八戸のえんぶり祭りと青森屋の旅 4
 

2020年2月19日(水)-2日目

午前中の根城行きのつづきを書いている。

バスで中心街に戻り、江戸時代の八戸城跡を見に行った。「市役所の近くの三八城公園に碑が建っています」と根城のガイドに聞いたからだ。八戸城址という大きな石碑と近くに本丸跡の小さな石碑があるだけだった。戦国時代後の城だから天守閣などなかったのだろうが、あまりにも寂しい。盛岡藩と八戸藩に分離するときに盛岡は8万石、八戸は2万石だったというから小規模ではあったとしても。

城址の石碑から少し奥まったところに、八戸南部氏の初代・南部直房の銅像があった。根城を築いた師行と八戸南部の直房の2つの銅像の意味がよく分かった。ツアーなどでは決して訪れそうにない散策は、これだから止められない。

 
 
江戸時代の八戸城址跡 
 
南部会館 旧藩士の屋敷
 
八戸南部氏の南部直房像


市役所つまり八戸城址の向かい側に由緒ありそうな門がありお休み処「南部会館」とあった。「無料ですからどうぞ。休憩もできますよ」と勧められ中に入った。旧藩士の屋敷を会館にして市民に開放している。

「観世流の謡と仕舞もありますから」と言われ、私は謡曲など退屈でしかないが、夫が金春流をやっているので、付き合った。夫がやっているような素人の発表会ごときものだが、こうした芸能も23万人ぐらいの市に根付いているのは旧城下町だからだろう。


会館にいる間に2度も「えんぶり」の組がやってきた。会館の責任者の方と、謡曲を抜け出した私ら数人しか見ていないのだが、広場などでやるのと同じように熱心に踊っていた。

                        <八戸 ドーミーイン泊>

2月20日(木)-3日目

ドーミーインは朝食夕食もなしで予約したが、ネット情報では朝食がいいという。ビジネスホテルにしては朝食1500円は少々高いが、その価値は十分あった。八戸名物の食がビュッフェ形式でテーブルに並んでいる。鶏肉やごぼうのささがきや舞茸やネギの具材と南部せんべいが入っている「せんべい汁」。ほかの2か所で食べたのだがここのがいちばん美味だった。「ぶっかけ丼」もおいしい。マグロ、イカ、とろろ、メカブなどをすし飯の上に好みで並べる。新鮮なせいか、おいしい。

「サバ」も八戸の名物だ。「日本一脂ののったサバ」と評価されているとか。前に来た時にはサバ尽くしの料理屋に連れて行ってもらったが、刺身、焼いたもの、煮たものなどすべてサバ。美味しいとは言え少し辟易したが、ここはビュッフェだから少しずつ摘まんだ。どれもこれも美味しくてたくさん食べたので、2日間とも私は昼食を抜いた。

今日は三沢市にある星野リゾートの青森屋に移動する。八戸駅からホテルまで無料のバスが出るので、八戸駅まで移動せねばならない。中心街から八戸駅までのバスは頻繁にあるのだが、本八戸からのJRの切符を持っているのでもったいない。でも1時間に1本しか通ってない。新幹線がほぼ1時間に1本だから合わせているようだ。

何度か通った駅までの道を今日も歩くことにする。途中でまた「はっち」に寄った。2日前に行ったときは夕方だったので、高校生が勉強している姿が目立ったが、今日は午前中だけあり、子供連れのお母さんやお年寄りが楽しそうに集まっていた。偉人コーナーでは安藤昌益や三浦哲郎が八戸出身だと知る。安藤昌益の博物館が近くにあったのに見損なった。下調べをしていないとこういう残念なことも起きてしまう。

 
はっち  えんぶりの烏帽子作りの講習会

 
はっち  どこもここも垢抜けしている

歩いているとお囃子の音がする。またえんぶりの組が市中を回っている。懲りずにカメラでバシャバシャやるが、これは!というシーンは得られない。

 
駅まで歩いているときに出会った「えんぶり」組

 
こうした雰囲気のある店もある

八戸から八食センター行きのバスが出ているので乗ることにした。八食センターはどのガイドブックにも「食のテーマパーク」として載っている。観光客向けの市場はおうおうにして、値段が高く、ここも横浜のスーパーよりも高いぐらいだった。生のほたてや生牡蠣はおいしそうだが、旅の途中とて買うわけにはいかない。それでも乾物を数種買った。ここにも「えんぶり」の組がいた。ちょっとした観光スポットには出没するようだ。 さすがにカメラを向ける気はしない。

   (2020年9月2日 記)

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