雲南・北部ベトナム少数民族の旅 4 2007年2月14日(水)-5日目 昼食後に、黒イ族が300人ほど住んでいる黒イ族の村へ寄った。元陽のイ族はカラフルな衣装を着ているが、ここのイ族は黒っぽい衣装を着ている。2200mの山地にある村で、棚田からとれる米以外に、これと言った産業がないせいか、貧しい村である。いつ洗濯したかわからないような汚い衣服を着て、裸足かボロボロの靴を履いている。 私は、こんなに貧しい暮らしを見たことがない。最近は日本の高級ホテルのスイートルームは、中国人やロシア人で占められるそうだ。とてつもない金持ちがいる国に、こんなにも貧しい人がいる。富を公平に分配しようとした社会主義のなれの果てを見てしまった。若い頃にマルクス経済学を学んだだけに、私はいっとき中国やソ連の体制に憧憬にも似た気持ちを持っていた。なんだったのだ!あれは。
最初に訪れた黒イ族の家では、5時から結婚式が行われるという。建水で働いている息子が、お嫁さんを連れてくるのだ。訪れたのは3時ころだったが、息子達が到着していないとはいえ、2時間後に結婚式を迎える華やかさも清潔さもなかった。同行の女性が「今までの人生で、楽しかったことは何ですか」とお年寄りに聞いた。「な〜んにも楽しいことはなかったよ」という答えだった。日本人が珍しいのか、歓迎ムードだったのがせめてもの救いである。○さんのポラロイド写真をとても喜んでいた。 この家と道路をはさんだ集落にも行ったが、寄ってきた子ども達は、貧しげで表情も乏しい。子供らしさまで失っているようで、心が痛んだ。 次に訪れたのは、紅頭ヤオ族の村。200人ほどが住んでいる。ここの村は黒イ族の村に比べると豊かそうに見える。民族衣装はなかなか覚えられないが、紅頭ヤオ族だけはすぐわかる。結婚すると剃髪して赤い頭巾をかぶる。とんがり帽子のような赤い帽子は目立つ。
夕方5時頃に、2泊する金平のホテルに着いた。金平(少数民族の旅1の地図参照)は、もうベトナム国境に近い。<金平の正豊大酒店 泊> 2月15日(木)-6日目 朝食後、金平の自由市場へ。ここの市場は元陽の市場より大きくて活気がある。果物・野菜・鴨・鶏、肉・魚・乾物など、ありとあらゆる物がそろっている。近郊の村から買い物に来た人売る人の双方が、賑やかな声を交わしている。ほとんどの人が民族衣装を着ているので、それを見るだけでも楽しい。ここでの1時間半はすぐ経ってしまった。ツアー仲間に奨められて、クコの実と唐辛子と湯葉を買った。観光客ずれしていない市場なので、二重価格がなく、驚くほど安い。
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