南イタリアの旅7
 アグリジェント

2006年10月9日(月)−6日目

 シチリア島の続きを書いている。タオルミーナ、ピアッツアアルメニーナを経て、アグリジェントに来たところだ。(左地図参照)。

 ホテルの前庭に大きなサボテンがあり、花も咲いていた。帰国後に、サボテンからとるハチミツがアグリジェントの名物だと知った。買ってくればよかった。

アグリジェントは、ギリシャの植民地としてBC5〜6世紀に栄えた。その時代に築かれた神殿が20ほどあり、「神殿の谷」と言われる。よくもこんなに建てまくったものだと思わないでもない。1998年世界遺産。今回の旅ですでに6つの世界遺産を見学した。

春にはこの谷にアーモンドの花が咲き、観光の目玉にもなっている。きのうは、ときどき雨が降る天気だったが、今日は青空。夏は42度にもなるというが、今日は絶好の散策日和である。知的な若い女性がガイドしてくれたが、やはり日本語は話せない。


アグリジェント付近の羊の群れ ハチミツが美味しいサボテンの花 神殿の谷。春先にはアーモンドの花が満開になる。

ギリシャ神話に親しみを持てない私にとって、ギリシャ神殿めぐりは面白いものではないが、いくつかを簡単に記しておこう。ギリシャ神話最高の女神であるヘラを祀ったヘラ神殿も、今は完全な形を遺していない。夫はゼウス。

 コンコルディア神殿のコンコルディアは平和の女神を意味する。AD6世紀から18世紀まではキリスト教会として使われた。ギリシャ時代の34本のドーリア式柱がほぼ完全な形で残り、そこにキリスト教会の影響であるアーチ型の天井が付いている。シチリアでもっとも保存状態がいい。

ヘラクレス神殿に8本残るドーリア式の円柱は、アグリジェントの神殿群の中ではもっとも古い。地震で倒壊した柱を1924年にイギリスの貴族が復元した。

ゼウス神殿は、石切場に使われたので遺跡の5%しか残っていない。7メートルの大きな巨人像が横たわっていたが、これはレプリカ。本物は考古学博物館にある。ゼウスはギリシャ神話の最高神。

ヘラ神殿 コンコルディア神殿 ゼウス神殿

アグリジェントからバスで2時間のパレルモ(上の地図参照)で、ピザの昼食を摂った。ツアーの食事に期待をしてはいけないのは常識だが、イタリアはバラエティに富んでいて美味しい。

パレルモはシチリアの州都であり、人口は90万人を超える大都会。下校時の小学生をたくさん見かけたが、全員に保護者がついている。誘拐が多いのかもしれないが、仕事を持っている人はどうするのだろう。

女性ガイドのロベルタさんと会い、2時10分から観光。

車窓からイタリアでもっとも大きいマッシモ劇場(左)を見た。パリのオペラ座、ウイーン国立劇場に次いで大きいというが、車窓から見ただけなので、豪華さも大きさも実感できない。でも大きな階段は、車窓からでもよくわかった。

 この階段で「ゴッドファーザーV」のラストシーンがロケされた。アル・パチーノが演じるマイケル・コレルオーネの目の前で、娘のメアリーが凶弾に倒れるシーンである。覚えていらっしゃる方もいるに違いない。

 今年の夏に「マッシモ劇場」が初来日し、東京と大津で「シチリア島の夕べの祈り」を公演した。もちろん私は行ってない。すぐ完売したと聞いた。(2007年12月2日 記)

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