福知山・竹田城・丹波・明石の旅3 
 

2019年11月20日続き

今日の宿泊地は朝来(あさご)市和田山である。前回に続き和田山に泊まることにしたのは、ネットで「朝靄の竹田城見学ツアーつき」という宿を見つけたからだ。竹田城も朝来市にある。

後で分かったのだが、生野銀山も朝来市。父は「七十余年を顧みて」という自分史ごときものをまとめて、子ども4人に配ってくれた。その時にはざっと読んだだけだったが5年前に福知山や和田山を訪ねるにあたっては、父の書き残した一文が参考になった。よく話していた丹波とか和田山が、祖父の出身地として細かい住所(兵庫県朝来郡和田山・・)まで書いてあった。 左は以前は一族だった安積Kさんの家。



前に来た時にY子さんから「和田山には遠く遡ると一族だった安積Kさんがいる」と紹介してもらったのでお邪魔した。

曽祖父の墓(寺ではない私的な墓地)や、開いていた塾跡を案内してもらったが、それ以上の情報は得られなかった。

住職は、宿に入る前に竹田城が展望できる高台に連れて行ってくれた。靄こそ出てないが、夕暮れの竹田城遠景は幻想的だった。

「そういえば竹田駅の近くに4つの寺が並んでいるけど、そのうちの浄土宗の寺が安積家の菩提寺らしいと言ってましたね。寄ってみますか」と、Hさん夫妻は私の気持ちを察してくれる。

住職は浄土真宗だが、父の先祖の安積家は浄土宗。浄土宗知恩院派の「法樹寺」に寄ってみたが「安積という墓はたくさんあります。住職がいないから後で電話してください」と言われたが、電話はしそびれた。

曽祖父は長男にも関わらす、家督を継ぐことをよしとせず飛び出したと聞いている。自分の力で生きると「自生軒」と名乗ったほどなので、菩提寺などないような気がした。父さえしなかった菩提寺探しを私がすることもないと思った。どっちにしても私は安積を継ぐ身でもない。

 
竹田にある浄土宗知恩院派の法樹寺
 
和田山の宿


和田山の宿は料理屋も兼ねているからか、夕食は但馬牛など豪華だったが、設備はイマイチ。目的が朝靄の竹田城見学だから仕方ない。 <和田山の有斐軒泊)>

11月21日(木)

竹田城が全国的に知られるようになったのは、ここ数十年のことだ。1989年に映画「天と地と」、2012年に高倉健と田中祐子主演の「あなたへ」のロケ地になった。有名になった理由は他にもある。円山川をはさんで対岸の立雲峡からながめる竹田城が、天空の城に見えるからだ。5年前は竹田城跡には行ったが、天空の城など見ていない。是が非でも朝靄に浮かぶ城をこの目で見たい。

朝の5時に宿の前にマイクロバスが来てくれた。竹田駅でも10人ぐらいピックアップして立雲峡に行った。前日も前々日も雨模様だったというが、今日も上天気ではない。でも駐車場に着いた頃は、雨は降っていなかった。山道を登ること30分で第3展望台に着いた。

 
展望台までの山道の紅葉がきれいだ

 読売テレビのクルーも来ていた

 
空手をしているポーランド人。東京で大会があるとか
 
何枚撮っても駄作ばかり


絵葉書で見るような完璧な姿ではないが、なんとか竹田城が雲に浮かんで見えた。三脚をかかえた男性は、「昨日も一昨日も来たんだけど駄目だった。やっと見えた」と感激していた。読売テレビのクルーもいたし、空手をやっているポーランド人もいたし、早起きして奈良から来たというご夫婦など、早朝から展望台は賑やかだ。

展望台にいる1時間、雲がすっかり隠してしまう時もあれば、一瞬の間見せてくれることもある。そのたびに、シャッターを切るのだが、三脚を使っていないし望遠とて200mmなのでたいしたことはない。それなりの写真しか撮れなかったが、3日ぶりに見えたと聞くと、ラッキーだったのかもしれない。

下の写真は宿でくれた絵葉書。良いカメラと気候に恵まれれば、こんな写真も撮れる。


マイクロバスが宿まで送ってくれてその後に朝食。宿のおかみさんが竹田城のシャトルバスに間に合うように送ると言ってくれたが、行きたいところがあるからと断った。

和田山の町を散策。4年前に訪ねた安積Kさんの家を外から眺めたあとに、朝来市役所に寄った。朝来市はきのう行った生野銀山など広範囲なのだが、中心は和田山である。和田山は山陰線と播但線の分岐点の駅なので、ご先祖さまが住んでいた頃はもっと活気があったのだろう。

朝来市役所に寄ったのは、父の父方の親戚が分かるかもしれないと思ったからだ。福知山にいる親戚は父の母方なので、父方も知りたかった。それなりの書類を持参したせいか調べてくれたのだが、結局は曽祖父の理一郎までの戸籍しかさかのぼれなかった。親戚などは分からなかったが「やるべきことはやったのだから」と長年のつかえが下りた気がした。残念なのはこういう事に興味を持ちそうな父方の従兄弟2人が亡くなってしまい、この話を共有できないことだ。
  (2021年1月16日 記)

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