ブツブツひとりごと

 続・万世一系???

 「万世一系???」について、ブツブツ言ったばかりの2週間後に、「紀子さま御懐妊」が明らかになりました。そして2月10日、小泉首相は皇室典範改正提出を見送る方針を表明。御懐妊のニュースだけで、かくも簡単に回避されるほど、軽々しい改正案だったという事ですね。

 「万世一系???」に、いろいろなご意見を掲示板やDMにいただきました。DMの方には、掲載の了承をもらっています。1通以外は、「ご懐妊」が分かる前のものですが、お読みください。★は男性、☆は女性。お寄せ下さった方の正確な年齢はわかりませんが、私が想像している年齢順です。ピンク色はHARUKOのコメント。

天皇制についてのご意見を拝聴して、私の感想を述べなくてはなりません。ご承知のように皇国史観で育った戦前派、そのなかでも国家主義の学校でした。結論から、申しあげると、天皇制は、床の間のようものと思います。和風建築の家には床の間があるが、洋風建築やマンションになると床の間がない。

 戦前は、ほとんどの家には神棚があったが、戦後は消えましたね。床の間も、洋風建築になって消えれば、それでよい。なにも固執することもないし、時代の趨勢に従えばよい。

 天皇制はその程度のものと思います。床の間は飾りでしかないと思う人と、それがないと家の中心がなく、なんとなく締まらないと考える人もいるでしょう。それは、住む人の自由です。国の象徴、シンボルといっているが、いまの日本に国家イデオロギーなどなく、強いていえば「無用の用」くらいかなと考えます。

 「天皇陛下、万歳」と叫んで戦死したというのは、軍部の作り話でしょう。「おかあさん」と叫んでも、職業軍人でない限り「天皇陛下」など口にしない。私も国家主義的な学校を出て、国家のために命を捨てることは惜しまなかったが、天皇陛下のためとは一度も考えたことがありませんでした。

 降伏するときの条件に「国体の護持」を真っ先にあげ、占領軍も了承したが、いま国体といえば、国民体育会のことしか考えられない。まして、「万世一系」など、信じている人はいないでしよう。 

 ただ、日本の政治家の貧困ぶりをみると、天皇制を廃止した場合、かなりの混乱がおきる。政治的には国民の意識も近代国家として熟成されていない。政教分離を明確にしておけば、天皇制がある程度、国の重石の役割を果している面もやむを得ない、そんな風に考えることもあります。

 不真面目なように聞こえるかも知れませんが、天皇制の犠牲になったわれわれ世代には、天皇制の議論などしたくないという思いが共通しています。

天皇制の議論などしたくない・・とおっしゃっているのに、書いてくださって感謝ですわ。皇国史観で育った方のお考えを知りたいと、いつも思っていました。天皇陛下万歳と叫んで死んでいった話はウソだったと、いろいろな方から聞いています。天皇制床の間論。なるほど!(HARUKO)

 ★天皇制といえば、いま国会で皇室典範改正でもめていますね。小泉首相は「自分でなければできない」と気張るのは完全な自信過剰。最近の彼はおかしい。髭の殿下に「もう黙っていなさい」といわんばかりの朝日の社説、変わり者宮様にも困ったものです。ああいう形で皇室が口をはさむのは危険で、戦争の二の舞になるおそれもある。皇室典範の改正をなぜ急ぐのか、理解できません。

皇室典範改正を急ぐ理由がわからない・・は、友人の多くが言っています。結果的に、ご破算になりましたが、何か政治的思惑でもあったのでしょうか。(HARUKO)

皇室典範の改正に、強気の小泉首相も秋篠宮妃殿下の懐妊で、軟化しましたね。それだけ天皇制への執着が政治家に強いのでしょうが、果たして一般の国民は、それほど拘りがあるとは思えません。世界的に女王は多いし、女性天皇でもおかしくない。もし、また女の子だったら、議論の蒸し返しになるのはおかしい。男の子だったら、皇室典範は改正しないというのは、でたとこ勝負といった感じで、むしろ皇室をないがしろにするものでしょう。

