雲南省の旅 2
装飾過剰なお寺
 

 昆明市内には数々の寺が建っています。社会主義では「宗教は麻薬」。寺院参詣は禁じられたはずですが、破壊もされず、荒れ果てた様子もなく、内外の観光客を楽しませてくれています。

 もっとも私は、原色を基調にしたハデハデ寺院は苦手。日本の寺も、創建時は極彩色だったと言われていますが、ここまで装飾過剰だったとは思えないのです。右写真は華亭寺の仁王ですが、東大寺南大門の古色蒼然とした仁王とは趣が違います。民族性の違いなのか、気候風土の違いなのか、仏教の解釈による違いなのか、他に理由があるのか。

 左の写真は、大観公園に建つ楼閣。京都の金閣や銀閣に形は似ていますが、似て非なるもの。前に立つと、つい横浜中華街の店を連想してしまいます。日本人の美意識からすると、金閣・銀閣に軍配をあげたくなりますね。

 この楼閣は、清の時代に公園全体を見渡すために造られたもの。「西南夷」と言われた僻地にすら、公園が造られ、それを高見から見物して楽しむ余裕があったのです。中央の高度な文明が、この地にまで浸透していたからこそと思われます。
 
 「龍門石窟」というと、洛陽郊外のものが有名ですが、昆明の西山中腹にも道教寺院の龍門石窟が。断崖絶壁に造られた細い道を登らないと境内にたどり着けません。ありがたみも増すというもの。「昆明に到りて西山に到らざれば未だ昆明に非ず 龍門に到らざれば未だ西山に非ず」の諺があるほどですが、私は無彩色の洛陽の石窟が好き。
 昆明湖や水田が広がる眼下は絶景。ゆったりとした水辺の風景になっています

 左は華亭寺。右は円通寺。屋根の反り返りが極端で派手。日本の寺院屋根に、反り返りがなぜ取り入れられなかったのでしょう。ご存知の方は教えてください。




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