出雲と松江の旅3
 

2019年5月28日

今日はゆっくりと足立美術館を見学する予定だ。JRの出雲駅から途中の松江を通過し、安来駅で下車。あいにくの雨降りだが、広い美術館の中で過ごす予定なので、気にならない。安来駅から無料のシャトルバスで美術館へ。

以前団体旅行で来た時は気づかなかったが、安来というかなり辺鄙な場所に建っている美術館だ。島根県の東端にあり、鳥取県の米子からもシャトルバスが出ている。

1970(昭和45)年に実業家足立全康氏が開館。美術館が建っている今の安来市で農家に生まれた全康氏だが、14歳の頃には商才を発揮しのちに大実業家になった。彼がこの美術館を建てたのは71歳になっていたが、92歳で亡くなったので、余生は十分美術を楽しめたに違いない。

足立氏の「庭園もまた一幅の絵画である」の意図は、行ってみるとよく分かる。庭園の中を歩き回ることはできないが、大きなガラス窓や木枠の窓が額縁の役割をしていて、そこからの庭が一幅の日本画なのだ。


庭園は50,000坪もあるというが、そこに枯山水、苔庭、池庭、白砂青松の庭、亀鶴の滝と日本美がつまっている。アメリカの日本庭園専門誌が、全国900か所以上の日本庭園をランキングしているが、2003年以来、連続日本一だという。その記念碑も建っていた。アメリカにランキングされているというのも妙な話だ。


絵画は日本画ばかり。横山大観、竹内栖鳳、川合玉堂、富岡鉄斎、上村松園などの巨匠作品が1500点もあり、年に4回は展示替えしているそうだ。庭の様子は季節ごとに変わるから、年に4回訪れたら楽しいだろうなとは思う。なかでも横山大観の作品は130点も所蔵している。訪れた時は、横山大観をめぐる人物相関図という特別展をやっていた。

陶芸館には河井寛次郎と北大路魯山人の作品が展示してあった。河井寛次郎は安来出身だという。私は民芸風の陶器が大好きなので、この展示はことのほか気に入った。

美術館内のレストランで昼食をとったあと、近くにある安来節演芸館へ。私には安来と言えば美術館ではなく、どじょうすくいの安来節なので行ってみることにした。安来節は徳川中期頃に全国で知られるようになったと自慢気な前口上があった。

200名が入れる演芸館には私たちを入れても10名ほど。いつもこんなに少ないわけではないのだろう。でも手を抜くことなく、安来節の民謡や本場の「どじょうすくい」で笑わせてくれた。

 
どじょうすくいの体験 踊っているのは同級生
なんでこんなにサマになるのか
 
安来駅前のロータリー  矢印がどじょうの絵
安来の象徴は「どじょうすくい」なのだ


どじょうすくいの体験で舞台に上がってと誘われるが、なんせ10名しかいないので、同級生2名が舞台に上がり、上手に踊ったので爆笑。彼女らにこんな才能があったことは、高校時代は知らなかった。

帰りもシャトルバスとJRを利用して松江駅に降り、今日から2泊する東横インにチェックイン。

私は今日の夕食は、2012年のフランス旅行で知り合い、年賀状だけの付き合いが続いていた松江在住のMさんと一緒にとることに決めていた。お嬢さんが東京にいて、わが家に来てもらったこともあるので、楽しい時間を過ごした。

松江には宍道湖七珍と呼ばれる名物料理がある。宍道湖でとれるシラウオ、シジミ、ウナギ、モロゲエビ、スズキ、アマサギ、コイを言うのだが、Mさんがご馳走してくれた料理には、これが全部入っていた。

 <松江東横イン泊>     (2020年11月2日 記)


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