マレーシアの旅 5(最終回) 2006年11月5日(日)・6日−5日目・6日目 午前中は自由時間。ガイドは、私たち11人が抜けると痛手なので必死でオプションを奨める。自由時間の行動で、皆の意見が一致することはあり得ないので、昨夜に続きオプショナルツアーに参加。午後の市内観光も含め、1組の夫婦以外は、ツアー全員がずっと一緒の行動だった。 まず北13`にあるバツー洞窟に行った。ここはヒンズー教の聖地で、大鍾乳洞の洞窟に聖者のスブラマニアンを祀っている。272段の階段を一気に上るのでそれなりにきついが、若者はもちろん、長いサリーをまとったお年寄りも、休み休みではあるが上っている。それも裸足だ。車道やエスカレーターがないことで、有り難みが増すようだ。 インドに行ったことがないので、これだけ多くのインド人に出会ったのは初めてだった。インドからの旅行者ではなく、マレーシアに住んでいるインド系のマレーシア人だと思う。額にぽつんとある黒い点は未婚を表し、赤い点は既婚者の印だ。あからさまに、既婚・未婚を公にしていいの?と思ってしまう。 天井まで100bはあろうかという厳かな洞窟の中に、寺院はあった。いろいろな宗教の聖地を何ヵ所か訪れたが、どこでも必死で祈る人々に出会った。信仰を持たない私だが、必死な姿に接すると、どんな宗教であっても心を打たれる。自分に足りないものを持っている人を羨ましく思うこともある。
市内に戻り、KLCC(クアラルンプールショッピングセンター)を見学。2003年に出来たばかりのホテル・ショッピングモール・映画館などがある巨大な複合施設だ。その中心にそびえるのが、1998年完成のツインタワーで、452bと世界で2番目に高い。1番高いビルは台北にある。 ツインの名のとおり、2本の塔から出来ている。イスラム教のミナレットを意識したそうだ。1本は日本の間組、もう1本は韓国のサムソンの担当。仲の悪い日韓共同作品だ。マレーシアには、これだけのビルを独自に作る技術はないのかもしれないが、石油会社のペトロナスの資本があればこそだ。 クアラルンプールに着いた時から、以前泊まったホテルはどこだろうと、気をつけていた。朝の散歩の時に競馬の練習を見物したのだから、競馬場があったのは確かだ。中国系の騎手は一心不乱に練習をしていたが、マレー系の騎手は私達に手を振ってくれた。そんなことを思い出しながら競馬場を地図で探したが、中心部には競馬場はない。ツインタワーは、競馬場跡地に作られたので、この辺りはすっかり変わってしまったのだった。センチメンタルジャーニーも台無しだ。
次はレイクガーデンへ。92fもある緑豊かな公園に、いろいろな施設があるが、私達は国家記念碑を見物。アジアを旅すると、日本軍に占領されたという話をよく聞かされるが、ここでは、その話は出なかった。イギリスからの独立戦争で亡くなった英雄を称えたブロンズ像がメインだ。同じレイクガーデンにある、ラン園にも行った。マレーシアに生息する800種以上のコレクションである。 次に向かったのは国立モスク。1965年に完成した東南アジア最大のモスク。金曜でもないし、祈りの時間でもないので、8000人もはいるという礼拝堂は閑散としていた。思えば、きのうからキリスト教教会・中国寺院・ヒンズー教寺院・イスラム教寺院と見てきた。民族のるつぼを実感した2日間だった。
チャイナタウンに隣接する地は、クアラルンプールの歴史が始まったところで、ここに8.2fものムルデカ(独立)広場がある。マレーシアがイギリスから独立宣言をした1957年8月31日から、イギリス国旗に変わってマラヤ連邦の国旗がなびいた。掲揚台は100bもあり、世界一高い。テレビ塔は世界で4番目、ツインタワーが2番目、掲揚台が1番目。いやに高さを誇っているが、掲揚台は高くないほうが、旗がよく見える。 道路を隔てたところに、旧連邦事務局として使われ、今は最高裁判所のビルがある。ムーア風レンガ造りで1894年の建築。銀行として建てられ今は歴史博物館のビルも同じころのレンガ造り。一昔前の東京の丸の内を思わせる風格を感じる地域だ。 広東料理の夕食後空港へ向かった。 |