北欧4ヶ国の旅 4
ベルゲンへ

2006年7月1日(土)−4日目

 フィヨルドをめぐる旅を続けている。昼食はフロムのホテルで摂ったが、観光客で大混雑。日本人もたくさんいた。

 昼食後に、緑の車体フロム山岳鉄道に乗車。(フロム14時50分発〜ミルダール15時50分着)。始発のフロムの標高は2b、終点のミルダールは867b。世界一傾斜のある鉄道だという。およそ20キロを1時間かけて登っていく。この間、トンネルが20ヶ所もある。フロム鉄道は、鉄道ファンにはあこがれらしい

山岳フロム鉄道沿線には、大小の滝が次々現れる。いちばん大きいショスの滝で、列車を止めてくれた。華やかな衣装を纏った女性が、水しぶきから現れては消えるという演出があった。楽しませようとする趣向らしいが、大自然の中のやらせは台無しだ。

フロム山岳鉄道 ショスの滝 ベルゲン鉄道
フロム山岳鉄道のフロム駅 ショスの滝・女性が見え隠れする ベルゲン鉄道のミルダール駅

 次はベルゲン鉄道に乗車(ミルダール15時55分発〜ボス16時38分着。フロム鉄道は緑の車体だが、ベルゲン鉄道は赤い車体。風光明媚なベルゲンとオスロを結んでいるので、ここもあこがれの路線と言われるが、私たちが乗ったのは1区間40分だけだった。短時間とはいえ、車窓から見える「絵本の世界」にうっとり。

 ボス駅から再びバスに乗車し、ベルゲンのホテルに向かった。ベルゲンは美しい街だと聞いている。歩き回るつもりだったが、ホテルが郊外にあったので、ぶらぶら歩きは出来なかった。<ベルゲンの クオリティ エドヴァルト グリークホテル泊>

7月2日(日)-5日目

 午前中はベルゲン市内観光。ベルゲンはノルウェー第2の都市だ。ここのガイドも、ノルウェー人の夫を持つ日本人チヨコさん。「夫は脳梗塞で倒れノルウェー語すら話せなくなったんですよ。でも私が訓練して回復しました」と、チヨコさんは明るく語った。だから彼女に頼り切っていて、ガイドが終わる午後2時頃には、夫が迎えに来ていた。

 常駐している日本人は12名しかいないとチヨコさんは言うが、人口は24万人に過ぎないのに、12名もいるのかと驚く。

 チヨコさんも、ノルウェーは住みやすいと言っていた。ご主人の給料の55%は税金で取られるが、年金が入るので老後は安心であると。「災害がないのが、いちばんいいわ」と話していた。

まずトロルハウゲンにある作曲家グリークの施設へ。グリークに関するすべてがここに揃っていると言っても言い過ぎではない。まずグリーク博物館へ。たくさん残っている写真を見ながら、グリークの生い立ちから晩年まで早口で説明してくれた。次はグリークの家の内部を見学。亡くなるまでの22年間をここで過ごしたという。内部は木がむき出しのヒュッテ風、窓も大きくとってあり、自然を愛したグリークらしい。

ロフトフースにあったと同じような小さな作曲小屋は、フィヨルドを見下ろす地に建っていた。立派な家があっても、小屋の方が作曲しやすいのかもしれない。コンサートホールでは、夏の間は毎日演奏会が開かれる。ちょうど演奏が終わったので、中に入ることが出来た。

 グリークホールの屋根は、草ぼうぼうだった。草ぼうぼうの屋根は日本ではバカにされたものだが、ここでは断熱のために、わざわざ草を植えている。白樺の樹皮の白い方を上にして屋根の上におく。枠を作って土を盛り、種を蒔く。1100年頃にロシアから入ってきた手法だという。

作曲小屋 草ぼうぼうの屋根 ブリッケン地区
フィヨルドが見える作曲小屋 草ぼうぼうのホールの屋根 ベルゲンのブリッケン地区

コンサートホールのすぐ前に、グリークの銅像が建っていた、彼は非常に小柄で154aの等身大の像だ。少し離れた崖に、グリーク夫妻の墓があった。自然石を利用したようなワイルドな墓。目の前はフィヨルドだ。グリークについては、すでにHPの「銅像めぐり」で書いている。

 次はフロイエン山(320b)の山頂までケーブルで登った、天気がよく、ベンゲルの市街地や港が輝いて見えた。天気が良いのは当たり前と思っていたが、ベンゲルは「1年に400日降る」と言われるほど雨が多い地域。だから晴天は珍しいらしい。

ベルゲン市内 ホーコン王の館
フロイエン山頂からのベルゲン市内 ホーコン王の館とローセンクランツの塔

山を下りて、海岸ぞいのブリッケン地区を散策。ここは13世紀から17世紀にかけてハンザ商人達の事務所がおかれた地区。400年にわたって繁栄した。当時の姿をとどめる街並みが、世界遺産に登録されている。ベルゲンの緯度はアラスカと同じぐらいだから、普通は凍ってしまうが、ベルゲンが不凍港なので栄えた。

魚市場をのぞいた後、昼食。魚市場近くのターミナルから、ブリッケン地区の家並みを見た。おとぎの国とはこういうところかと思えるほどきれいなだった。ホーコン王(ベルゲンを開いた王)の館、ローセンクランツの塔も見えた。両方とも石で造られた建物で、木造の三角屋根の家と対照的。中を見たかったが、ベルゲン滞在が短すぎる。

 ベルゲン(15時45分発)→スカンジナビア航空で→オスロ(16時35分着)オスロ(18時25分発)→スカンジナビア航空で→トロムソ(20時15分着)

ベルゲンからオスロ経由で北極圏の町・トロムソに向かった。トロムソは北緯70度に位置する。<トロムソのグランドノルディックホテル泊>(2007年5月16日 記)

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