アイスランドの旅 4
 

2018年8月26日(日)-5日目

ブルーラグーンの温泉を楽しんだ後、50km離れた首都のレイキャヴィークアイスランドの旅1の地図参照)へ。ホテルにチェックイン後、バスで市の中心地に行った。

今日から3泊するレイキャヴィークの概要を説明するために、添乗員がハトルグリムス教会、首相官邸、国会議事堂、市庁舎などを案内してくれた。

散策の最終地点は、ホットドッグ屋。クリントン元大統領も並んで食べたというが、私たちはパス。食べた人に聞いたら「別に〜」という感想だった。

街を知るには歩かなきゃと、繁華街を通り抜けホテルまで歩いた。さっさと歩いても40分ぐらいかかったが、最高気温が10度ぐらいだから汗をかくこともない。心地よい散歩だった。左写真は夕方の気温。

夜11時に希望者はロビーに集まって、歩いて10分ほどの海岸へ。明かりがあるとオーロラは見えにくいので、人家が少ないところまでの移動だ。昼間でも10度ぐらいしかないので、夜更けの寒さはことさらだ。1時間も空を見上げていたが、見えないので引き揚げた。

オーロラは緯度が高いから見えるというものではないらしい。左図の黄色い輪がオーロラベルトだ。日本でよく知られているアラスカは、もちろんこのベルト上。

アイスランドはまさにこのベルトに入っている。グリーンランドなどは意外に見えにくいのだ。


   <レイキャヴィークのグランドホテル泊>


8月27日(月)-6日目

今日を含め昼間のオプショナルツアーは3回ある。他に夜のオーロラツアーが2回とホテルでの夕食。全部を申し込んだ人がいたが、オプションだけでひとり14万円にもなる。旅行会社が斡旋するオプションは高くて有名だが、アイスランドは飛びぬけている。私たちはツアーに参加してもオプションはパスしているが、今回は1回だけ頼んだ。それが今日だ。

スナイフェルスネス半島アイスランドの旅1の地図参照)は、レイキャヴィークの北西に位置する。左はスティッキスホルムルにある半島をかたどったレリーフ。

朝7時から夜の8時までと長丁場に昼食付きとはいえ、45,000円もする。なれない左ハンドルを高齢者の夫に握らせるわけにはいかないのでレンタカーは論外。

現地ツーはたくさんあり、ホテルまでの送迎もしてくれる。料金はおよそ半額だ。でも長時間、英語だけでやられるのはつらい。同じツアーの人も「45,000円あれば、日本なら飛行機を使って2泊3日の旅もあるけどねえ」とぼやくが、いろいろな意味で個人行動の実力がないのは情けないものだ。

40名のうち22名が参加、添乗員も同じだからツアーの続きのようなものだが、アイスランドのガイドがついてくれたのがよかった。彼女はドイツ人だが夫がアイスランド人。添乗員とのやりとりは英語だったが、ドライバーと話すときはアイスランド語だった。移住者にもアイスランド語は必須だという。

孤島ということもあるが、アイスランド語を守ろうの気概が国民全員に浸透しているので、10世紀頃のアイスランド語が今も残っている。外来語も使っていないので、テレヴィジョン、コンピュータのように世界どこでも共通語になっている言葉すら、独自の言葉を作っている。

アイスランドは長いこと人が住んでいなかったが、9世紀にヴァイキングのノルウェー人が移住。当時スカンジナビア半島の標準語だったノルド語が、他の国では廃れたのにアイスランドには残った。

国民のほとんどは英語もデンマーク語もノルウェー語も話せるらしいが、アイスランド製品にはアイスランド語の説明しか書いてない。アルファベットとは違う文字も混じっているので、買ってきた土産品の説明を読んでも想像することすら難しい。

上の文字は野外博物館でもらったパンフレット。上段がアイスランド語だが、見慣れない文字が混じっている。

日本で言えば万葉集や源氏物語の頃の言葉が連綿と続いているということになる。隣国のノルウェーやデンマークに支配された時期もあったが、1944年からは独立国家。北海道と四国を合わせたぐらいの広さに人口はわずか34万。私が住んでいる横浜の都筑区と隣の区を合わせた人口より少ない。こんなに少人数で国を支えていると思うと、それだけで感動してしまう。アイスランド人の誇りや国民性をもっと深く知りたいものだ。

横道に逸れてしまったが、スナイフェルスネス半島はガイドブックには「アイスランドの中でも特別に魅力のある場所」と書いてあった。名前が覚えにくいが、スナイは雪、フェルスは山、ネスは半島を意味する。雪山半島ということになる。氷河の下に火山というアイスランド独特の山がスナイフェルスだ。

半島までの車窓からの景色は、これまで見たと同じような溶岩の台地と牧草地と遠くに氷河。でも馬の群れが印象に残った。

 
いろいろな色の馬が群れている

 
堂々としている羊


最初に立ち寄ったスティッキスクホルムルという港町は漁業が盛んなだけでなく、ホエールウオッチングやバードウオッチングのツアーも出ている観光の拠点。丘の上に立つ赤い灯台が可愛らしい。家並みもカラフルできれいだった。

 
半島の拠点の港  丘の上の赤い灯台がかわいい
 
ホテルやレストランもある


キルキュフェトルという山は、アイスランドを紹介する写真には必ず載っているアイスランドを象徴する山だ。見る角度によっては円錐形の山だが、実際は台形。円錐形に見える場所に滝があり、山と滝の2点セットが絵になる。アイスランド人が発信しているネットで見た写真は魅力的だったが、時期も時刻も違う。私が撮った写真は世界を驚かす写真にはほど遠かった。

 
キルキュフェトル山 見る方向によって形が違う
 
キルキュフェトル山と滝


このツアーでいちばん印象に残ったのはアルナルスターピと呼ばれる海岸沿いの散策だった。海岸線は断崖絶壁、海には奇岩、遠く離れて見えるのは氷河、歩く道の両側は溶岩原。1時間ほどのこの散策が、私にはいちばんアイルランドを感じたひとときだった。

 
アルナルスターピの海岸

 
アルナルスターピの海岸

オーロラハンティングのツアー第1日目。午後9時から深夜まで見えそうな場所を目指してバス移動するのだという。結局この日は見えなかったとか。でも15,000円はもちろん返却なし。参加しない私たちは、ホテルの窓から空を見上げて早々にあきらめた。
     <レイキャヴィークのグランドホテル泊>       (2019年1月2日 記)

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