メキシコの旅6 2012年3月22日(木)−9日目
そろそろマヤ遺跡も飽きてきたので、神殿や宮殿の説明は上の空。どうしても、コバルトブルーのカリブ海と白い砂浜と古びた遺跡の3点セットに目が向いてしまう。海岸を見下ろすと、たくさんの人が泳いでいる。遺跡にもかかわらず遊泳が許されている。おおらかなのか、管理が行き届いていないのか。 カンクン(メキシコの旅1の地図参照)は、1970年代に開発された。私が若い頃は、メキシコのリゾート地といえば、アカプルコが有名だった。でも今は、カンクンが日本人やアメリカ人のハネムーンにも大人気。 カンクンのホテルゾーンは、カリブ海とラグーン(海の一部が外界と遮断されてできた湖沼)に挟まれた細長い長洲。20qにわたってホテルが並んでいる。ヒルトン・リッツカールトン・ハイアットリージェンシー・クラブメッドなど名だたるホテルは、敷地も建物も豪華。ホテル内で買い物もグルメもマリンスポーツも楽しめるらしい。 私たちのホテルは上等ではないが、プライベートビーチがあり、リゾートホテルらしい陽光にあふれていた。ツアーに参加した26名のうち、泳いだのは5人しかいなかった。シニアばかりだから、泳ぐ気にはならないのだろう。もちろん私は泳がない。海辺でのスナップをカメラに収めようと、夕暮れまで海岸にいたが、見ているだけで飽きなかった。何を撮っても誰を撮っても絵になる。
なかでもアメリカ人らしい白人夫妻と黒人の養子が戯れている様子は、目が離せなかった。2歳ぐらいの養子は、両親に甘えきっている。母親の太い脚にくるりと手を回した写真は、数人の人から褒められた。アメリカでは養子は珍しくないと聞くけれど、どうせなら同じ肌の子どもをもらえば、詮索されずにすむだろうと思う。帰国後に、ご近所のドイツ人が実子が5人もいるのに、さらに2人の日本人を養子にした話を聞いた。養子を育てる幸せをドイツ人から聞いた。カンクンにいたアメリカ人も幸せなのだろう。 夕食後に、オプショナルだが、マリアッチを聞きに行った。マリアッチは、歌手・ヴァイオリン・ギター・ベース・トランペット奏者など10人ぐらいで編成。伝統音楽家と思いきや、19世紀後半、メキシの独立の頃にハリスコ州で生まれた。メキシコに来たからにはソンブレロと金ボタン姿の演奏を聴きたかった。
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