カンボジアの旅4 
 

2003年12月31日(水)-4日目

今日も終日、近郊の遺跡めぐり。都がアンコールに移るまでは、シェムリアップから南東に13キロはなれたロリュオスに都が置かれていた。その当時の遺跡が、ロリュオス遺跡群だ。790年にジャヤヴァルマン2世によって、築かれた。
ここではロレイ祠堂、プリア・コー、バコンといういずれもヒンズー教寺院を回った。

以前の都という点で、飛鳥などと似た雰囲気だ。観光客も多くないし、バナナ・パパイヤ・ココナツなどの果樹が周囲を囲んでいる。繋がれていた猿も愛嬌がある。高床式の家の中に、黄色い袈裟の坊さんがハンモックに乗ってブラブラしていた。撮っていいかのしぐさをしたら、おうように頷いた。タイと違って、カンボジアの僧侶は一時的に仏門に入るという簡易なものではないらしい。


ロリュオス遺跡
 
 
ロリュオス遺跡

 
ハンモックで休んでいる僧侶


バコンの敷地内には、小学校が2教室あった。暑いからか外から丸見えだ。紺のスカートかズボン、上は白いシャツの制服を全員が着ている。よく見ると、1クラスにいる年齢がまちまちだ。学齢期になっても学校に行けない子も大勢いる。大きくなってから入学した子も混じっているとのこと。

写真を撮ってもかまわないと、ロタ君が言うので、何枚も撮った。午前の部が終わると、午後は別の子供たちが通ってくるそうだ。

レストラン「PLAZA」で昼食。しゅうまい、小龍包、餃子、ちまき、ラーメン、ジャスミン茶、バナナ、竜眼

ホテルで少し休憩

2時半 再集合

小回りコースと言われる遺跡を回る。

スラ・スランは、ジャヤヴァルマン7世による王のための沐浴場だった。東西700b、南北350b。今は池になっている。子供たちが、無心に泳いでいた。

ここらの子供たちは実にかわいらしい(左)。観光客が押し寄せるので、すれていてもよさそうなものだが、愛らしい。裸どうぜんでチャンバラや、とっくみあいのけんかをしている。その後はけろっとして、笑ってふざけあっている。

小さいお兄さん、お姉さんが赤ちゃんのお守りをしている姿も印象に残る。日本では歳のはなれた兄弟が少ないので、こういう光景は見なくなった。

バンテアイ・クデイ
ジャヤヴァルマン7世が作った仏教寺院(左下)。僧侶の砦の意だ。ここで上智大学の石沢良昭教授を中心とした上智大のチームが「274の廃仏」を発見した。石沢教授は若い頃から、カンボジアに関心を示していたこともあり、カンボジアでも信頼されているらしい。旅の前に教授の講演会があり申し込んでいたが、風邪気味だったので行けなかった。

私たちの出発より数日前から「アンコールワットを極める」というツアーが、U旅行社で開催された。石沢先生の解説付き。どのツアーもすぐ満員になってしまったと添乗員が言っていた。プノンペンや水上生活者のいる湖は訪問せず、遺跡だけをもっとゆっくり回るという。私には「極める」より、今回のツアーの方があっている気がした。

タ・プロム
1186年に作られた仏教寺院。後にヒンズー教に改宗されたらしく、仏像の多くが削り取られている。ここでの最大のみどころは、ガジュマルの木に押しつぶされそうな遺跡だ。
沈みかけた夕日がガジュマルを照らし、雰囲気を作っている。土がないところに、なぜガジュマルの根が伸びているのか、不思議。遺跡が長いこと密林の中にほっておかれたことの生き証人だ。遺跡を痛めずに木を取り除くのも大変な作業だろうが、そのままにしていたら遺跡は崩壊してしまう。

トマノン
12世紀初頭に建築されたヒンズー教寺院。小さいがフランスが修復したので、美しい姿を保っている。

チャウ・サイ・テボーダ
トマノンとほぼ同時期のヒンズー寺院。修復中だ。

 
バンテアイ・クディ  仏教寺院


 
トマノン  ヒンズー寺院

 タ・プロム

 
タ・プロム

夕食はホテルの庭でガラディナー。ガラのスペルはgala。お祭りという意味だ。もちろん今夜は大晦日。食事はビュッフェスタイルだが、昼間から美味しい物を食べ過ぎているので、ほどほどにしないと、腹がもたない。
ステージではまずクリスマスソング。日本では25日が過ぎたら、一斉にクリスマスの飾りをはずすし、クリスマスソングなど流れないが、タイでもカンボジアでもホテルはクリスマス一色だ。

次はカンボジアの民族踊り。ふと時計を見ると午後7時。日本とは2時間の時差があるので日本は9時、紅白歌合戦がはじまる時刻だ。このときだけ、ほんの一瞬、日本の年末を思い出した。私は早く切り上げたが、明け方まで騒ぎが続いていた。
                         
  <シェムリアップのシティアンコールホテル泊>

      (2019年(16年遅れて)4月16日 記)
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