私の周囲にいる人で、天皇制へ執着を持っている人は、ほとんどいません。天皇制は日本の文化だから、やっぱり存続した方がいいと考える人もいますが。(HARUKO)

民間から選ばれたお妃様は、これからも悲劇でしょう。昨年の暮れに、皇室(皇居かもしれない)という番組の再放送を見て驚きました。天皇の日課になっているしきたりが、まだこんな重々しで行われているのかと。まったく形式的な行事。こんな中に入られた美智子さま、雅子さまはどんなに辛い思いをしていらっしゃるでしょう。皇室の制度がくずれない限り、悲劇は繰り返されるのではないでしょうか。

しきたりを重々しいと考えるか、伝統は重んじるべきだと考えるか、それぞれだと思いますが、お二人がご病気になった事実は、重く受けとめなければならないですね。(HARUKO)

私もHARUKOさんの意見に賛成です。終戦になったとき、アメリカは、日本人社会を見て、この国から天皇制をとりあげたら、その後の統治がやりにくくなると考えたそうよ。 戦争に負けたとはいえ、一部を除いて、あの頃は天皇絶対!の考えがまだ国内に充満していましたからね。現在の雅子様は本当にお気の毒です。美智子様のときから40年も経っているというのに宮内庁の中は一体どうなっているのでしょう。国民感情から全く遊離していませんか?有識者ですら、タブーに踏み込まない天皇制って一体なーに?

戦争で負けたときに、天皇制は無くすべきだったと言う識者もいますね。象徴という曖昧な立場に位置づけられた天皇陛下は、考えようによっては、お気の毒だと思います。(HARUKO)

★私が思うに、皇室は畏れ多い所。国民はこぞって 天皇を 仰ぎ奉って現在に至っています。間違いありません。 日本は 万世一系の天皇が居られるので畏れ多い国です。

 そんな日本の長い歴史を眺めてみると、不遜ながら、蟻や蜂が作る「昆虫社会」に似ている-----との見方もあります。蟻や蜂の社会とは、一匹の女帝と 小数のオスのために、 多数のメスが 死ぬ迄せっせと働いて貢ぐ万世一系の社会。そのあたりが日本的社会に似ていると見られるのでしょうか。

 ただ、女帝といえども いずれ次に控えている自らが生んだ女帝候補と闘わねばなりません。負けた方はどうなるの?。部下のメスに担がれて 生きたまま巣からポイ捨てされる運命。----酷い仕打ち。永続的に安泰でありながら残酷な社会です。.

 一方、昆虫社会でもない人間社会なのに、現在「賢所(かしこどころ)」には、 ポイ捨てされそうな、そんな お方が おられると専らの話ではありませんか。しもじもと違って一億人の目が いや応なしに注がれるだけに辛いですねえ。


皇室が、蟻や蜂が作る「昆虫社会」に似ている・・などと言ったら、戦前なら「首に縄」でしょうか。どうか雅子さまがポイ捨てだけはされませんように。ご自分の意志で、出て行かれるなら、それはそれで。(HARUKO)

HARUKOさんのひとりごと、論旨が非常に明解で理解しやすく、私もほぼ同じ考えをもっています。
ただ、政府から委嘱された「有識者会議」が天皇制の是非そのものを議論するはずがないし、また、表立ってそれを声高に議論する風潮のない現状をとやかく言う気力もないというのが正直なところです。
それを前提としての話として、私は「有識者会議」の答申に賛成しています。この場合、男女は同じであっていい、という考えからです。


どうやら答申案は、棚上げですね。ご懐妊のニュースだけで、ご破算になってしまうなんて、ずいぶん軽々しいと思いませんか。(HARUKO)

まったくおっしゃるとおりで同感です!天皇制にいちゃもんをつけるのは,勇気がいりますが,でも戦後民主主義になった以上,天皇制も民衆の納得の上にその存在価値を見出さなければ行けないのではないでしょうか!

