雲南省の旅 7
少数民族の衣装

 
麗江や束河村の光景を魅力的なものにしている要素に、納西(ナシ)族特有の民族衣装があります。麻雀をしているお年寄り、揚げパンを路上で売っている人、水路を囲む楽しげな村人。これまでの写真を見て、お気づきだと思いますが、日常的に民族衣装を着ています。
 日本の数十年前がそうであったように、ここでも、着ているのは年輩者ばかり。若い人の民族衣装姿は、一度も見かけませんでした。民族衣装に出会えるのは、もうわずかかもしれません。

 
麗江のホテル前を歩いていた、2人組の写真をごらんください。背格好も同じ、服装も同じ、ぴったり寄り添った様子は、双子かと思いましたが、よく見ると、顔は全然違います。どうやら仲良し2人組。写真を撮らせてくれと、身振り手振りで頼んだら、立ち止まってくれました。

 
衣裳はもちろん、帽子から靴まで、紺と白を基調にしたシックなものです。背中についている7つの円盤は、北斗七星。もともとは、両肩に太陽と月の刺繍があったそうです。ロマンチックな衣裳ですが、洗濯が大変でしょうね。


 
右の写真は、サニ族の衣装を着た若い女性達が、石林を案内するために、客待ちをしているところ。色彩の乏しい石林の中で、そこだけが場違いなほど華やか。

 「あの衣裳はサニ族のもの。」と曹クンが説明。「普通の洋服を着ていても、何族かわかるの」「雲南の少数民族は25。ボクには、区別などつきませんよ。あの中には漢族も混じっているかもしれない。あんなに大勢のサニ族がいるとは思えないからね」正直な答えが返ってきました。
 ちなみに25もの少数民族が住む雲南省でも、人口にすれば、全体の3割。ほとんどが漢民族なのです。

 お茶屋で宣伝していたぺー族とミャオ族の女の子にも会いましたが、やはりこれも衣裳だけがホンモノで、中身はわかったものではありません。中身はともあれ、4種の衣裳は、いずれも色彩感覚に優れ、模様や刺繍も凝っています。

 タイのチェンマイ奥地に行った時に、小さな女の子が細かい刺繍の民族衣装を着て、観光客からお金をせびっていました。雲南の衣裳と似ています。地理的には中国中心部より、タイ、ベトナムに近いので、その影響が強いのは当然でしょう。25の民族衣装のいわれを調べたら、25の民族歴史が、見えるのでしょうね。

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