アイスランドの旅 2 
 クヴェラゲルジ

2018年8月24日(金)-3日目

同じチャーター便のツアーは、全コースとも7泊9日。グリーンランドまで行くコースやほぼ1周するコースもあるが、私が参加したのは空港と首都に近いところを回っているので、時間に余裕がある。オーロラ観測に備えてゆっくり休めということらしいが、オーロラに執着のない私はあまり有難くない。

今日はまるまる1日、クヴェラゲルジアイスランドの旅1の地図参照)という小さな町で過ごすことになっている。集合は10時なので、その前に個人で歩いてみた。

アイスランドのどの町もそうだが、ゴミも落ちていないし、浮浪者らしき人もいない。住宅の手入れも良くて、余裕を感じる(左)。

美観をそこなう看板もなく、清潔で垢抜けしている。馬や羊以外の動物はいないとか。だから、犬の糞がころがっていることもない。虫もいないので、無農薬栽培が当たり前らしい。

ところどころに温室がある。地熱地帯にあるので熱源は地熱で料金も安い。トロピカルフルーツやコーヒーなども栽培しているそうだ。地熱だけで作っているレストランもあった。夕食はついてないのでここで食べようと思い外観だけを見たが、結局、夕食はもっと簡単なもので済ませた。

 
噴煙が上がっているクヴェラゲルジ  左の建物がレストラン
 
レストランの外部でEarth cooking の実演


添乗員との散策で最初に訪れたのは、評判のパン屋。見るからに美味しそうだ。次はボーナスという全国チェーンの食品スーパーマーケットへ。北国だから野菜や果物は乏しいのかと思いきや、山積みにされている。ただ日本に比べ野菜の種類は少ないようだ。冷凍製品や肉類と常温でもいい製品とは、隔離されていて合理的だなと思った。

 
焼きたてパン屋


 
BONUSという全国チェーン店のスーパーマーケット

ジオパークに入場した。ところどころに熱い湯と噴煙が出ている。最初にゆで卵を作ってくれたが、箱根の大涌谷の黒卵を知っているわれわれには、当たり前すぎて感激の声もあがらない。ジオパークとて、大涌谷の噴煙のほうが豪快だ。火山も温泉もない国からの旅行者には珍しいのかもしれない。

 
ゆで卵

 
ジオパーク

散策は続く。新学期が始まったばかりの学校の昼休みで、子ども達が遊んでいた。サッカーをしている男の子もいた。2018年のワールドカップで、アイスランドは強豪そろいのヨーロッパの代表を勝ち取った。人口34万人の国が出場し、しかも一次リーグではアルゼンチンと引き分けて、世界を驚かせたのは記憶に新しい。

「なぜ強くなったと思いますか」の私の質問に、後日アイスランドのガイドが「夜が長い冬の季節を子ども達がどのように過ごせばいいかを考えた末、屋内のポーツ、体力作りに力を入れたからではないか」と話してくれた。

 
昼休みにサッカー
 
綱にぶら下がり


帰国後の友人とのランチでアイスランド行を話したところ、「最近、テレビでアイスランドをやっていたわよ。地熱を使っての発電など日本も見習うべきだという内容だったわ」と教えてくれた。パソコンで検索したら、8月29日帰国前日の夜10時からの放映だった。テレビ東京の「奇跡の逆転国家アイスランドに学べ」というタイトル。

アイスランドが2008年に金融破綻したことは耳にしていた。破綻ニュースの前に聞いていたアイスランドは、社会福祉が充実している、平均寿命が長い、ITが発達している、1980年には世界初の女性の大統領就任という、北の果ての小さな島国とはかけはなれたものだった。

10年後の今、金融破綻の影響はほとんどないらしい。添乗員は「借金を踏み倒したのよ」と言うが、こんな勝手なことが許されるのだろうか。とはいえ、金融立国から観光立国に転換しV字回復している。今は1位が観光、2位が金融、3位が漁業、4位がアルミニウム産業。

テレビ東京ホームページで見た番組の要約によると、「クヴェラゲルジは地熱の温水をパイプで各家庭に送り、冬の暖房に使っている。地熱を利用しているレストランも温室もある。地熱発電以外に氷河を使った水力発電もあるので、再生可能エネルギーを100%使っている。だから大量に電力を使うアルミ製造の誘致にも成功している。日本が見習う点はたくさんある」。 番組のほとんどが、クヴェラゲルジ関連だった。再放送はないものか。

地熱地帯にあるホテルなので、プールも温泉を使っている。私はここで泳ぐ気にはならなかったので、こじんまりとした温泉につかってみた(右下)。

水着着用なので、日本の温泉とはまるきり違うものだ。

オーロラはどうかなとホテルの部屋から空を見る。星はひとつも見えないのであきらめた。  
         <クヴェラゲルジのオルクホテル泊>
 (2018年12月2日 記)

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