アイスランドの旅 5
 レイキャヴィーク市内

2018年8月28日(火)-7日目

昨日に続き、自由行動日。日本にいる時からレイキャヴィーク市内を歩き回ろうと楽しみにしていた。どこの国に行っても、いちばん好きな旅スタイルは街中散歩。丸々一日フリーなので、まずは中心街から離れた野外博物館に行くことにした。タクシーを使うのは能がないので、フロントでバスの乗り方を教えてもらった。

野外博物館は荒れていた農場を整備して1957年に開館した。30ほどの古い家が移築され内部を公開しているので、200年から100年前の暮らしぶりが想像できる。馬や羊も放牧されているし、カフェもある。民族衣装を着た係員もいて約2時間を飽きずに過ごした。1600クローネ(約1900円)の入場料がシニアは無料だった。日本人にはまったく会わなかったが、外国人はたくさんいた。滝や溶岩に飽きた人には、おすすめスポット。

 
野外博物館の入り口

 
入り口を入ってすぐにある広場

ここからバスに乗って中心街へ。まず国立博物館に行くべくバスを下りた。バス停がアイスランド大学に近かったので、期せずしてアイスランド大学のキャンパスも見ることができた。付属の図書館(左)も垢抜けしていた。

約3000点を収蔵している国立博物館は、ヨーロッパのベストミュージアム賞を受賞したこともあるという。入場料はシニア料金で1000クローネ。(約1200円)。

ヴァイキング時代、キリスト教を受け入れた時代、ノルウェー領時代、デンマーク領時代と時代順に展示されている。

文字を読むのは面倒だが、実物の展示はそれだけで分かったような気分になれるからいいものだ。博物館のいちばんの宝物は、トール神のブロンズ像。トール神が持っているハンマーは北欧神話とキリスト教の融和を表している十字架。

 
博物館の目玉 トール神
 
馬具


高級住宅街を抜けるとチョルトニン湖だ。レイキャヴィークのほぼ中心にある湖。白鳥に餌をやる人、ベンチに座る人、周囲を走っている人。市民の憩いの場だ。湖の角に建つ市庁舎には観光案内所もあり、丁寧に応対してくれた。

 
チョルトニン湖
 
チョルトニン湖畔にある面白い彫刻


一昨日も行った国会議事堂を再び見る。団体でぞろぞろ歩いたときには気づかなかったが、建物に「アルシンギ」の字(左)があった。
ゴールデンサークルを訪れた時に、初の議会「アルシンギ」の跡地を見た。5日後にこの字に出会えて大発見でもしたような気分だ。

 
国会議事堂
 
首相官邸


国会議事堂から歩いて5分ぐらいのところに首相官邸がある。両方とも小さい建物なのだが、繁華街に隣接している。銀座のど真ん中に議事堂と官邸が建っているようなもので、国民が政治を身近に感じているのも頷ける。

繁華街のショップを冷やかしなら、ぶらぶら歩いていたら、日本人のOL3人組に会った(左)。

夏休み4日間でアイスランドに来ているとか。「往復に2日かかるから、まる2日間しかないんです」と言っていた。4日しか休みが取れないなら、アジアにでも行けばいいのにと思ったが、彼女らはそれでもアイスランドに来てみたかったのだろう。そんなに人気がある国なの?

朝から歩きまわっているので、バスでホテルに戻ることにした。しかし現地のお金クローネがない。ちょびちょび両替しているからこういうことになるのだが、添乗員が「この国は水1本買うのだってカードが使えますよ」と言っていたので、安心していた。いざ乗ろうとしたらカードは駄目だという。流しのタクシーがないから、歩くっきゃない。


一昨日とは別のルート、海岸沿いを歩いた。このルートを選んだのは、どうしても訪れたかったホフジハウスがあるからだ。小さな建物だが、東西冷戦終結の舞台になった。1986年10月、アメリカのレーガン大統領とソ連のゴルバチョフが冷戦の終結を協議した場がここ。ワシントンとモスクワの中間がレイキャヴィークなのだ。残念ながら内部は公開していないが、部屋はそのまま残っているそうだ。今は迎賓館。

 
東西冷戦の終結の舞台ホフジハウス
 
説明板にあった当時の写真 ゴルバチョフとレーガン


道すがらのビルにはサッカーワールドカップで活躍した3選手の大きな写真が飾ってあった。ワールドカップのときには国中が興奮状態だったと聞いているが、それから2ヶ月しか経ってないのに、その残像はここでしか見なかった。歩いたからこそ見える発見はほかにもあり、街歩きの醍醐味を味わった。万歩計を見たら2万歩を超えていた。


 
サッカーチームの写真 名前は知らない
 
サッカーグッズの店に並んでいたキティちゃん



バスは現金しか受け取ってくれないとぼやいたが、現地の人はスマホを見せていた。タッチするのではなく見せるだけ。旅行者に対しても乗り放題パスのようなものがあるのかもしれないが、そこまで調べていなかった。

なにより素晴らしいのは時刻表どおりにバスが現れる。我が家の近くのバスは5分遅れが当たり前だから、びっくりした。渋滞がないということだろうけど。車内はきれいだし、車椅子が乗れる設備もある(左)。

物価が高いと前にも書いたが、バス代もたとえ1停留所でも460クローネ、約550円。

今夜も2回目のオーロラツアーの日。オプションには参加していないけど、ネットのオーロラ情報によれば、今夜は見えるらしい。「夜12時になったら前に行った海岸まで行こう」と夫と決めたのだが、いったんベッドに入ってしまうと面倒だ。冷たそうな風も吹いている。最後のチャンスなので私は行きたかったが夫が嫌だというのであきらめた。夜中にひとりで海岸まで行くのは怖い。

「1時ころに見えたんですよ」と母娘で来ている人が写真を見せてくれた。小さなデジカメで三脚も使ってないのに撮れるんだなあと、そのことに感心した。私は今後、オーロラを見るための旅はしないと思う。それだけに残念だったが、行かなかった自分が悪い。              <レイキャヴィークのグランドホテル泊>

                                                     (2019年1月16日 記)

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