 女性を子供を生むための道具にしかみていない,宮内庁など全部入れ替えですよ!天皇のしきたりを守り受けつがなくったって,そんな事はどうでもいいですよ!昔の観念やしきたりがなくっても,現在の国民に親しまれ理解される天皇制で一向に構わない!古いしきたりなどは京都時代祭りに任せればいいのです。


京都の時代祭に任せればいい・・に笑ってしまいましたが、伝統を「祭り」の中に残すというのは、多々あることで、これってほんとにグッドアイディアです。(HARUKO)

小泉首相がなぜ自分の任期中に、皇室典範改正を急いでいるのか、わかりませんね。在任中に名を残したいのかしら。子供が生まれないからと、養子をもらった後に、自分の子供が生まれた例は、たくさんありますよね。秀吉などは、息子が生まれたあとに、養子を殺していますし。こんなゴタゴタが起こらないとは言い切れないと思います。もうちょっとゆっくり審議してと言いたいです。

おっしゃる通りに、審議は先延ばしというか、ご破算になりましたね。でも秋篠宮の第3子が女の子だったら、又この議論を蒸し返すのかしら。(HARUKO)

「歴史のなかの天皇」吉田孝著、岩波新書、1月20日刊、819円、248P。

上記の一節に「江戸時代の後期に、「天皇」号が復活してくるが、一般化はしなかった。明治憲法の成立過程にも、「皇帝」号を用いる草案がたくさんつくられている。じつは日本の君主号が正式に「天皇」と規定されたのは、明治憲法は最初であり、一般には「天子」がひろく用いられていたのである。

 しかも、中世・近世を通じて公家・武家と同じように「○○院」とよんでいた過去の天皇を、すべて「○○天皇」とよび変えたのは、やっと1925年(大正14)であり(たとえば、後花園院は後花園天皇となる)、外交文書の「皇帝」を「天皇」と変えたのは、なんと1936年(昭和11)まで下がる。「天皇」号の強調は、近代の歴史とも深くかかわっていた。」

 古代から近代までの天皇についての考察は、新書版ではなかなかつらいものがあったのではと拝察しましたが、まとまり良く、目がうろこの記述がありました。


面白そうな本ですね。まだ読んでいないのですが、「天皇」号の強調は、近代の歴史と深くかかわっていた・・には、考えさせられます。(HARUKO)

 ☆ある意味日本一の旧家へ嫁いだ雅子様。なんだか、女王蜂になれとばかりの言われたかされていますね。と・継ぐってことなのかしらね?嫁ぐと結婚という意味が違う?

 結婚して6年子供ができませんでしたが、帰省するたびにその視線は痛いほどでした。遠回しに、「今は二人仲良くいればそれでいい時代になった。子はおらんでも、仲良うしてくれればそれでえぇ」。そして決まって最後に付け足された一言。「昔は嫁いで3年子がおらんやったら離縁されたものいのぉ、ありがたいよのなかになったこといね」。

 う〜ん・・・。それって、慰められているのか否か!悩んで落ち込んでも仕方ないと聞き流していましたが・・ふと娘ができて、帰省すれば、「これで家は安泰じゃね。養子もらわなあかんかい」。そして一言、「一人できたんじゃ、男の子ば生みよらんかね?」どこまで行っても私はそんな存在なんだなって哀しかったですよ。

天皇家と一緒に考えてはいけませんけれど、あまりにも裏が読めるいい方って・・本当に傷つきますよね。
 それを適応障害だなんていわれて。じゃ、これで男の子でもできたら、そんな話はふっとんじゃって白紙撤回なんですかね?そこを聞きたい気がします。女は子供を産む道具じゃないです。それだけははっきり言いたいです!!世継ぎや天皇制以前のレベルの低いものでごめんなさい。


