北欧の旅 10
シリアラインでストックホルムへ

2006年7月7日(金)−10日目

 ヘルシンキ観光の続きを書いている。バス移動の間に、ガイドの桜庭さんが話してくれたフィンランドの事情を羅列してみる。

○年収は平均250万〜300万ぐらい。さして高くもない年収の中から、さまざまな税金を払っている。その割には、豊かな感じがするのはなぜだろう。

○200名の国会議員のうち、75名が女性議員。これほど女性が多ければ「子どもを産む機械」などの発言は、あり得ないだろう。

○赤ちゃんが生まれると、340ユーロ相当の品物が送られてくる。3年以内に仕事に復帰すれば、元の職場が保証される。

○ いい事ばかりではない。桜庭さんは歯の治療を6ヶ月も待たされた。ロバニエミの加藤さんも外科手術を待たねばならなかったと話していた。歯の治療も足の怪我も急を要する病気とは認められなかったのだろう。

○フィンランドは世界の学力テストで1位になったが、詰め込み教育はせず自主性を重んじている。むしろ、フィンランドの授業時間は日本より少ない。順位を落とし続けている日本の教育関係者が、フィンランド詣でをしているというが、参考になるのだろうか。 

ムーミンとスナフキン シリアラインのセレナーデ号 スオメンリンナ要塞
ムーミンとスナフキンが愛想良く出迎えてくれた。 豪華客船シリアラインのセレナーデ号 船上から見るスオメンリンナの要塞

 3時35分にシリアラインのセレナーデ号に乗船した。ムーミンとスナフキンが並んで出迎えてくれた。シリアラインはヘルシンキとスエーデンのストックホルムを結んでいる航路。中東のシリアに関係があるのかと思ったが、スエーデン国籍の女性シリアさんにちなんでつけられた。

 セレナーデ号は、エーゲ海クルーズで乗った船とは比べものにならない豪華客船だ。12階建て。58376トン。定員は2852名。日本人の係員が「本日は150名の日本人が乗っています」と言っていた。ハイシーズンとはいえ、150名とはすごい。日本人スタッフがいるのも肯ける。

 5時に出航。デッキからは、先ほど訪ねたスオメンリンナ要塞も見え、絵のように美しい光景が広がっていた。考えてみると、北欧旅行記では「絵のように美しい」「絵はがきのような」という陳腐な表現を何度も書いている。

ムーミンのコップ 夕食はビュッフェスタイル。おいしそうな食べ物が並んでいたが、さほど食べられないから目に毒だ。

 2ヶ国間を航海しているので、船内ショップは免税だ。ブランド品の店がたくさん並んでいるが、免税とはいえ高い。ムーミンのコップ(左)もちっとも安くないが、記念に買った。日本で値段を調べてきたツアー仲間は、「あまり変わらないわよ」と言っていた。

 ダンスミュージックを演奏している部屋にも行ってみたが、こんなとき踊れないのはつまらないものだ。私達は、やはり踊らないT夫妻としゃべりながら、ダンスの雰囲気だけを楽しんだ。

 部屋には大きな窓がついているし、いつまでも明るい。大海原を眺めながら一夜を過ごすこともできるが、早めにカーテンを閉めて明日に備えた。ホテルと変わらない快適な部屋だった。<セレナーデ号 泊>

7月8日(土)-11日目

スエーデン入国海風が心地よいので、デッキを数周まわって、朝のウオーキングを楽しんだ。スエーデンは24000もの島からなるというが、たしかにたくさんの島々が浮かんでいた。朝日に照らされた島は、箱庭のように美しい。また陳腐な表現を使ってしまった。

9時30分に、ストックホルムに入港(左)。ノルウェー、フィンランドに続き3国目のスエーデンに入国したが、もちろんなんの検査もない。

 下船後、バスでストックホルム見学。ガイドは日本人の中村さん。出身地が浜松だということしか言わなかった。これまでに何人の日本人ガイドに出会ったことやら。多くの日本人中年女性が北欧の地に根付いているのだ。

スエーデンの100年前は貧しい農業国だったが、今はボルボなど工業も盛んな近代国家。第2次世界大戦に参加していない。戦争に参加しないことで、貧しさから逃れたという話だ。

映画カサブランカ

 イングリッドバーグマン(1915〜1982)が生まれた家を車窓から見た。古くはグレタガルボという女優もいた。美人が多い国なのだろう。

 グレタガルボが出ている映画は見ていないが、バーグマンの映画はずいぶん見ている。

 「カサブランカ」「誰がために鐘は鳴る」「凱旋門」を見て、神様はどうして公平じゃないのだろうと美しさを羨んだものだ。カサブランカ(左は映画のスチール写真)は、彼女が主演でなかったらどうだったかと思う。歳をとってからの「オリエント急行殺人事件」も良かった。(2007年8月2日 記)



感想・要望をどうぞ→
北欧の旅1へ
次(ストックホルム)へ
ホームへ