コタ・キナバルの旅2
キナバル自然公園

2017年6月30日-2日目

キナバル自然公園に向かう途中、キナバル山が見える場所でストップしてくれた。 多少の雲はあるものの頂上もよく見えた。キナバル山は4101m、富士山より高い。日本人の登山者も多く、登山者の最年少8歳と最年長82歳はいずれも日本人だという。

山を臨む標高1500mのスポットには土産屋がたくさん並んでいたが、特に欲しい物はない。ツアーのみなさんと食べるために、バナナ1房を買った。とろけるように美味しかった。

 
標高4101mのキナバル山

土産物屋。スカーフをかぶっているイスラム教徒もいる 


私たちは登山のまね事すらしないが、山の麓に広がる自然公園を満喫することになっている。公園一帯は標高1500m以上なので、日中でもかなり涼しくて気持ちいい。シンガポールが入ってしまうほど広く、2000年に世界遺産に指定された。

若い時から密林という響きに憧れていたが、普通のツアーだからジャングル体験などしない。その代わりなのか、ジャングルごとき植物園(下の写真)を歩いた。蘭の原種やイチジクの原種なども見たが、品種改良された見事な蘭を見慣れていると、原種がいかにも貧弱。植物ってそういうもんなんだろうなと妙に納得した。




ボルネオには7900種以上の植物が生息していると言われているが、そのなかでも有名なのはラフレシアという花。世界でいちばん大きい花で直径が150cmのもあるという。9か月間は蕾で、花の最盛期は3〜5日。葉や茎がなく光合成のための葉緑体を持っていないので、他の植物に寄生して咲く。珍しい花であることは確かだが、写真を見て「本物が見たい」の気は起こらなかった。

植物園を出てしばらく走ると「今日はフラレシアが咲いています」の大きな看板が出ていた。ワンさんが「開花して数日。明日には枯れてしまいます。こんなチャンスはめったにないから、行きたい人は別料金ですが行きましょう」と言う。

山の私有地に咲いているので、10歳ぐらいの子どもが花のところまで案内してくれた。しおれかけていて、お世辞にもきれいな花ではなかったが、植物大好きな友達には話してみようと思った。料金は1人300RM。およそ900円弱。これだけあればレストランで夕食も食べられるから、いい商売をしているもんだ。でも現地に住んでいる人のブログには「旅行で見られる人は超ラッキー」と書いてあった。有難く思わねば。

 
私たちが見たラフレシア。枯れる寸前

 
マレーシアのサイトに載っていたフラレシア。最盛期はこんなにきれい

昼食後、キナバル公園の中にあるキャノピー・ウオークに行った。熱帯雨林のてっぺん付近に綱を張り、歩けるようにした吊り橋だ(左)。地上41m。「吊っているロープが切れたら絶対に命は助からないな」と思いながら渡った。

やっと渡り終わったと思ったら、まだ3本も残っていた。谷底を見る余裕などないから、ジャングルの素晴らしさを堪能できなかった。小さい頃はジャングルで活躍するターザンの物語を夢中で読んでいたのに、なんてこったと思わないでもない。元々は自然や動物を観察したりするために作られた吊り橋だが、今は自然公園一番の目玉となっている。

その後、近くにあるポーリン温泉に行った(下の写真)。ポーリンとは土地の言葉で竹のこと。太平洋戦争中に日本軍が掘り当てた温泉が、今もマレーシア人の憩いの場になっている。

ここ数日はラマダン明けの休日とのことで、たくさんの子ども達が戯れていた。裸で入る日本の温泉とは違い、水着着用。中にはTシャツ姿の若者もいる。どのように利用するかは、国民性によるのだろう。

「足湯もどうぞ」とワンさんは言うが、靴下を脱ぐのが面倒なのでやめた。寒い季節なら足湯をする気にもなるが、なんせ熱帯にいるのだから、温めるという気が起こらない。


    (2017年11月16日 記)

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