一般の家でも、いまだに男子誕生が望まれるのかと、少しびっくりしました。戦前は、長男だけに財産も譲るという時代でしたから、地方ほど、この考えが生きているのかもしれませんね。たぶんお姑さんは、なんの悪気もないんでしょう。国民の声、マスコミの騒ぎも、たぶん悪気はないのでしょうが、結果的に、妃殿下を傷つけていることに、気づいて欲しいですね。(HARUKO)

天皇制のお話、考えさせられます。旧宮家を復活させて何が何でも男子の皇位継続者を作りたいなんていう計画もあるようですが、無理はよくないですよね。あまりに現代日本の感覚とかけ離れている皇室に現代風に恋愛結婚で仕事バリバリのお嫁さんが入ること自体無理ですよね。

全く比較対照にはなりませんが、実家の父は姉と私の女だけを持った長男ですが、自分妹3人は嫁ぎ、1人の弟にも娘が2人。私の実家は絶えますが、娘には同じようにしてやりたいと私達2人ともに嫁がせてくれました。谷中にある墓は無縁仏になるので、お寺にすでに永代供養を頼んでいます。

こうなると、一般家庭に生まれるのがいちばん幸せのような気がしてきますね。今は、無縁仏になる家が増えているそうです。そもそも○○家の墓も要らないという人もたくさんいますから。(HARUKO)

私はキリスト教系の学校で学んだこともあり、天皇が、かくも崇められる理由がかわかりません。心から崇めているならまだしも、都合の良いように、利用しているとしか思えません。

心から崇めているなら、とやかく周囲が言うべきでなく、天皇ご一家のお考えにも耳を傾けたらと思います。でも、うっかり発言すれば、「象徴である限り、意見は慎むべきだ」となります。なんとも矛盾に満ちた天皇制ですね。(HARUKO)

☆日本の歴史において、天皇がいない時代は、ほとんどなかった。こんなに続いている伝統を消すわけにはいかない、消えるのは惜しいと言うなら、もうちょっと気楽な存在にして差し上げたらどうでしょうか。天皇家は、祭事を行っていた小さな豪族だったというじゃありませんか。祭事だけを受け継ぐ「家」として、細く長く続いてもらったらどうでしょう。


気楽な存在というのは、私も賛成ですが、それではどうしようもないと考える人が、多いようですね。困ったものです。(HARUKO)

確かに古代天皇の存在が怪しいというのは、今や常識ですよね。ですがいろいろやっかいなことはあるようですが(当事者でないのに無責任な言い方かも知れませんが)、天皇制はあったほうがいいような気がします。天皇にはいろいろな国事行為がありますし、いろいろなところへお出ましになるお姿を拝見すると、心なごむものがあります。

 その一方で、HARUKOさんの書いておられることもわかる気がします。雅子さまが心の病にかかられたとき「適応障害」という病名が発表されましたが、アメリカの操作的(学術的)診断基準で日本の精神科医のほとんどが使っているDSM−Wによれば「適応障害」というのは持続6か月未満の精神的不調をいうはずです。雅子さまの場合はそんな短いものではないはずです。

 「適応障害」というのは便利な病名で、初診時にはっきり診断がつかないと(持続6か月以下なら)「適応障害」とつけたりします。「適応障害」はその後の経過次第ではうつ病にも統合失調症にも進展しうるということです(違う場合も多いですが)。「適応障害」という病名をつけること自体、診断していないのと同じともいえると思います。


適応障害は、6ヶ月未満の精神的不調を指すのですね。たしかこの病名を、宮内庁が発表したのは、かなり後だったような気がします。病名としては公に出来にくいのでしょうか。それだけ深刻なのかもしれませんね。今回の「紀子さま御懐妊」が、雅子さまの病状に悪い影響を及ぼさないことを、願っています。(HARUKO)

ご意見をお寄せ下さった皆様のおかげでこのページが出来ました。ありがとうございます。
(2006年2月11日 記)

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