中国・雲南省の旅
 
                  <2001年4月29日〜5月2日>

 1 春城と呼ばれる昆明
 2 装飾過剰なお寺
 3 鋭い剣の林・石林
 4 街角麻雀

 5 世界遺産の街・麗江
 6 麗江近郊・束河村
 7 東巴(トンパ)文字

雲南省の旅 1
春城と呼ばれる昆明

 
中国雲南省を訪れたのは、2001年4月。数年前の旅行記を載せている、これまでの間抜けなホームページに比べれば、早い登場です。雲南省には25もの少数民族が住んでいます。首都の期間が長かった北京と辺境の雲南とは、少数民族の有無ばかりでなく、種々の面に違いが見られます。北京の旅に続き、雲南の旅を。

 「日本文化の源流は雲南」という説があります。両方とも「照葉樹林文化圏」に属し、食べ物(米、茶、こんにゃく、納豆など)、風習、住居などに共通点が多く見られるからのようです。

 稲作の起源を雲南に求める説は、最近は分が悪いのですが、なにはともあれ、異国にいるのに「なつかしーい」の言葉が、つい出てしまうような所。バスの車窓から撮ったので不鮮明ですが、棚田が広がっていて、子供の頃に目にしていた日本の農村とそっくり。

 雲南省は中国西南部最奥の地。ベトナム、ラオス、ミャンマーと国境を接していると言えば、おわかりでしょうか。漢王朝は、日本を東夷(東に住む野蛮人)と呼んだように、雲南を西南夷と呼んでいました。元の頃には版図に入れられてしまいますが、小さな反乱は清の頃まで続き、「西南夷」が完全に中国の一部になるのは、中華人民共和国成立以降。まだ50年余にすぎません。

 省都は、人口およそ450万人の昆明。関空から直行便が飛んでいるので、その日の午後には昆明の空気を吸うことができます。出迎えてくれたガイドの曹クンは30歳前の真摯な若者。彼の第一声は、「1999年の世界園芸博以降、急に発展しました」。この言葉に違わず、超高層ビルがそびえ、車の排ガスが街をおおい、「西南夷」の面影はどこへやら。

 しかも、青空のもとに色とりどりの花が咲き、やたら明るいのです。花の多さは園芸博の名残かと思いましたが、もともと昆明には「春城」というきれいな響きを持つ呼び名があります。写真は大観湖。ブーゲンビリヤ、菜の花が満開。日本の春と夏が混在しているようです。中央に浮かんでいるのは、華やかな凧で装飾した舟。

 「春城」、「四時如春ーしじはるのごとしー」と言われているように、夏の平均気温すら19.9度と常春の地。亜熱帯地方ですが、標高が1890bと高いためです。そうそう、日本のマラソン選手の高地訓練の場としても使われています。

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