東西トルコの旅 10 2007年5月4日(金)-10日目 昼食後、ゼルベの谷(左地図@)を歩いた。満開のアーモンドや新緑の薄緑が、茶灰色の奇岩にいろどりをそえた風景に、感嘆の声を上げずにはいられない。 奇岩の模型や刺繍製品を売る店が何10軒も連なっていた。食べ物では伸びるアイスクリームとやらが人気。アイスを伸ばすパフォーマンスが上手なので、昼を食べたばかりだが、話の種に買ってしまった。
かつてキリスト教徒が隠れ住んだ洞窟住居に、今も住んでいる家族がある。そのひとつの民家を訪問した。観光客に見せるという条件で、無料で入居している。この日は夏のような日差しだったが、洞窟の住まいはヒンヤリして気持ちがいい。赤ちゃんのいる夫婦が、にこやかに歓迎してくれた。主は、近所の採石工場で働いているが、たまたまこの時間に帰ったとのこと。
次は西から町へ入る時の最初の要塞・ウチヒサール(上の地図A)へ。ウチは3つ、ヒサールは要塞の意味。ヒサールの一部が洞窟ホテルになっている。上部は鳩の家と呼ばれる。鳩の糞を集めて肥料にするそうだ。 カッパドキアのハイライトでもある、ギョレメの野外博物館(上の地図B)へ向かった。いつ頃修道院が作られたのか定かではないが、2〜3世紀にかけて、ローマ帝国の弾圧をさけたキリスト教徒が秘境の地に集まってきたらしい。ギョレメだけで洞窟教会は30以上あったが、破壊されたものも多く、保存状態がいいものが博物館として公開されている。
カッパドキアの東端にあるユルギュップ(上の地図C)には、カッパドキアでいちばん人気の3人姉妹の岩がある。エリンギみたいなキノコ岩が大小3つそろっていて可愛らしい。
このあと、希望者5人だけ絨毯工場へ。絨毯を買う気がない私たちはいったんホテルに戻り、すぐローズバレーに向かった。夕日を浴びると谷が真っ赤に染まるからローズの名がついている。今日は朝から暑いぐらいの晴天だったが、日没時には曇り空。ネムルート山の日の出といい、ローズバレーの日の入りといい、肝心のときに太陽は臍を曲げてしまった。 15年前はK社のツアーだったので、絨毯工場見学が最初から日程に入っていた。流暢な日本語でたくみに絨毯を売る男性は、日本留学時にトルコ風呂の名称を改めさせたと聞いた。彼が留学していた頃の日本では、ソープランドをトルコ風呂と呼んでいたので、彼が怒るのは当たり前だ。日本の大学に留学した人が、なぜ絨毯屋のオヤジなんだろうとその時に思ったが、聞くわけにもいかなかった。 ところが、何気なくアポさんと話していて、トルコ風呂の誤解を解いたかつての留学生は、今は著名な大学教授になっていると知った。当時は絨毯屋に頼まれてアルバイトをしていたそうだ。
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