロッパの鉄道は改札口がないので、自由にプラットホーム(左)に入ることができる。旅行者を眺めているだけで楽しい。駅の設計者がパリのオルセー駅(今は美術館)と同じだと聞いたが、なるほどよく似ている。
                <トゥールのメルキュール泊>

       (2013年8月2日 記)

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