ベネルックス3国の旅 2
海面より低い国・オランダ

 オランダは、国名のネーデルランド(低い国)が示すように、国土の大半が海面より低い国。そう言われても、実際には電車も自動車も普通に走り、ビルも建つ見慣れた風景。海中都市でもないので、ピンとはきませんが、「水だらけの国」を肌で感じたことが2度ありました。

 1度は、アムステルダム郊外のキンデルダイクで。ライン川河口にあるここは、風車が19基残り、典型的なオランダの田園風景を見せています。幕府に依頼されたオランダが、咸臨丸を造船した所としても有名。福沢諭吉や勝海舟が、咸臨丸で太平洋を横断したことに思いをめぐらすと、壮大なロマンを感じる地です。

 訪れた時は、真夏にもかかわらず風混じりの雨が冷たく降り、湿地帯がさらにじめじめ。風車の番人は、膝まで届く長靴をはいていました。ここの風車が、排水用、治水干拓に使われていたことが納得できるような湿地でした。もっとも今は、観光用。

 スペインのコンスエグラの風車は、キンデルダイクの水際とは対照的な赤土の丘の上に堂々と建っていました。風車の内部は、粉の匂いがして、排水ではなく粉ひきに使っていたことがわかります。風車にも、さまざまな使い道があったのですね。

 水の国を2度目に実感したのは、アムステルダム市内を環状に流れる運河です。東京に環状○号線の道路が通っているように、ヘーレン、カイザル、プリンセンなど名前のついた環状運河が何本も。全長100qにもなるそうです。同じ首都でも、高速道路の支柱が街にぶざまさを増している東京に比べ、なんと優雅なことか。右の跳ね橋「マヘレ橋」は、今でも開閉しています。


 
この写真は、ハウスボートと呼ばれる水上生活者の家。花も飾り、小ぎれいに暮らしているように見えますが、好んで住んでいるわけではなく、地上のアパートに比べ、安く手に入るからだそうです。固定資産税や管理費とも無縁なことからの苦肉の策。

 


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