モンゴルの旅3 2016年7月4日(月)-3日目 カラコルムのエルデニ・ゾーンの見学が終わり、午後はツエンケル温泉のゲルに向かう。ハラホリン(カラコルム)一帯は、温泉の保養地として知られる。「朝青龍の父はこの辺りの出身です。だから朝青龍が経営するリゾート施設があります」とアリさんは説明してくれたが、私達が泊まるのはツーリストゲルだ。少し奥まっているツエンケル温泉を訪れるツアーは少ないが、ここに2泊する。 たどり着くまでが大変だった。大型バスでは入れないので、途中ペテルレグという町で3台のワゴン車に乗り換えた。基本的には草原だが、ぬかるんだ道や川もある。やれやれ、揺れること揺れること(左)。 バスの揺れは激しかったが、放牧の馬、牛、ヤク、羊の群れには癒された。 2泊するツエンケル温泉(モンゴルの旅1の地図参照)のゲルは、前日のゲルに比べ快適だ。トイレやレストランや風呂が外部ということは同じだが、清潔だ。とくに温泉の露天風呂は良かった。左写真は露天風呂がある施設。男女が分かれてないので水着を持参した。前日の水しか出ないシャワーに比べると極楽。 旅行会社のパンフレットには「露天風呂から満天の星空をお楽しみください」と書いてあったが、これは不可能なのだ。風呂に入れる時間が決まっていて、その時間は明るくて星など見えない。私は日本にいても星空に興味があるわけではない。でも満天の星空は是が非でも眺めたいとは思っていた。でも実際に星空が見えたのは夜中だったらしい。 添乗員が起こしてくれたので、ゲルの外に出てみたが、眠気を我慢して写真を撮る気は起こらなかった。三脚も持参していない。今回は星の撮影を目的にしている方が数人いた。24名のなかで本格的な眼デジを持参した人が10名ぐらいいた。普通のツアーではこんなにいない。三重県から父親と来ているヤング水谷さんがデジカメの画面で見せてくれた。素晴らしい写真だったので、HPを作る時には使ってもいいかと聞いたら、快諾してくれた。(下の写真) <ツエンケル温泉のゲル泊> 7月5日(火)-4日目
他国のことを心配する必要もないが、遊牧民がゼロになったら家畜たちはどうなるんだろう。家畜から得られる肉、乳製品、羊毛、カシミヤ製品などはどうなってしまうんだろう。
馬乳酒と乾燥チーズをふるまってくれたが、もともと下戸なのに飲んで気持ち悪くなったら困る。なめる程度で隣の人に回したが、ちょっと酸っぱい酒。 驚いたことにテレビも冷蔵庫もある。よく見たら太陽光電池のパネルやパラボラアンテナが外に設置してあった。ツーリストゲルには電気がないのに、現地人のゲルには電気が来ているのだ。でも電話はもちろんケータイ電話も通じない。住所も決まっていない。でも「○○さんは××月には、あの辺りに移動している」と見当がつくので、手紙は郵便基地までは届くらしい。 6月から8月は夏休み。子どもたちが私たちを珍しそうに取り囲む(左)。「休みでない時は学校はどうしているの」の質問に「アロハンガ県の寄宿舎や親戚の家から通っている」の返事だった。私は教科書を見たかったが、家には持ち帰ってないようだ。夏休みの宿題など面倒なことはないらしい。その代わり、家の手伝いをしながら自然に親しみなさいという教育方針なのだろう。 次は乗馬体験。夫と私は乗馬体験に参加しないことにした。ガイドのアリさんが「お客様で落馬した方がいます。実は私も3度も落ちたんです。おとなしい馬はお客さんが乗るので、私はどうしても暴れ馬になってしまうんです。馬が窪みに足を取られることもあります」と、真剣な顔で言う。草原を疾走する馬の群れを見たくてモンゴル旅行に参加したとはいえ、見るのと乗るのは大違い。この歳になって骨折でもしたら寝たきりになりかねない。心配しながら乗るほどのことはないので止めようと思ったのだ。なぜか夫まで乗らないと言う。 乗馬と言っても自分で手綱を取るわけではなく、夏休みで帰っている中高生が馬を引いてくれる。結果的にはみなさんが満足げな顔で戻ってきた。私はみんなを待っている間、放牧されている馬の仕草を観察しながら数十枚の写真を撮った。濃淡の茶色い馬や白い馬は珍しくないが、牛のホルスタインのような模様がある馬がいた。馬は羊や牛よりも「お友達感」が強い。ゲルのすぐ近くにいるので、恐怖感を忘れてしまう。でもこの日も疾走する馬の群れを身近で見る機会はなかった。きのうの夕方、ねぐらに帰る馬数十頭が固まって走っているのを見たが、車窓からでは遠すぎた。蹄の音も息遣いも聞こえなかった。
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