キプロス島とマルタ島の旅4 2014年3月2日(日)-5日目 今日はトロードス山地を訪れる。キプロス最高峰1951mのオリンポス山が車窓から見えた。「ギリシャ本土から移住してきた人たちが、ギリシャの神が住む故郷の山の名をつけたんです」とガイドのポピさんが説明した。 ボビさんの説明は続く。「トロードスは夏は避暑地、冬はスキーができるのでリゾート地として人気があります。果物の樹木がしげる美しい村も残っています。世界遺産に指定されている修道院や教会もあります」 アーモンドの花が満開のトリミクリミ村でカメラストップした(左)。でもアフリカからのシロッコ(砂嵐)のせいで、白っぽく霞んでいて桃源郷には程遠い。 トロードス山地には、世界遺産に指定されたビザンチン教会が9つもある。9つのうち聖母マリアに捧げられたのが4つ。訪れた2つも聖母マリアの名がついている。 まず、パナギア・トウ・アラカ教会(豆の聖母教会)へ。1192年に建造。1970年に覆い堂が作られた。中尊寺の金色堂の覆い堂と同じようなものだ。ビザンチン様式コムネヌス朝様式のフレスコ画は、聖母マリアを主題にしたものが多かった。 次はパナギア・ボディス教会(足の聖母教会)。ヴェネテチアに支配されていた頃の1502年建立。そのためイタリア建築の影響が見られる。ここのフレスコ画の主題も、聖母子や受胎告知など聖母マリアである。他に旧約聖書や新約聖書の聖人の絵も。
ペドウラス村で昼食。山の中の食堂なのに、種類も多く美味しかった。メザ(前菜)、サラダ、ハルミチーズ(キプロス独特のチーズ)、ムサカ、ぶどうの葉巻ライス、ポークの串焼き、羊肉などなど。 昼食をとった村からバスで30分、マカリオス大司教の墓に着いた。駐車場のそばに、マカリオス大司教の巨大な像があった。もとはニコシアにあったが、大きすぎて街の美観を壊すということで、2008年にここに移された。像のある広場から坂道を上ったところに墓がある。ご丁寧にも2人の兵士が墓を守っていた。
マカリオスはこの近くの農村で1913年に生まれた。13歳でキコス修道院に入り1950年に大司教になった。反英運動で国外に追放されるも、1960年にキプロスが独立した時は初代大統領に就任した。大司教が大統領になるということは、宗教と政治がごちゃまぜなのかもしれない。 マカリオスが13歳の時に入ったキコス修道院は、すぐ近くにある。19〜20世紀に再建されたので、外見やフレスコ画はきれいだ。ここには聖ルカが聖母マリアを写生したと伝わる貴重なイコンがある。本当のマリアをモデルに描いたと言われても、「まさかそんな古い時代のイコンが」と信じる気にはなれないが、このイコンがコンスタンチノポリスからキプロスに移されて以後、たくさんの奇蹟が起こったそうな。聖母教会の中にイコンは飾ってあるが、肝心のイコンには布がかかっていた。
<リマソールのアジャクス泊>
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