ポーランド・チェコの旅 9
キリストの磔刑像が多い街

2003年8月13日(金)

 午後は国境を越えてチェコに入る。西ヨーロッパの国境は簡単に通過できるが、ポーランドとチェコ間は、厳重に検査している。いかめしい顔をした係官がパスポートを集めに来た。「普通は1時間もかかるが、今日は30分で終わったよ」と、ドライバーはご機嫌だった。両国ともユーロ加盟が決まっているから、こんな検査も最後だろう。
 夕刻、チェコのオロモウツ市のホテルに到着。旅の半分が過ぎた。

8月14日(木)

 今日からチェコ観光が始まる。まず人口10万人のオロモウツ市。(ポーランド・チェコの旅1の地図参照)。プラハに次いで文化財が多いという。現地ガイドはリザおばさん。

 この街の見どころは、ホルニー広場付近に集まっている。仕掛け時計がある市庁舎もあれば、ギリシャ神話とローマの英雄の名をとった噴水(マーキュリー、カエサル、ヘラクレス、ネプチューン、ジュピター)がたくさんある。

 今日は30度以上の暑さだ。こんな時の噴水は、見るだけで嬉しい。家族連れが噴水を背に子供を写していた。ポーズをとるのは、万国共通らしい。(右上)

 オロモウツの目玉は、三位一体の碑。(左)。1754年にバロック様式で作られた。この碑単独で、世界遺産に指定されているほど傑作だと言うが、三位の像は35bの高さにあるのでよくわからない。父なる神(創造主)と子なる神(キリスト)と聖霊の3つは同格というのが、三位一体説である。

 この街の散策でいちばん驚いたのは、街角のあちこちに、キリストの磔刑やピエタ像があることだ。教会内部にある像は珍しくないが、下の4つはみな街角で見かけた。 


 次はブルノ市ポーランド・チェコの旅1の地図参照)へ向かう。チェコはボヘミアとモラヴィアの2つに分けられる。ブルノはモラヴィアの中心地でチェコ第2の都市。人口は38万。ガイドは引き続きリザさん。

 昼は、ブルノのインターコンチネンタルホテルで食べた。「あ!これはスターリン時代のホテルだ」とつぶやいたら、日本語がわからないリザさんが「そうだ、そうだ」と頷いた。スターリンという言葉を聞き逃さなかったのだろう。以前東欧を巡った時に、「スターリンの贈り物」のビルをたくさん目にした。真四角の情緒のない建物なので、すぐわかる。

 市内は、モラヴィア王国の首都だっただけに、城・旧市街・旧市庁舎(右)・教会などお馴染みのスポットが揃っている。

 まず丘の上のシュピルベルク城へ。内部に入る時間はなかったが、ブルノの市街がきれいに見えた。地下牢があると聞き、がぜん見たくなったが「予定に入ってません」と、つれない返事。ツアーの嫌なところだが、仕方ない。

 次はメンデルの修道院へ。馴染みのない土地を訪れた場合、有名人物に会うと嬉しくなる。メンデルは、いわゆる「メンデルの法則」で有名だ。生物学者と思っていたが、本職は修道院の司祭である。修道院の庭で、エンドウ豆の交配の実験を繰り返したという。詳しくは「銅像めぐり」の「メンデル」の項に、記してある。

 チェコ第2の都市だというのに、滞在時間は3時間もない。ガイドは、日本人の観光形態を不思議に思っているだろう。

 オロモウツ同様、ブルノにも、キリストの磔刑像が街角にたくさんあった。わずかの時間に出会った像である。ソ連に支配されたいた時代は、宗教が禁じられたいたはずだ。当時から街角にあったのだろうか。以前をご存知の方がいらしたら、教えていただきたい。

 3時半にプラハに向け出発。プラハのはずれ「ドン・ジョバンニホテル」に着いたのは夕方6時。モラヴィアの中心地から、ボヘミアの中心地まで移動してきたので、かなり時間がかかった。

 夕食はビアホールで。生演奏を聞きながら、ビールを楽しむ趣向だから、飲めない者には少々居心地が悪い。黒ビールが、とてつもなく大きいジョッキで運ばれた来た。黒豚の肉は黒くないが、黒ビールのビールは黒っぽい。ちょっと口をつけてみたが、香ばしいような気がした。今日からプラハに3連泊だ。

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