ネパールの旅4
 タルー族の村とチトワン国立公園

2018年1月27日(土)-4日目

午前中は、タルー族が住む村を訪問することになっている。タルー族は、このチトワン渓谷など山岳地帯に住む先住民族で、ネパール全人口の約7%。

ホテルの前には3台の牛車が待っていた(左)。旅行者が喜ぶだろうとの配慮だが、舗装していない道はガタガタだから埃はたつし、乗り心地もよくない。覆いがないから寒い。道路脇のバナナの木も埃のために緑ではなく黄土色になっている。

でもタルー族の村人の笑顔は良かった。この村を訪れる観光客はかなり多いと思うが、拒否する風でもなく自然体で迎えてくれた。家は土製だが、快適そうだ。ベッドが置いてあったので、土の床で寝るわけではない。屋根は藁葺きだろうか。

井戸の周りでおしゃべりしながら洗濯する女性たちは、手と口の両方を動かして楽しそうだ。子ども達もたくさん寄ってくる。村の子は学校に行かないのかと思ったが、今日は土曜で休みだった。はじけるような笑顔、幼子の面倒を見る10歳位の子。70年位前の日本では日常的に見る光景だった。

 
村の入り口の家

 
共同の洗濯場
 
家の入り口

 
小さい子の面倒を見ているおにいちゃん
 
焚き火を囲んでおしゃべり

 
牛も共存している

次もガタガタ道を今度はバスで走り、ラプティ川のジャングルクルーズへ。船乗り場の近くに大きな2頭の象がいた。「前に事故があったので、象乗りは止めました」と添乗員は申し訳なさそうに言うが、私は乗りたくなかったのでホッとした。タイのチェンマイで1時間ぐらい象に乗ったことがあるが、急坂を降りる時の恐怖は忘れられない。

ジャングルクルーズは何度か経験があるが、こんなに小さい舟は初めてだ。6人乗りの縦長のカヌーで、心もとない。突風でも吹いてきたらひっくり返えりそうだ。「運が良ければサイやワニに会えます」と旅行会社のパンフレットに書いてあったが、岸辺にべたっとしているワニなんか面白くない。サイもいなかった。

同行者のHさんは鳥を専門に撮っているアマチュアカメラマン。重いレンズつきのカメラで嬉々として鳥を撮っていた。ネパール固有の鳥もいるらしく説明してくれるが、猫に小判だ。ちなみに私の眼デジでは遠くにいる鳥など小さく写るだけで、できあがった写真は破棄したいぐらいだ。


船乗り場の近くにいた象が私たちに挨拶してくれた 

 
ラプティ川のクルーズ

ホテルに戻って昼食後、チトワン国立公園に向かった。チトワン国立公園は東西80q、南北23qと広大で1984年に世界遺産に指定されている。インドサイ、ベンガルトラ、ヒョウーなど哺乳類が40種、野鳥は500種もいるとガイドブックには書いてある。

 
ワニ園にはたくさんのワニがいた

 
カワセミ 

孔雀 
 この後、羽を広げた
 
モリスズメフクロウ  
Hさん撮影 スズメにもフクロウにも似ている


最初にワニ園を見物。ワニぐらい、愛されていない可哀そうな動物はいないのではないかと私は思っている。でも檻の中にいる全部で100匹以上のワニの集団は、ある意味みものだった。

ジープに分乗してサファリが始まった。もともとは午前中に行く予定だったが、なぜか午後。南部アフリカのザンビアでサファリに参加した時に「動物は午後になると出てこない」と聞いていたので嫌な予感がしたが、予感通りになってしまった。

屋根のないジープはまともに風を受けて、寒いったらない。おまけにガタガタ道だから埃が舞い上がる。「サイに会うのが楽しみ」と話す人が多かったが、走れども走れども動物はいない。ときどき鳥が飛んでいるが、喜んでいるのは鳥を撮っているHさんだけだ。もっとも羽を広げた孔雀にはみんな歓声をあげた。

サイどころか、最後の方にやっと見かけた哺乳類は鹿とイノシシ。鹿は日本でも増えすぎて作物を荒らすので評判がよくない。私も長野県などで鹿の群れには遭遇している。イノシシだって畑を荒らしている。

ガイドのランさんの「最後に鹿とイノシシが見えて良かったですねえ〜」と誇らしげな言い草に、怒る気もしない。

夕食をとりながらタルー族の民族舞踊を見物(左)。「午前中に洗濯していた女性が踊っているということもあり得るね」とツアー仲間と話したが、衣装が違うので見分けはつかなかった。
<タイガーランドサファリリゾート泊>

(2018年5月2日 記)


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