雲南・北部ベトナム少数民族街道の旅2 
 

2007年2月12日(月)−3日目

雲南省は、中国の最西南部にある。省都の昆明から200キロほどベトナム国境に近づいた都市が建水(少数民族街道の旅1の地図参照)だ。辺境のイメージがあるが、人口は53万人でそれなりの大都会。犬を散歩させている女性に出会った。以前は大都会ではペット禁止だったが、今はどうなのだろう。雲南省だから許されているのか、いずれにしても富裕層にちがいない。そうかと思うと、野菜を両天秤に積んで走っている女性もいる。

犬の散歩 野菜売り 朝陽楼 双龍橋
カメラを構えたらポーズしてくれた。 朝陽門近くに市場があるらしい。 天安門より早く作られた朝陽楼。 アーチがきれいな双龍橋

600年前の明の時代に作られた朝陽楼を見学した。朝陽楼の設計者は、天安門設計者の先生だそうで、確かに北京の天安門とよく似ている。朝陽楼前の広場の木に、小鳥の籠がたくさんかかっていた。売っているのかと思ったが、持ち主が、鳴き声を自慢しあっているようだ。

つぎは双龍橋を訪れた。中国の10大名橋だというが、他の9つがどこなのか聞きそびれた。清の乾隆年間に3つのアーチが作られ、1839年に14のアーチを追加。今は17のアーチがある。長さ148メートル、幅3メートルの石造り。2本の川にかかる橋なので双龍の名がついたというが、今は1本の橋でしかも川の水量が少ない。

南沙(元陽新市街)で昼食後、今日の宿泊地・元陽までヘアピンカーブの山道を上っていった。元陽の標高は1600メートルもある。元陽の旧市街のホテルにチェックイン。再集合の時間まで、ホテルに近い市場をぶらついた。ここはもう少数民族の世界だ。売り子も買い物客も、いろいろな民族衣装を身に着けている。いよいよ少数民族街道の旅が始まったのだとわくわくしてくる。

夕方5時ころ、多依樹の棚田見学。千枚田どころか万枚田かもしれない広さと造形美に目を見張った。水田に水がたまる時期なので、段差のある湖が連なっているようにも見える。山地に暮らす農民が険しい傾斜地に水田を増やしていったもので、後に見学者が訪れるなど想像もしなかったに違いない。方形の田を作りたくても作れない条件が、思いもかけない曲線の造形につながった。

さらに少し先にある棚田へ。ここで夕日が沈むのを待った。クラブツーリズムの写真目的のグループが、三脚を構えていた。18時55分日の入り。なんとか山頂に沈む夕日を収めることができた。 
<元陽の雲梯大酒店 泊>

2月13日(火)−4日目

棚田の日の出を撮るために朝6時にホテルを出発。ふたたび多依樹の棚田へ。到着した時は、空にほんの少しの赤みがあった。次第に明るくなったが真っ赤な日の出はのぞめず、引き上げようとしたところ、棚田の水に太陽光線が射して、水面がきらきら輝いた。この光線がなければ、平板な写真になるところだった。バカチョンカメラでは、微妙な美しさを表現できっこないと、いい加減にパチパチやっていたが、それなりに良い写真が撮れた。この時の太陽光線が射した写真の評判が良くて、写遊会の展覧会に3枚組で出品したほどだ。三脚など使わず、いい加減がいいのかもしれない。

日没 青空が映える棚田 青空の下の棚田
日没の棚田 青空が映える棚田 青空の下の棚田
朝日が射した棚田 棚田を眺めるお年寄り 万枚田
朝日が射した棚田 棚田を眺める現地のお年寄り 千枚ならぬ万枚田

棚田撮影は、夕・朝・昼と3回に及んだ。正確に言うと3回どころではない。大きな棚田があるたびにバスを停めてくれるので、終いには飽きてきた。まるで撮影旅行のようだが、普通のツアーだ。ツアー仲間が「前に来た時は、霧でまったく見えなかったんだよ。少し霧がかかるのは理想的なんだけど、ただ真っ白だからね。今度はラッキーだ」と嬉しそうに一眼レフを構えていた。

朝日を見た多依樹棚田付近で、ゆで卵を売るハニ族の子供達が買ってくれとせがむ。朝早くから子供に稼がせているのだ。朝食はバスの中で弁当を食べた。(2008年3月9日 記)

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