ベネルックス3国の旅 4
飾り窓の女

 
アムステルダム市内に娼婦の「飾り窓」があることは、20年以上前にオランダに出張した夫から聞いていました。「どうしても見たい」の妻の要望を断るわけにもいかず、昔の記憶をたどり探してくれました。他の観光スポットと違い、夫婦連れで「飾り窓はどこですか」と聞くわけにもいきません。

 ストリップ劇場、セックスショップが連ねる大歓楽街は、新宿歌舞伎町のようなにぎわい。細い路地を数回行き来し、やっとたどりついた「飾り窓」は?デパートの閉店後も、ショーウインドウだけは煌々と灯りがつき、華やかに商品を見せていますが、同じようなものだとご想像ください。靴や洋服の代わりに、着飾った人間が座っているのです。契約済みの窓は、カーテンでシャットアウト。

 愛想をふりまいている女、無表情の女などさまざま。半数は有色人種で、豊満な肉体美を誇示している人も。「20年前は全員が白人だった」と夫は言っています。オランダを取り巻く環境が変わったのでしょう。

 「飾り窓」があるすぐ側に、大聖堂「旧教会」が建っています。もともとは13世紀建築のカトリックの聖堂でしたが、オランダがプロテスタントに変わった時点で、カトリック式の聖人像や装飾はすべて取り払ったとか。オランダキリスト教のシンボルのような地に、「飾り窓」がある可笑しさ。こんな不可解なことがあるからこそ、人間は面白いのかもしれませんが。神田明神の近くには、江戸幕府公認の遊郭があったとも聞いています。「古今東西いずれも同じ」という言い古されたフレーズが浮かんできますね。

 
残念ながら「飾り窓」の写真はありません。ヤーさんに、からまれでもしたら恐怖。同じ女性として、こんな写真を撮られて嬉しい人はいないのではの配慮もあります。

 このページに彩りがないのは寂しいので、3枚どうぞ。左は、花市場でのスナップ。花の季節が過ぎたので、球根が山積みになっています。中は、チーズ工場。民族衣装でチーズが出来るまでを説明してくれました。右はあちこちで見かける民家の「飾り窓」。外側に鉢が置いてあるところをみると、通行人に見られる前提で、飾っているとしか思えません。カーテンを開けてある家もあり、いたってオープンでした。  続きは来月。 (2002年8月2日記)















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