北スペインの旅5 2010年8月26日(木)-7日目
日本でも四国88ヵ所を歩いている人がいるが、両方歩いた人の手記を読むと、スペインの巡礼の道を歩いている人数は10倍以上だ。四国88ヵ所めぐりは年寄りが多いが、この道は若者が圧倒的に多かった。もちろん夏休みということもある。 フォンセバドンから2`先の、標高1505bの鉄の十字架までは上りが多かったが快適だった。放牧の牛がのんびり草を食み、ヒースの群生がまだ赤紫の花を残していた。木陰がある道ではないが、いつもに比べれば雲が多いから歩きやすい。最適な時期は野の草が咲き乱れる5〜6月か、黄葉が染める10月だという。そのどちらでもない暑い時期に私たちは来ている。 歩くのが好きな私には、物足りないウオーキングだったが、E社の他のツアーにあるように巡礼路100`歩く時間もない。このツアー場合、平行してバスが走っていて荷物は運んでくれるのだという。普通の巡礼者は最低10`のリュックを背負っている。そういう彼らにまじって軽装で歩くのも恥ずかしい気がする。 ポンフェラーダという町の郊外で昼食後、セブレイロ峠に行った。標高1300bで巡礼の道最後の難所だという。カスティーリャ・イ・レオンとガリシアの境。
いよいよ、6時40分ころゴゾ(歓喜)の丘に着いた。800`もの道を歩き続けた人にとって目的地の聖堂が見える丘にたどり着いた感激は想像に余りある。左は丘に建つモニュメント。 最終目的地のサンチャゴ・デ・コンポステーラに着いたのは、7時を過ぎていた。追加料金を出してパラドールに泊まる人と、旅行会社が決めたホテルに泊まる人とふたつに分かれる。15人のうち7人がパラドール組だ。パラドールに泊まるには2泊分でひとり3万円(シングル利用の人は45000円)の追加をせねばならない。追加料金ふたりで6万円はあまりにもったいないので、グレードアップはしなかった。 最初のチェックインがパラドールだったので、私たちは待っていなければならない。ゴゾの丘で降り出した雨はまだ止んでいない。大聖堂の写真を撮ろうにも雨では台無しだ。逆光の大聖堂を撮りたいと旅の前から狙っていたが、どうにもならない。もっともここガリシア地方は、雨が少ないスペインではめずらしく雨が多い地域だという。 パラドールの中を少し探検してみた。王立病院の跡だというが、王立だけあり重々しい。レオンのパラドールによく似ている。もちろんホタテがついた巡礼姿のヤコブ像もロビーに飾ってあった。 私たちのホテルは大聖堂にも近く、しかも商店街があるので立地条件はよかった。ここも5つ星だけあり、内部も快適だった。 夕食は町のレストランまで歩いて行った。今までの夕食は泊まったホテルのレストランでとったが、今回はホテルが別れたので、いたしかたない。 なんと夕食の前菜にホタテ貝のガリシア風(左)が出た。冗談で「最後にホタテ貝が食べられると最高ね」と仲間と話していたが、やっぱりというか、ここでホタテ料理を出さねば観光地の名が廃る。 感想・要望をどうぞ→ 次(サンチャゴの大聖堂)へ 北スペインの旅1へ ホームへ |