ベトナムの旅 3
戦争犯罪展示館

 ここは、侵略者の残虐行為の数々を、これでもかこれでもかと展示している所。なかでも石川文洋氏の写真は迫力があり、思わず目をそむけたくなりますが、次代に語りつがなければ・・と気を奮い起こしました。農民に袋をかぶせ、水を注ぐ水責め。苦しむベトナム人をタバコをふかしながら押さえつけている米兵。手榴弾で首と胸だけになった死体を平気でぶらさげている米兵。双方とも地獄です。

 政治犯を狭い檻に閉じこめたいわゆる「トラの檻」。立つことも寝ることも出来ないほどの狭い檻に、19年間も押し込められていた人がいました。電気ショック拷問の装置、爆撃で落とされた爆弾、銃、戦車、化学兵器・・。展示品とはいえ、実際に使われたものだけにリアル。フランス革命で使われたギロチンも初めてみました。フランスからの独立戦争時に、反政府運動家の首をはねるために、フランスが持ち込んだもの。

 米軍が使用した枯れ葉剤の影響で生まれた結合双生児、ベトちゃん・ドクちゃんのことは日本でも知られていますが、他にも数えきらないベトドクがいたことをあらためて知りました。結合児のホルマリン漬けも展示。学校の標本室を思い出すような瓶が、並んでいました。
 
 あまりのむごさに、シャッターを1枚も押せませんでしたが、むごさという点では日本軍も同じ。日本による残虐行為を展示した博物館を、私は各地で目にしています。タイのクワイ河付近、韓国、シンガポールのセントーサ島、ハワイの真珠湾・・。どこの国の人も、どの民族も、本質的には残忍なのではないか・・と思わされた半日でした。

 このページに写真がないのも寂しいので、今をたくましく楽しげに生きているホーチミン市の庶民のスナップをごらんください。
 サイゴン川ほとりのベンチに座っていたおばあさん。激しい内戦をくぐり抜けたわりには、穏やかな顔をしていますね。自分が食べているお菓子を、私に差し出したやさしいおばあさんでした。

 
  右のスナップはシクロに乗っている男の子。シクロは三輪自転車タクシー。炎天の街を自転車をこいで人を運ぶので、運転者は大変です。二人の指の表情がなんとも可愛らしいでしょ。




 

 
 左の母子は、市場に買い物に来たところ。声をかけたら、笑顔がかえってきたお母さん。赤ちゃんの芯の強そうな顔も魅力的。


 
右の男性は、ホテルの朝食の時に、おかゆをサービスしていたホテルマン。3日間泊まっていた私たちの顔を覚えていて、「写真を送ってくれ」と頼まれました。数枚送ってあげましたが、残念ながら返事はなし。

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