コタキナバルの旅3 
 ガラマ川のリバークルーズ  北ボルネオ鉄道

2017年6月30日(金)-2日目

キナバル国立公園の一帯を楽しんだ後、バス移動でガラマ川の河口へ。茶菓子のサービス後、クルーズに出発した。ライフジャケットをつけて万一の事故に備えるが、川はとても穏やかで転覆しそうにはない。両側はマングローブやヤシの熱帯林。熱帯林が好きな私には飽きない風景だ。テングザルが見えるということだが、高い木の上にいるのでよくわからない。かわりにカニクイザルを見たけれど、さして珍しい猿ではない。


夕食をとったのは、南シナ海に面したレストラン。途中海岸線を走っている時に、めったに見られない美しい夕やけを見た。「熱帯の夕焼けだなあ」とカメラに収めたかったが、バスは停まってくれない。「もうすぐレストランに着くし、そこで見られます」とワンさんは言うが、着いた時には感激した空ではなくなっていた。でも牛がぞろぞろ海岸線を歩いて来たり、非日常の世界だった。

 
南シナ海の夕やけ

 
南シナ海に牛がぞろぞろやってきた

夕食後また同じ川に戻って夜のクルーズに出発した。「無数の蛍が光っていて、まるでクリスマスツリーのようだ」と旅行のパンフレットにあった。本気にはしていなかった。裏切られることが多いからだ。

ところが、このうたい文句は本当だった。昼間見たマングローブの木に無数のホタルがいるらしい。一斉に光を放った。クリスマスツリーの形容は正しかったが、残念ながらクルーズ船からでは写真を撮れなかった。左写真は現地ツアーのサイトから借りた。

船頭が「メリークリスマス!」と言いながら、懐中電灯を照らすと、それに反応してぴかぴか光り出す。メリークリスマスの言葉を理解できるはずはないから、懐中電灯を仲間と間違えたのか、数匹は舟まで飛んでくる。私の手の中にも止まってくれた。こんなに身近に蛍の光を見たのは初めてだったので、とても優しい気持ちに包まれた。はるばる日本からきたお客さんに挨拶に来てくれたんだなと解釈した。

ホタル(主にゲンジボタルとヘイケボタル)の写真撮影に情熱を燃やしているメル友さんにこの話をしたら、ボルネオのホタルのことを知っていて、羨ましがられた。ちなみに、ここは熱帯だからか、いつでも見られるそうだ。

帰路は2時間もかかり、ホテル到着は10時になっていた。14時間半も出ずっぱりだったが、特に疲れる事はなかった。大自然の中にいたからだろう。         <ヒルトンコタ・キナバル泊>

7月1日(土)-3日目

今日は北ボルネオ鉄道に乗車するだけというゆったりスケジュールになっている。イギリスの北ボルネオカンパニーが、農園の作物を運搬するために作った鉄道で、1896年に開通した。

その路線を2011年に観光列車として復活させた。週に2回それも1日に1回しか運航しないので、予約を取るのが難しい人気列車。日本円にして1万円もするらしいが、ツアー代金に含まれているのでよく分からない。乗客のほとんどは外国人。

ホテルを9時15分に出発。15分で乗車駅のタンジュン・アル駅(左路線図の@)に着いた。まず事務所でチェックインしてパスポートをもらう。パスポートと言っても単なるスタンプ帳ごときもの。

10時の発車までは、薪を焚く蒸気機関やクラシックな内装の写真を撮って待つ。席につくやいなや植民地時代そのままの制服を着た乗務員が、冷たい紅茶を持ってきてくれた。しばらくすると朝食。ホテルで食べているし、昨日からお腹の調子がよくないので自重したが、パン類が美味しそうだった。ヤシの木やバナナの木が茂る農村地帯を走り抜ける。冷房はなく天井の扇風機がまわっているだけだが、ときどき風が吹くので救われる。 

40分ほど走ったキナルート駅(路線図のA)で途中下車。すぐ近くにある市場を見て回った。ここの人たちは観光客に慣れていないのか、高い料金をとるようなことしないので気持ちがいい。中華料理によく使う干し海老を買った。

11時半ころ終点のパパール駅(路線図のB)に到着。列車の向きを変えるので、発車までの30分間はパパールの街をワンさんと一緒に歩いた。列車に戻ると昼食の4段重ねの弁当が運ばれてきた。お腹の調子は回復しないので、ワンさんに食べてもらうことにした。ガイドには弁当がつかないのだそうだ。みんなが食べたいなあと思った頃を見計らってアイスキャンデーのおやつ。午後2時頃、出発地のタンジュ・アル駅に戻ってきた。外国で列車に乗ったのは10回をくだらないと思うが、北ボルネオ鉄道もなかなか優雅な体験だった。

 
北ボルネオ鉄道の切符売り場
ガラスに写っているのはマレーシアの旗とサバ州の旗

 
出発のタンジュン・アル駅を上から見下ろす
 
蒸気機関車


 
石炭ではなく薪を焚く
 
クラシックな車内。朝食や昼食も出た


 
終点パパールの観光を終え駅に戻る


コタ・キナバル市内でチョコレート店2軒と民芸品店に寄った。マレーシアで収獲したカカオの実を使って、他国で作ったものを売っている。たくさん試食させてくれたが、日本でも買えるようなものを溶けるのを心配しながら持ち帰ることもないと、何も買わなかった。 

その後は自由行動。ワンさんが用意した夕日見学のオプショナルツアーには誰も参加せず、それぞれが買い物やホテルのプールで過ごした。<ヒルトンコタ・キナバル泊>     (2017年12月2日 記)

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