コタキナバルの旅 

2017年6月28日(水)〜7月3日(月) 


コタ・キナバルはどこにあるの? 
キナバル自然公園
ガラマ川のリバークルーズと北ボルネオ鉄道
コタ・キナバル市内観光

コタキナバルの旅1
コタ・キナバルはどこにあるの?

2017年6月28日(水

集合が朝の7時半なので、19時10分たまプラーザ発のバスで成田に向かい、東急インに宿泊。

6月29日(木)-1日目

わずか10名のツアーだし、添乗員がいないので全員集合の挨拶はない。集合時刻に遅れても迷惑をかけないことは分かっていたが、長年の習慣で7時半前にカウンターで手続き。チェックインして荷物検査を受ければ何もすることがない。出発までは文庫本で暇つぶしをした。

今回の行先はコタ・キナバル。コタ・キナバルと言っても通じない人が多い。コタ・キナバルはマレーシアの都市名だが、首都のクアラルンプールからは海を隔てたボルネオ島にある。マレーシアは下の地図の白い部分で、海を隔てて2つに分かれている。

「なぜボルネオなんかに行くの?オランウータンしか思い浮かばないんだけど」と友達に言われた。明快な目的などない。旅は平凡な毎日を送っている私が刺激やワクワク感を得たいから行くようなものだ。

10年ほど前だが、近所の武蔵工大(今は東京都市大に改名)に、マレーシアから来ている留学生がいて2〜3度会ったことがある。「マレーシアのどこ?」と聞いたら「コタ・キナバルです」と答えた。真珠湾攻撃とほぼ同時にマレーシアの「コタ・バル」を攻撃したことを聞いたことがある。てっきりその都市かと思ったが、ボルネオ島にあるという。「ジャングルもあるし、リゾートとして開発が進んでいます。観光地として発展すると思います」というお奨めが頭の片隅にあったことは確かだ。

 

今年は属している趣味の会の幹事をしていることもあって、10日以上の長旅はしにくい。この旅を選んだのは、日程の短さはもちろん飛行時間が6時間。時差も1時間しかない。代金もお手頃。おまけに宿泊はヒルトン。「国内旅行より安いわ」と旅立った。安いツアーなので添乗員はいない。現地ガイドのみ。旅行会社はH社。

成田発(9時30分)→マレーシア航空でコタ・キナバル着(14時40分

空港には63歳のワンさんが待っていた。ワンだから漢字では王と書くのだろう。後で聞いたのだが、華僑だった先祖がマレー系の女性と結婚したので「私にはマレー人の血もまじっています。だから色が少し黒いでしょう」と、早口の日本語で話した(左)。

彼はもともと地底ケーブル関係の技術者で日本に数年間いた。NTTでも研修したことがあるという。友達がたくさんいるので、1年に1度は日本に遊びに行くそうだ。奥さんは教師、子ども3人は医者、薬剤師、看護師などの専門職なので、ボルネオではエリート。

「ガイドの仕事がしたくて、定年前にガイド業を自分で始めたんです」と、良い御身分ではある。「仕事を取るのは他の旅行会社との競争だけど、ワンさんにという指名も毎年あるので嬉しいんですよ。特に慰霊の旅の遺族たちは毎年来ます。この秋には100名以上の慰霊団が来ます」とのことだった。

太平洋戦争での激戦地は有名な所は知っているつもりだが、ボルネオは知らなかった。数種の資料にあたり次のようなことが分かった。

「連合軍は上陸した地点を占領したが、まもなく終戦を迎えたため戦略的には大きな影響はなかった。でも日本軍は4700人以上が戦死または戦病死した。連合軍はオーストラリア兵569人が戦死、約1400人が負傷した」。密林での転戦は、さぞ苦労したことだろうと70数年前に思いをはせる。「最初の頃は、奥さんや親御さんが慰霊に来ましたが、最近は子供や孫です。いつまで続くかですね」

戦略的には大きな影響がなかった戦いで4700人以上が犠牲になった。本人や家族の無念を思うとやり切れない。

ワンさんの説明は続く。「外国人観光客は1位が中国、2位が欧米、3位がシンガポール、4位が他の東南アジアの国、5位が韓国。日本は6位です。日本から近い割にはあまり多くないんです。みんなに良さを知ってもらいたいです」

丸4日間、フリータイムをのぞく時間をワンさんと過ごしたことは、ボルネオを知るには良い機会だった。

15時30分にはホテルに到着。オープン後半年しか経っていないし、なんといってもヒルトンなので心地よい。テレビをつけると、私の名前入りで挨拶が入っていた。(左)

市内レストランに行くための再集合は18時なので、ホテルの周辺をブラブラした。大衆食堂のようなレストランが並んでいるが、夕食にはまだ早いので閑散としている。こういったアジア独特の街は見慣れているので、早めに戻った。

夕食は海鮮中華。10名しかいないので、丸テーブルを囲むにはちょうどいい。いつもこんな風に食事をするので、短い旅の割にはみなさんと親しくなった。                          <ヒルトンコタ・キナバル泊>

6月30日(金)-2日目

朝7時半にホテルを出て戻るのは夜10時の予定。昨日はゆったりしていたが、今日の行程は密だ。

まずコタ・キナバルから東にあるキナバル自然公園に向かう。バスの中でワンさんがボルネオ島の概要を話してくれた。

「ボルネオ島は世界で3番目に広い島ですが、3つの国に分かれています(上の地図参照)。南はインドネシア。北のほとんどはマレーシアで、その中にブルネイがあります。ちなみに、いちばん広い島はグリーンランド、2番目はパプアニューにギア。ボルネオのサバ州とサラワク州は東マレーシアとも呼ばれていますが、東マレーシアという国はないので、あくまでマレーシアの一部です。でも2つの地域は距離的にも離れているので、あまり行き来がありません。クアラルンプールに行くのは、香港に行くより時間がかかるんですよ」

ブルネイは、コタキナバルからとても近い(上の地図参照)。産油国なのでとてつもなく金持ちということで有名だ。フリータイムにでも行ってみようと思っていたが、丸1日必要だという。フリータイムは半日が2度なので適わなかった。

ボルネオにある通称東マレーシアは、独立した方がいいと考える人もたくさんいるが、石油などの資源が豊富なので、クアラルンプール側が手放さないそうだ。

宗教も微妙に違う。マレーシア全体ではイスラム教徒が多いが、ボルネオのサバ州はキリスト教徒がいちばん多い。ワンさんもキリスト教徒。キリスト教徒が多いのは、あちこちに「天主教会」の看板があることからも分かる。ヨーロッパの教会とは雰囲気が違うであろう内部を見たかったが、看板を見ただけ。街中ではあまり見なかった「天主教会」の看板は、キナバル山に行く道すがら、やたら目についた。
          (2017年11月2日 記)

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