ベトナムの旅 5
走りまわる街

 
もっとも忘れられない光景は、ホーチミン市内を疾走するバイクの大群です。「ホンダ」のメーカー名がそのままバイクを指す言葉にまで定着。カワサキやヤマハも「ホンダ」と呼ばれているそうです。

  特に、ネオンが灯る頃に「ホンダ」が走り回っているさまは必見。ヘッドライトとテールランプの光の川、排ガスとエンジン音がうずまく喧噪の世界・・。目抜き通りが、サーキット場になったようなもので、ド・ド・ドーの爆音を響かせて、ただグルグル回っています。目的地に向かっているとは、とても思えません。

  2人乗りは当たり前。3〜4人乗りもめずらしくないので、バイク台数の3〜4倍の人が夜のサーキットを楽しんでいることになります。「走りまわる街」は、エネルギーの固まりのようでもあり、経済発展の象徴のようにも思えました。街全体が激しく揺れている様相は、一見の価値がありますよー。
 
  三脚なし、フィルムがISO400では、夜の写真は無理。サーキット場の様子をお知らせできないのは残念ですが、昼に撮ったものをごらんください。台数といい、雰囲気といい、迫力不足は否めませんが。




 ベトナムは交通ルールがないに等しく、トラック、乗用車、バイク、シクロに加え、歩行者も同じ道路を行き交っています。おまけに、果物籠を天秤棒でかついだ物売りや、屋台もチョロチョロ。右の写真のような、菅笠をかぶり天秤棒をかついだ物売りおばさんの姿は、よく目にしました。

 北京でも車と人が混在していましたが、北京にはバイクがないので音は静か。でもクラクションや怒鳴り声、罵声は北京の方が大。ホーチミンの場合、無法状態でこれだけのバイクが走っていれば、一触即発にもなりかねませんが、緊迫場面は一度も見ませんでした。穏やかで我慢強いと言われるベトナム人気質の現れでしょうか。
 
 
左の写真は、人様から誉められた作品なので、大きめに伸ばしました。シクロの運転手は、暑い日中に、人を乗せて走るので、疲れるのでしょうね。昼寝姿をあちこちで目撃。
 シクロは、インドネシアではベチャ、タイではサムロ、シンガポールではトライショウと呼ばれている人力三輪タクシー。似たような構造ですが、少々違いはあるようです。

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