南フランスの旅 8
モンテ・クリスト伯の牢獄 後

 飛行機が無かった時代に、日本からヨーロッパへ行く手段は、横浜港からマルセイユ港までの客船。マルセイユの港は、貿易港としても賑わっていました。かつての繁栄の港も、ヨットやレジャー用の船が停泊する旧港になっています。

 その旧港から小型船で20分ほどでイフ島に着きます。海が荒れると、島に着けない場合もあると脅かされましたが、無事着岸。左の写真は、イフ島に向かう船上から撮影。いかにも牢獄の島に向かう・・という気がしてきませんか。

 右は着岸した場所。緑がまったくない島ですが、それだけに、要塞の割れ目から見る対岸のマルセイユの街並みと青い海がきわだっていました。

  この島にイフ城が完成したのは1531年。マルセイユを敵から守るための要塞でしたが、要塞より牢獄に使う方がいい・・となり、牢獄に。逃亡不可能な理想的な獄舎でした。

 19世紀末までは、君主制に反対する者や新教徒が入れられていました。ルイ14世の双子の弟と言われる「鉄仮面」も住人。Masque de Fer(鉄仮面)の表札をごらんください。「鉄仮面」もデマの小説の主人公ですが、ルイ14世の時に、鉄の面を被せられた囚人がいたことは確かのようです。

 知り合いのHPに、鉄仮面がマグリット島の牢獄に入れられていたことが載っています。マグリット島は、カンヌから近い島。繋がれていた鎖も、見学者に見せているそうですよ。マグリット島の後にイフ島へ。最後はパリのバスチーユ監獄へ。鉄仮面は、牢獄をたらい回しされたのですね。

 現在のイフ島は、単なるモンテ・クリスト伯の牢獄見学の場。作者デマの経歴や、翻訳されている各国の本も展示されています。もちろん日本の本もありましたよ。映画も23本作られたそうです。

 なんといっても、最大の見せ場は、ダンテスと、ファリア神父の部屋でしょうか。右がファリア神父の表札で、左がモンテ・クリスト伯の表札。

 ウソとわかっていても、ダンテスの牢獄の前で、ウキウキしながら記念写真を撮りました。いずこの国の人も、こういうお遊びが好きなのだ・・と、妙に納得しながら。

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