南イタリアの旅
2006年10月4日〜10月11日

 カプリ島
 ポンペイ遺跡
 マテーラの洞穴住居
 アルベロベッロ
 シチリア島へ上陸
 タオルミーナとピアッツアアルメリーナ
 アグリジェント
 パレルモ


南イタリアの旅 1
カプリ島

2006年10月4日(水)−1日目

南イタリアとシチリアの地図この時期の8日間に、夫も私も特に予定が入っていない。それじゃあ、海外に行こう!とパンフレットをめくった。「土産物屋に連れていくツアーは嫌だ」「人数が多いのは嫌だ」「短い旅は往復の時間が長くて嫌だ」と言っていながら、「行けるときに行った方がいい!」と囁く声があり、南イタリアに出発。

 8日間のツアーだから、現地で過ごすのは6日間。主な訪問地はナポリ・カプリ島・ポンペイ・マテーラ・アルベロベッロ・シチリア島である(左地図)。

 シチリア島だけでも奥が深いのに、南イタリアとシチリアをを6日で回るのは、どこも上っ面である。それでも異国の旅は楽しいものだ。

成田発(13時5分)→アリタリア航空で→ミラノ着(18時35分)12時間半のフライト
ミラノ発(20時50分)→アリタリアで→ナポリ着(23時30分)

 ミラノの空港で雷がとどろき、機内の窓からもせん光が見えた。ミラノを1時間以上遅れて出発したので、すべて押せ押せ。ナポリのホテル到着は0時を過ぎていた。<ナポリのニューヨーロッパ泊>

10月5日(木)−2日目

出発前日に、パソコンの「グーグルアース」にホテルの住所を打ち込んで上空写真を見てみた。鉄道の線路と大きな道路に挟まれて、場末らしい場所にせせこましく建っている。実際のホテルも、当たり前ながら、「グーグルアース」で見たのと大差なかった。 7時50分 観光へ出発。

 H社のツアーは参加人数が多いが、今回の旅も34名。丸6日間を満席のバスで過ごすのかと、少し憂鬱になる。運転手はシチリアのパレルモ出身のファビオさん。今日の現地ガイドはロベルトさん。添乗員は「人気添乗員」という触れ書き。人気添乗員の格付けが、なんの根拠もない事がわかった旅でもあった。

ヌオーヴォ城と港車窓からナポリ市内の観光。1994年のナポリサミットで村山首相が緊急入院した病院を、ガイドが指さした。こんなことを説明されていると知ったら、村山さんは嫌だろうなあ。

王宮(今は博物館)・劇場・ヌオーヴォ城(左)などを車窓から眺めた。重厚な建物ばかりで、この一帯が世界遺産なことも頷ける。もともとナポリは、ギリシャ・ローマ・ノルマン・スペイン・ブルボン王家など支配者はめまぐるしく変わったが、長いこと政治文化の中心地だった。

ベヴェレッロ港から、8時半発のジェットフォイルでカプリ島へ。面積は千代田区と同じぐらいだから広くはないが、島全部がリゾート地になっている。この地を気に入った初代ローマ皇帝アウグストウスが島全体を購入し、次の皇帝ティベリウスは、後半はこの島から動かずに政務を執ったそうだ。いいご身分だこと!

 横道にそれるが、「タイタニック」で有名な俳優のレオナルド・ディカプリオの母は、イタリア系アメリカ人。レオナルドはレオナルド・ダ・ヴィンチのレオナルドから、ディカプリオはカプリ島からつけられた名前だという。

カプリ島といえば青の洞窟をだが、港を出るときは青空が見えたのに(左上)、カプリ島に着いたとたん、よりによって台風のような雨風になった。晴天でも波が高くて洞窟に入れない時もあるから、こんな天気ならあきらめがつく。洞窟に入れなかったからと、ボート代1000円を返却してくれた。

 イタリアは、日本人がいちばん訪れる国で、なかでも南イタリアは人気がある。「青の洞窟」に入った人は周囲にたくさんいる。私のように入れなかった人は、今のところ聞いていない。ついてないんだなあ。友人は「洞窟に入るのに、結構待って、揺られて気持ち悪くなった。きれいだけど、アッという間に終わっちゃうのよ」と、慰めてくれた。

 青の洞窟のかわりにヴィラ・サン・ミケーレという美術館に向かった。サン・ミケーレはカプリ島にある山の名前で、この名のついた教会もある。

 スエーデン人の医師で文筆家でもあるアクセル・ムンテが、古代ローマの別荘跡に建てた。彼が蒐集した美術品が展示してあるが、元々が別荘跡地だけに、ローマ彫刻も建物の壁に使われていた。ヴィラ・サン・ミケーレのテラスから、晴れていればさぞかしきれいだと思うナポリ湾が眼下に見えた。

ローマ時代のレリーフ ナポリ湾の眺め レモン酒を売っている店
ヴィラ・サン・ミケーレの外壁にローマ時代のレリーフが ヴィラ・サン・ミケーレテラスからナポリ湾の眺め カプリ島名物のレモン酒を売っている店

別荘の周辺には、陶器やレモン製品を売る土産物屋、リストランテが所狭しと並び、道路は観光客であふれていた。夏休みでもないのに大勢いることに少し驚いたが、世界中に私たちのような暇人がいるのかもしれない。昼食はイカのリゾットと初日からイタリア風。夫はレモン製品を専門に売っている店で、レモン酒を買った。(2007年9月16日 記)

感想・要望をどうぞ→
次(ポンペイ遺跡)へ
ホームへ