メキシコの旅5
 ウシュマルとチチェン・イツアー遺跡

2012年3月20日(火)-7日目

パレンケ遺跡を見学後、5時間ものバス移動。メキシコ湾に面するカンペチェメキシコの旅1の地図参照、以下の地名もこの地図参照)に着いた時は、暗くなっていた。マヤの人々が住んでいたカンペチェは1540年にスペイン人に征服され、貿易港に変わった。貿易港になったことで海賊が襲撃。街を守るために要塞で囲んだ。その要塞は300年後の今も健在で、世界遺産になっている。要塞には海門と陸門がある。

 
スペイン時代の要塞が
今も残っている

 
ライトアップされた
大聖堂
 
要塞の中に
カラフルな商店街や住宅街がある

夕食前に要塞の中を散歩。大聖堂・要塞・カラフルな商店街や住宅街がライトアップされているので雰囲気はよく分かった。夕食のシーフードは、これまでの食事の中でいちばん美味しかった。   
                                            <カンペチェのバルアルテス泊>

3月21日(水)−8日目

今日はこの旅行のハイライトだ。ウシュマル、チチェン・イツアーというマヤ文明を代表する2つの遺跡を見る。

カンペチェからバスで約2時間。ウシュマル遺跡に着いた。7世紀のマヤ古典期に栄えた遺跡。「この遺跡がいちばん好き」という人もいる。パレンケと並んで人気がある。

 
ウシュマル遺跡の
魔法使いのピラミッド

 
装飾が見事

 
幾何学模様の石の
組み合わせ


幾何学模様の石の組み合わせ、蛇や雨の神チャックの彫刻。過剰だなあと思わないでもないが、信仰心の現れなのだろう。たくさんの建物の中でも魔法使いのピラミッドは、丸みを帯びていて優雅だ。以前ウシュマルを訪れた人が「魔法使いのピラミッドに上った」と話すのを聞いたことがあるが、今は登頂禁止。崩れやすいなどの理由だろう。高さ32メートルのグランピラミッドには上ることはできた。どのピラミッドもそうだが、頂上からの景色は爽快。

ウシュマル遺跡を後にして、チチェン・イツアーに向かった。2時頃昼食をとっていたら、雲が出てきた。これから見るチチェン・イツアー遺跡は、太陽が射していなければ意味がない。

6世紀のマヤ古典期の旧チチェン・イツアーと10世紀頃の後古典期に属する新チチェン・イツアーのエリアがある。新旧とも遺跡はかなり残っているが、なかでも有名なのはエルカスティージョ(スペイン語で城)と名づけられた神殿。今まで見たピラミッドは4面のうち1面だけに階段がついているが、ここは4面全部についている。高さは25メートルなので上りやすそうだが、ここも登頂禁止。

目的はピラミッドに上ることではなく、春分の日の奇跡を見るためだ。春分と秋分の日の年に2回、中央階段の側面に神殿の影が映る。太陽の傾きで影が変化するので、あたかも蛇が動いているように見える。だから太陽が出ていなければ、影ができない。春分の日の奇跡など起こりようがないのだ。


4面とも階段がついている
エルカスティージョ
 

春分の日の奇蹟。太陽の動きにつれて
蛇の身体が動いているように見える 


その天文ショーは4時37分に始まった。昼どきは雲が出ていて心配したが、ラッキーなことに、その時刻は雲1つない晴天。影が見える場所には、あふれるばかりの人が集まっていた。こんな時、欧米人は楽しげだ。口笛を吹いたり、拍手したりして天文ショーを楽しんでいる。私は彼らを見て楽しんでいる。

太陽の影が季節によって変わることは、奇跡でもなんでもなく、誰でも知っている。でも春分と秋分の日に側面に影ができるように、ピラミッドの方角を計算したマヤ人の賢さには感心してしまう。このピラミッドには他にも不思議なことがある。4面に91段の階段。これに最上段の1段を加えると365段。現在の暦と同じだ。マヤの人々が高度な天文学や数学の知識を持っていたことは確かだ。

日没後にライトアップをするので行ってみたが、やっぱり面白くなかった。言葉が分からないから、大げさな物言いに辟易してしまう。でも、このような特別の日に、チチェン・イツアーにいる。そのことに感謝しなければと思う

                      <チチェン・イツアーのザ・ロッジ・アット・チチェン・イツアー泊>
                                              (2013年5月16日 記)

 

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